The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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紅の豚

昨日から上映が始まったスタジオジブリのアニメーション映画「紅の豚」を見に行って来ました。

こちらは中国版のポスター、タイトルは《红猪》です。中国語を解さない日本の方は「これじゃあ『紅のイノシシ(猪)』じゃないか」と思うかもしれません。中国語では“”と書いて「ブタ」という意味なので《红猪》で正解なんです。一方のイノシシは中国語で“野猪”と書きます。

中国では今年6月にも「天空の城ラピュタ」が上映されて話題になりましたが、ここ最近ジブリ作品のリバイバル上映が相次いでいます。その背景には中国国内でのジブリ作品の人気に比して「リアルタイムに映画館で見た」という人が少ないという事情があります。だって「紅の豚」が日本で公開されたのは1992年。当時の中国はまだまだ経済発展の途上ともいえる状況で(今も『発展途上国』ではありますが)映画館で優雅に日本のアニメを鑑賞するような時代ではなかったでしょうね。

では、中国の人たちはどうやってジブリ作品を見ていたのか。おそらくは海賊版だったのかと思います。かつて……といっても、ほんの十数年前の話ですが、中国では海賊版のDVDが蔓延していました。私が留学していた頃も三里屯みたいなオシャレな街にさえ海賊版DVDを販売する店が普通にあり、様々な映画作品が1枚8~10元で売っていました。当時のレートで150円いかないくらいですから、そりゃあ買う人がいますよね*1

北京・三里屯にかつてあった海賊版DVDを販売する店舗(2011年1月撮影)

今や中国も経済発展し、海賊版は淘汰されました。それなりのものにはそれなりに対価を払うという当然のことが中国でも認識されるようになったのです。往年の名作を「きちんと」映画館の大きなスクリーンで見たいという人が出てくるのも納得できます。

今日私たちは北京中心部、芳草地の映画館で「紅の豚」を見ましたが、客は20人足らずですかね。客席の数からすれば少ないかもしれません。けれど日本のアニメ作品がこうして中国で堂々と公開され、お金を払って見に来る中国の方がいるっていうのは尊いことだなあと思います。ましてや日本と中国の関係が微妙な今だからこそ、こうした動きは大切にしたいものです。

References
*1ちなみに当時日本人留学生の間では、ここで買ったディスクをパソコンで再生するとドライブが故障するというウワサが広まっていました

天空の城ラピュタ

言わずと知れたスタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」。日本では1986年に公開された宮崎駿監督の作品ですが、実は今月1日から中国で公開されていて、今日見に行ってきました。しかし30年以上前の作品がなぜ今になって公開されるのでしょう。

天空の城ラピュタ。 原作・脚本・監督 宮崎 駿 プロデューサー 高畑 勲 音楽 久石 譲 主題歌 井上あずみ 声の出演 田中真弓 ⋅ 横沢啓子 ⋅ 初井言榮 ⋅ 寺田 農 ⋅

スタジオジブリの公式ホームページによると「ジブリ作品が中国本土で正式に上映」されたのは2018年公開の「となりのトトロ」なのだそうです。つまり中国でもジブリ作品はとても有名ですが、皆さん今まで映画館で見たことがなかったわけですね。日本で公開された当時、中国はまだ経済的にも貧しい国でしたから無理もありません。おそらくビデオやDVDでしか見たことがなく、それさえも正規版だったのか海賊版だったのか、という世界かもしれません。

「天空の城ラピュタ」(スタジオジブリ公式ホームページより)

今や中国は世界2位の経済大国となりました。コロナ禍も明け、往年の名作を公開することで映画館への客足を回復させたいという狙いがあるのかもしれません。確かにいくらビデオやDVDで見ていたって、お金を払ってでも「映画館の大きなスクリーンで見たい!」という人はいるでしょうね。私がまさにそんな感じです。小さい頃から「天空の城ラピュタ」、何十回も見てきましたが映画館で見たことがないんですもの(生まれる前でしたから)。

ただ調べてみるとインターネット上には「1990年代に『天空の城ラピュタ』を上海などの映画館で見た」という声もちらほらありました。はて?と思って検索すると、1992年に中国で「天空の城ラピュタ」が上映されたのは事実のようです。同年には日中国交正常化20年を記念して「となりのトトロ」も上映されているようで、これらがスタジオジブリに忘れられているのか、それとも異例扱いされているのかは分かりませんが。

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