The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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牛肉チャーハン

昼に先輩と職場近くの食堂にランチをしに行く。

ここは青海牛肉麺といった麺料理をはじめ、“羊肉串*1や“大盘鸡*2などイスラム系の料理を出している店で、昼時にはものすごく賑わう。

入店するとちょうど席を立つ客がいたので、運良くすぐに座れた。私も何度か来たことがある店だが、先輩から「牛肉チャーハンがおいしい」と言われたので、そちらをいただくことに。

先輩には内緒だけど、ちょっと味は微妙だった。味付けにムラがあるのと、牛肉チャーハンという割には牛肉が雀の涙だ。ここの“羊肉串”は驚くほど肉が大きくて太っ腹だなあといつも思っていたのだが、それに比べるとずいぶん「けち」だ。

ここの牛肉麺はおいしいので今後も利用したいと思うけど、牛肉チャーハンはもう頼まないかなあ。

References
*1ラム肉の串焼き。
*2鶏肉とジャガイモの煮込み。ウイグル料理の代表選手。

有朋自遠方来不亦楽乎

有朋自遠方来不亦楽乎(朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや)。
──友人が遠くから訪ねて来てくれるとは、何と嬉しいことではないか。

『論語』「学而第一」より

論語の有名すぎる一文だ。よく「日本人はおもてなしを大切にする」と言うが、これについて言えば中国人も負けていない。むしろ気合いの入れようは日本以上かもしれない。友人の来訪を心から喜び、こちらが驚くほど歓待してくれる。そんな中国人の気持ちを、この論語の一文がまさに表現していると思う。

中国人の友人が私の北京赴任祝いと称して火鍋をつつく会を催してくれた。

彼らと知り合ったのは、まだ新型コロナウイルスのかけらも見られなかった2019年。私と同じ業界で働く中国の同業者たちだ。一緒にあるプログラムに参加したのをきっかけに仲良くなり、期間中は毎晩のように酒を飲み明かした。今回、私が北京に赴任したことも連絡していたのだが、中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大したこともあり、ずっと会えずにいた。それが今日、ついに会えることになったというわけだ。

店は龍潭公園の敷地内にある「鴉児李記」(“鸦儿李记”)という火鍋屋。彼らが予約してくれた。

大人気の店だそうで、私が家を出発するくらいに「出遅れるとずいぶん待つ羽目になるから先に入っておく!」と連絡。な、なんと、まだこちらは家を出てもいないというのに。いやあ、本当にありがたい。いざ着くと、氷点下だというのに店の外で私を待ってくれていた。そして文字通り抱き合って再会を喜び合った。コロナ禍で全く会えていなかったから、3年半ぶりだ。

この店は「北京人で知らない人はいない」というほど有名らしい。いただいたのは鍋が半分で仕切られ、それぞれ違う味のスープが楽しめる“鸳鸯锅”(おしどり鍋)。鍋には煙突が付いていて、雰囲気を含めて独特の味わいがある。“清真”(ハラール)なので豚肉こそないが、薄ーくスライスされた羊肉は芸術的とも言えるほど美しく、全く臭みがない。いつも買う安物とは全然違うのだ。何百年も羊を食べてきた民族のすごみを感じる。

毛肚”(センマイ)*1はちょっと湯がくだけで食べられ、コリコリした歯ごたえがたまらない。ほかにも凍豆腐やら、タケノコやら、野菜やキノコ類をどーんと頼んでくれていて、どれも食べ応えがあった。“芝麻酱”(ごまだれ)も濃厚で、たっぷり香菜(パクチー)をかけていただいた。

友人のうち1人がウイスキーを持ってきていて*2、炭酸水を注文しハイボールのように割って飲んだ。私の飲みっぷりを見て、友人たちは「いやあ、相変わらずすごい!」と驚いていた(笑)。一般的に中国では中国人のほうが日本人より酒を飲むと思っている人が多い。なかでも中国の北方は「白酒」といったアルコール度数の強い酒を飲むから、特にその傾向が強いかもしれない。それだけに日本人である私の飲みっぷりは意外なのだろう、友人は「飲めるから中国赴任できたんだよ」と笑ってくれた。あながち間違いではないかもしれない(^^;)。

とにかくゲラゲラ笑って、本当に楽しかった。

正直、私は中国という国にいろいろ思うことはある。複雑な感情を抱くことも多い。そして彼らの働く業界もどちらかというと「そっちより」。けれど目の前にいる彼らはこんな良い奴らなのだ。私自身、この気持ちをどう表現したら良いのか分からない。

私の同僚や友人にはアメリカやヨーロッパに留学経験があるという人が多い。彼らが純粋にアメリカやヨーロッパを「大好き」と言っているのを見るとたまに羨ましく思う。私も同じように中国を「大好き」と言えれば楽だが、そんな単純な国ではないのだ、ここは。この国のいろんな部分を見るにつけ、好きだと思う感情と同じくらい嫌だと思う感情を抱くこともある。

「中国なんて大嫌い……けど、大好き」。そう思えるのは、彼らとの付き合いがあるからかもしれない。みんな尊敬に値する人たちで、私にいろんなことを学ばせてくれる。そして日本人である私のことをここまで大切にしてくれるのだ。彼らがいてくれるから、私は「中国が大好き」と言える。だから私も彼らを大切にしよう……そう思わせてくれる中国の人たち一人一人に感謝です。

References
*1牛の第3胃袋のこと。
*2持ち込みが許されているのかどうなのかは知らない(笑)。ちなみに“清真”(ハラール)の店ではあるが、店内では酒類も注文できるようだった。

オマケが入っていた

日曜だけど仕事。夕方になっていろいろ仕事が発生し、帰宅できたのは22時頃。夕食を作る元気もなかったので“外卖”(出前)を取ることにした。

頼もうとしたのは“木须肉”(きくらげと豚肉の卵炒め)と“土豆丝”(ジャガイモの細切り炒め)。どちらも好きで、私がよく注文する定番の中国料理。いつも利用している店舗で注文しようとしたら、別の店舗でも同じメニューを扱っていて、しかもそちらのほうが安い*1ということが分かる。同じ料理ならと思い、今日は安いほうで注文してみた。

いざ届くと、容器が3つ入っている。あれ?私が注文したのは2品なはずだけど。取りだしてみると、もう1品入っていたのは“干豆腐丝”(千切り豆腐の和え物)だった。間違えて注文しちゃったかな?と思い、レシートを見てみると、注文しているのは確かに2品だ。容器をよくよく見てみると「無料サービスでお贈りします、ぜひ星5つの高評価をお願いします」と書いてあった。ははーん、そういうことか。

そのサービス精神、あっぱれ。ただ味はいつも注文している店舗のほうがおいしかった。ありがたいけど、次はいつもの店舗を頼んじゃうだろうなあ。

References
*1安いと行っても約250円程度だけど。

中国のフードデリバリー

中国で日本以上に普及しているサービスと言えばいろいろあるが、ひとつがフードデリバリーだ。

日本ではコロナ禍を契機にウーバーイーツや出前館といったサービスが広く知られるようになったが、中国では10年近く前から普及し始め、今や日本以上に身近になっている。街なかを見渡しても、至るところで配達員が忙しそうに配達業務をこなしている。今や多くの人にとって「生活の一部」になっているのだ。

私も今日、北京に赴任してから初めてフードデリバリーを利用してみた。

驚く人もいるかもしれない。だって今や「フードデリバリを利用しない日はない」という人もいるくらいなのだ。まあ、便利なことは分かっているんだけど、指でポチッただけのものを人に持ってこさせることに何だか申し訳なさを感じてしまうというか、出前は「特別なとき」に頼むもので贅沢だと思っちゃうというか、私の性格によるところが大きいかな(^^;)。

ただ、ここ最近帰るのが遅くて毎日がコンビニ飯なのだ。今日も時計を見ると午後10時過ぎで、またコンビニかあと思うとさすがに寂しくなってしまった。そこで、こういうときこそのフードデリバリーサービスでは?と思い立ち、試してみることにした。

会社に残っているのは私一人だけだったので、少々のにおいは大丈夫だろう(笑)と、よく食べる“杨国富麻辣烫”(楊国福マーラータン)を頼んでみることにした。アプリで具材とスープを選び、受け取る場所を指定したらスマホ決済で注文完了。あっという間だ。

アプリの表記はウーバーイーツとほとんど同じ。地図上にバイクに乗った配達員のマークが表示され、GPS情報をもとに今どこを走っているかがリアルタイムに分かる。

私の場合、22時51分から23時06分の間に届くことになっていて“23:06未送达,可获赔¥2”(23時06分になっても届かない場合、2元=40円を賠償いたします)と書いてある。この賠償は誰が払うのだろう。アプリ会社?飲食店?それとも配達員だろうか?

23時前に配達員から「着きましたよー」と電話。私のオフィスは外部の人が入ってこられないセキュリティーになっているため、入り口のゲートを受け渡し場所に指定していたのだ。いざ向かうと、真っ暗なゲートの向こう側に黄色いジャンパーを着た男性が立っていた。料金は注文時にスマホ決済しているので、柵越しに受け取るとそれで取引完了。やり取りは「どうもー」「はいー」だけ、あっという間だ。受け取った料理は立派な袋に入っていて、触った感じはまだ温かい。

容器はスープがこぼれないよう、ラップフィルムでぐるぐる巻きにしてあった。

いざ口にすると……できたてと思わせるほど熱々。当然だけど“麻辣烫”(マーラータン)だ。配達だけで20分はかかったはずなのに、すごいなあ。ちゃーんと私が注文した具材が入っていて、味も店で食べるのと変わらない。

これで40元(約800円)。日本の「楊国福マーラータン」で食べていたときは毎食1500円近くかかっていたので、それと比べたら半額近く安いことになる。うーん、日本のウーバーイーツで注文すれば、1人分でも1000円は超えるだろう。注文内容によってはもっと安くなるだろうし、そりゃあみんな使うよなあと思ってしまった。この低価格はどこにしわ寄せがいっているんだろう。配達員は地方から出てきた人が多いというが、彼らの低賃金だろうか。店舗側もフードデリバリーサービスのアプリに登録するには結構な手数料を支払わなければならないらしいが。

あと、過剰な包装は少々気になってしまった。

割り箸こそ木製だったが、大きな容器、そのふた、スプーン、すべてプラスチック製だ。店舗で食べれば全て発生しなかったはずで、世界最多の人口を有する中国でみんながみんなフードデリバリーを使えば、そのプラスチックごみの量は半端じゃないだろうなあ。

おいしいものを食べながらこんなことを考えてしまう自分も自分だ。ただ、中国に来てから「大量消費」という言葉を思い出すことが多いなあと思う。日本では「もったいない」という言葉が盛んに叫ばれるようになって久しいが、こうした点でも中国はかつての日本を見ている気にさせる。

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