The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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青島出張

今日から1泊2日で山東省は青島に出張。言わずと知れた“啤酒之都”(ビールの都)です。

北京から高速鉄道で向かったのですが、到着間際に海が見えました。厳密に言えば湾で、膠州湾(こうしゅう・わん)と言うそうです。流入する土の影響か水の色は濁っているようでしたが、久しぶりに海を見るとワクワクした気持ちになります。やはり日本人だからかしらん(^^)。

さすが青島、街中の至る所に「青島ビール」の店舗がありました。

店の入り口に掲げられた“鲜啤”というのは、文字通り「新鮮なビール」(=生ビール)という意味です。道路に面してビールサーバーが設置されていました。テイクアウトできるようになっているんですね。私は見かけませんでしたが、青島ではビニール袋に入れてビールを持ち帰るようです。これができるのも新鮮なビールをすぐに飲める環境ならでは、です。

昼食をいただいてから、午後は仕事。ご一緒した青島の方々は中国語の訛りが強く、年齢が高い方はいざ知らず、若い方でも結構な訛りがあったので聞き取りに少々苦労しました。北京から同行した中国人の同僚に聞いても「聞き取りづらい」と話していたので、外国人の私はなおさらです。

ひと仕事を終え、夕食は青島ビールをいただける飲食店に行きました。

店名は“土豪餐厅”。日本語にすると「成金レストラン」というところでしょうか。一緒にいた中国人の同僚が「みんな“一夜暴富*1を夢みているんですよ」と笑いながら話していました。店名とは裏腹に中身は何てことない、青島ビールと共に海鮮料理などが食べられる普通のレストランです。

さすが海沿いの街だけあって、海鮮が豊富です。

実は青島に到着後、タクシーに乗った際に地元出身だという運転手さんから夕食に何を食べるべきか尋ねたところ「青島に来たら“鲅鱼”を食べるべきだ」と教えてもらっていたのです。“鲅鱼”って何だろうと思っていたのですが、いざ見てみると日本でもよく食べられるサワラでした。

日本語でサワラは漢字で「鰆」と書くように、春が旬の魚です。特に私の地元の岡山では「瀬戸内に春を告げる魚」と言われ、刺身をはじめ、塩焼き、たたきなど様々な方法で食べられます。思わず青島と地元が繋がったような気がして、うれしくなってしまいました。青島でも今が旬だとされているそうで、是非ともいただくことにしました。

入店したら、まずこうして食材があるエリアに行き、店員さんにアレとコレと……と注文します。その際に調理方法も「蒸して」とか「揚げて」などとお願いすると、そのように調理してくれます。牡蠣やイカといった日本でも定番の海鮮から、どう見てもイモムシではないか?と思うものやザリガニなどもあって、いろんな食材が楽しめるのは中国ならではです。

まずは“酥皮蒜香虾”と“香椿炒鸡蛋”。

酥皮蒜香虾”はエビを揚げた料理で、衣がほくほく、身もしっかり詰まっていて、とても食べ応えがありました。“香椿炒鸡蛋”はチャンチンの卵炒め。チャンチンなんて知りませんでしたが、センダン科の落葉高木で、香りが良いので炒め物なんかに合うそうです。

サワラは1匹まるまる揚げられて出てきました。この身の切り方、日本ではあまり見ないというか、中国っぽいですよね。でも味はサワラでした。中国に来てから日本料理店以外で海鮮をいただくことがあまりなかったので、とても美味しくいただきました。

写真を撮るのを忘れたのですが、食事のお供にいただいたのはもちろん青島ビール。小さめのピッチャーに新鮮なビールを注いでくれ、同僚と一緒に飲みました。新鮮なビールに新鮮な海鮮、これぞ青島の醍醐味ですね。

References
*1一夜にして金持ちになること。

武漢2日目

武漢出張2日目。

朝から市中心部の中山公園に行くと、おばちゃんたちが扇子を片手に“广场舞*1を楽しんでいた。北京だと朝はまだ寒い。比べて武漢は大分暖かく、たくさんの人が外に出て来ている。なんだか、頭の中に「啓蟄」という言葉が浮かんだ。実際の「啓蟄」はもう少し先だけど。

この男性は棒の先に亀を釣って、じーっと座っていた。最初は売り物?食用?と思ったけど、いや、想像するにペットかな。亀を散歩させているのでは、というのが私の見立てなんだけど、いかがでしょうか。

このあと昼にかけて仕事が忙しく、食事をする時間もなかった。しかし、今思うと中国人スタッフたちに悪いことをしたなあ。この国の人にとって食事は何よりも大切なのだ。どんなに重要な会議でも、昼食の時間になれば必ず中断して食事をする。「立ち食いそば」みたいな店舗で仕事の合間にササッと食事を済ませる日本人とは対照的。ささいな文化(……というより考え方?)の違いだが、日中間で起きる問題のいくつかはこういう認識の違いが理由なことも多いんじゃないかと思う*2

私と仕事をしている中国人スタッフは日本との付き合いが長い人たちばかりなので、理解があるからまだいい。私が「私はもう少し仕事があるので、どうぞ先に食事に行っちゃってください」と言っても、彼らは「いや、待機していますよ」とこたえる。結局、食事が出来るメドが立ったのは午後3時過ぎ。私なら「もう夕食も近いし、食べなくていいや」となるところだが、ここは中国式に食事しに行くことにした。

時間も時間だったので、店がどこも空いていない。ランチタイムを終え、夕食までの休憩時間に入っているのだ。やっと見つけた店は地元の湖北料理をいただけるレストラン。

ただ、これが当たりだった。どれもおいしい。写真手前の“泡椒鱼片”は川魚を使った料理だが、全然生臭くない。あっさりしていて、けど味がしっかり付いている。写真右の“疯子黄牛肉”は汗が噴き出すほどのピリ辛だったが、肉厚な牛肉でごはんが進む。これまで湖北料理と言われてもピンと来ず、恥ずかしながら「内陸のちょっぴり辛めの料理」くらいの印象だったが、認識を新たにした。

北京への戻りは午後6時台の飛行機。中国東方航空だったが、途中墜落するんじゃないかと思うくらいの揺れに遭遇した。特に東方航空は去年墜落事故を起こしている*3だけに、縁起の悪いことがふと頭をよぎる。何とか無事に北京に到着した頃にはヘトヘト。はああ、疲れた。

References
*1主に中高年の女性が公園や広場で音楽に合わせて踊っているダンス。
*2例えば中国から来たゲストに冷えた弁当を出しちゃうとか。中国の人にとって「料理が温かい」のは必須で、どんなに立派な弁当でも冷えていると「自分が冷遇されているのではないか」と思ってしまう中国人もいるだろう。
*3去年3月に雲南省昆明から広東省広州に向かっていた中国東方航空の航空機が墜落し、乗客乗員132人全員が死亡した事故。

武漢

新型コロナウイルスの震源地……なんて言われている武漢にやって来た。

出発は4年前に開港したばかりの北京大興国際空港。初めてだったのでゆっくり見てみたかったが、なんせ出張自体が急遽決まったものだったため、そんな余裕もないほどフライトぎりぎりだった。タクシーの運転手さんに「絶対無理!間に合わない!」と言われつつも「なんとか!急いで!」と頼み込んで飛ばしてもらい、心の中では「おそらく間に合わないだろう」と思っていたけど奇跡的に間に合った。

先に空港に到着していた中国人スタッフの同僚がチェックインカウンターに話を付けてくれていたのだ。だから空港に着いてからはすごかった。チェックインカウンターに滑り込むとスタッフの女性が私のパスポートを見るか見ないかの速さで航空券を手渡してくれ、保安検査場ではいつも横柄に感じる(おっと、失礼)スタッフが奇跡的な速さで荷物をチェックしてくれた。おまけに「搭乗口のスタッフには話は付けてあります!だから急いで!」とまで言ってくれた。タクシーの運転手さんを始め、皆さん一人一人を抱きしめて感謝したいくらいだった。

武漢は初めての訪問。どうしても「新型コロナウイルスの震源地」という印象が強いが、あのときから3年も経った武漢にそういう雰囲気は微塵も感じられなかった。さすが北京より南に位置するだけあって、春が来たように暖かい。ある種「規格化された」街、北京に住んでいるので、武漢の雰囲気がとても新鮮だ。良い意味でごちゃごちゃしたところは上海を彷彿とさせる。

市の中心部にある中山公園。暖かいからか、多くの人で賑わっていた。

特に高齢者が思い思いの娯楽に興じていて、一緒に行った中国人スタッフが“退休后的生活”(定年退職後の生活)とボソッと言うので笑ってしまった。二胡を弾くおじさんに、マイクを持って芸能人ばりに大声で美声を披露するおばさん。

ひと仕事を終えて、夜は中国人スタッフと宿近くにあったショッピングモール内の火鍋屋で食事。午後9時前には解散してホテルの自室に戻ってきたが、こういう「大移動」した日はそれだけで疲れる。ホテルの鏡に映った自分を見て「ワッ」と驚くくらいには疲れていたようだ。

山西省出張2日目

山西省運城、出張2日目。

山西省は北京からそう離れていないが、訛りがきつい。若い人はまだいいが、高齢者と話すと何を言っているか分からなくなる。このたび北京に来て基本的に言葉で苦労したことはなかったので、初めて挫折を味わった気分だ。

とは言え、出張に同行した会社の中国人スタッフも聞き取れていないよう。山西省の地元の人から話しかけられても“……听不懂”(聞き取れない)と言う始末。同じ国の人同士で「聞き取れない」という場面は日本でそうそうない。やはり中国は大きいなあ。とりあえず聞き取れないのは私だけではなくネイティブでも同じなのだと分かって、少しほっとした(笑)。

こういう地方に来ると、一昔前の中国共産党のスローガンがそのままドデン!と残っているから面白い。この大洋村の大きな門に掲げられているのは“听党话,跟党走”(党の話を聞き、党と共に行こう)という文字。まあ、最近は北京といった大都市にもスローガンが増え始めて「回帰」とも言えるような現象が起きているけど。

市が立っていて、とても賑やかだった。道路の脇に露天がひしめき合って並び、多くの人が新年の縁起物や年越し用の食料品などを買い求めていた。この市は月に数回開かれているが、春節を控えたここ1週間ほどは特に客が多いらしい。

カラフルなのは飴。中国の年末年始は家に多くの人が集まるため、飴を食べながらおしゃべりをしたり、久しぶりに会った人に分けてあげたりと欠かせないものだ。

お昼にいただいたのは、地元の名物“羊肉胡卜”。料理名だけだと、どんな料理かさっぱり見当が付かない。“胡卜”というのは何だろう。見た目が“胡萝卜”(にんじん)に似ているので、にんじんか大根か何か入っている?と思いきや、全くそうではないらしい。

小麦粉をこねて作った生地を細切りにし、それを羊肉のスープに入れた料理。私はスープを少し辛めにしてもらった。スープがとても濃厚でおいしい。隣に座っている人は羊肉のスープに“麻花*1を浸して食べていたのでびっくらこいた。そういう食べ方もあるらしい。“麻花”はあのサクサクした感じがいいのになあ。さすが中国、食にもいろんな楽しみ方があるものだ。

今回、山西省で食べたものはどれも少々辛めのものが多かった。内陸部だから、辛いものを食べて温まろうということなのだろうか。初めて食べるものばかりで新鮮だった。

北京に戻り、自宅に着いたのは午後11時過ぎ。クタクタ。

References
*1小麦粉をこね、油で揚げて作る中国陝西省起源の菓子。きつね色に揚がった、香ばしくさくさくした食感と甘い味が特徴。

山西省出張1日目

今日から1泊2日で山西省に出張。これまで新型コロナウイルスの感染対策が異常に厳しかったこともあり、北京に来てから一度も地方出張がなかった。今回が初めてだ。

向かったのは山西省の南西部にある運城という街。さすがに「農村」とまではいかないものの、正真正銘の地方都市だ。仕事でなければ一生来ることはなかっただろうなあというような街で、そう思うとひとつひとつの風景がまた特別に感じられた。

この街、運城は塩湖が有名で「中国の死海」と呼ばれているようだ。写真では分かりにくいけど、遠くに見えているのが塩湖。

お昼にいただいたのが、この地域の名物だという“羊肉泡馍”。写真左のパイ生地みたいなのが“”で、これをちぎって右の羊肉や春雨が入ったスープに浸して食べる。浸してすぐは生地がまだ固いのだが、しばらく経つとふやけてくる。スープがおいしくて、しっかり飲み干した。

この店はオープンしたばかりのようで、店主がしきりにサービスしてくれるのが印象的だった。タバコを差し出してくれたり*1、スープはおかわり自由だと声がけをしてくれたり、とても親切だ。店内の雰囲気は新しいように見えなかったので、居抜き物件なのかもしれない。

私が一番印象的だったのは街の市場だ。豚の頭が並んでいたり、見たこともない川魚を売っていたり。なかでも忘れられないのが、首を紐で繋がれた鶏の姿だ。隣にはすでにさばかれた「鶏肉」が並び、この鶏自体も毛を3分の1ほどすでにむしられていた。寒いのかジーッとして動かず、たまにする瞬きがまだ生きていることを教えてくれた。おそらく客の注文があった時点で「しめる」のだろう。そのほうが新鮮だからね。この鶏からすればあとは「殺される」のを待つだけで、私の顔を見つめてきた目が忘れられない。

とか言う自分だって毎日のように鶏肉を食べているのだから自分勝手だよなあ。けど、生き物の命をいただきながら暮らしているのだということを改めて感じた。11年前の中国留学で新疆ウイグル自治区を旅行した際、ウイグル族の友人宅で「外国人のお客に対する最高級のおもてなしです」と言って目の前でヒツジを「しめ」、食事として差し出してもらったことを思い出した。

References
*1私は喫煙しないけれど。
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