The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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火鍋で歓迎会

私の会社は夏が人事異動の時期で、中国のオフィスも今年は大きな人の入れ替えがあります。人によってビザ発給の時期が違うので赴任時期は多少違いますが、うち一人目の方が今日無事に中国に着任したため、夜はその方を囲んで歓迎会を行いました。

やって来たのは「海底撈火鍋」(“海底捞火锅”)。中国の一大火鍋チェーンです。前回個人的に来たときは店内がうるさくてゆっくり食事ができず、しばらくはいいかなと思っちゃいましたが(笑)今日は会社の歓迎会ということで。スープは4色を選び、辛い麻辣スープ、トマトスープ、キノコスープ、鶏ガラスープを選びました。

例によって、ひとつひとつテーブルに店員が付いてアレコレ世話をしてくれます。これが「海底撈」が売りにしているサービスですが、やはり少々過剰です。こっちがおしゃべりに興じていると、隣から「新しいおしぼりはいかがですか」って。ありがたいけど、今おしゃべりで盛り上がっているところだっちゅーの(^^;)。思わず「ほっといてください」と言いそうになりました。

あとは、やはり店内で散発的に発生する「誕生日のお祝いサービス」。突然大音量の音楽が流れ、店員たちが「お誕生日おめでとう」とキラキラ光るライトを持って歌ってくれます。これが1組、2組なら分かりますが、何組もこれをやるのでやかましい(失礼)。

締めに注文した「カンフー麺」。店員さんがその場で生地をぶんぶん振り回して伸ばします。これも「海底撈」の有名なサービスの1つです。日本から来たばかりの方が「これ振り回している最中に、どこかに当たっちゃうことはないんですか」と聞くので、みんな口を揃えて言いました──「そういうこともあると思います、でもそれが中国です」。

2日連続で壮行会

同じマンションに住んでいる日本人の方が離任されることになり、壮行会を開きました。2日連続の壮行会です。離任といっても北京から台北に異動されるので、帰国するわけではないようですが。

集まったのは同じマンションに住む日本人同士。ちょうど先月も同じメンバーで飲み会を開催したばかりです。相変わらず今回離任される方を始め、私以外は皆さん日系企業の中国支社長といった立派な方々ばかり。本当に恐縮ですが、せっかく呼んでいただいたので参加させていただきました。

今日いただいたのは火鍋。火鍋といっても真っ赤なマーラースープと白いスープがハーフになった、よく見るアレとは違います。香港式の火鍋だそうで、店名も「表格香港海鮮火鍋」です。

肝心な火鍋の写真を撮り忘れてしまったのですが、鶏出汁を使ったスープでした。ご一緒した方が「(ラーメンの)『天下一品』みたいな味です」と言うのでどんなものかといただいたのですが、確かに「天下一品」でした。鶏肉ベースの出汁の濃厚スープがとてもおいしいです。それであって「天下一品」ほどドロドロした感じはなく、むしろアッサリしています。

プルプルした食材も入っていたのですが、これは「花膠」というものだそう。魚の浮き袋を乾物にして戻した珍味で、コラーゲンたっぷりとのことでした。

参加者のお一人が白酒を持ってきてくれました。安徽省で作られた「古井貢酒」というもので、とても飲みやすいのだそうです。いただいてみると、うーん、確かに飲みやすい。白酒というとアルコール度数が50近くあってキツいですが、これは喉を通りやすいです。

5人で白酒を飲み干すと、結構いいくらいの酔い具合に。「持ってきてくれたのが1本だけで助かりました」とみんなで笑いました(^^;)。

北平三兄弟

今日の夕食は北京名物、“涮羊肉”(羊肉しゃぶしゃぶ)をいただきました。

訪れたのは家の近所にあるグルメストリート「簋街」。通り沿いにたくさんの飲食店が並ぶ場所で、中には24時間営業なんて店もあって夜遅くまで賑わっています。今日向かったのは「北平三兄弟」という店です。「北平」というのは中華民国の時代に使われた北京の古い名称です。

この店、前を通ると毎晩すごい人数の客が待っているんですよね。インターネットの口コミを見ても高評価なので、いつか行きたいと思っていました。調べると、インターネット上で順番待ちの整理券を入手できるとのこと。店に着く頃に自分の番になるよう、事前に発券して向かいました。その甲斐あって現場で待ったのは数分程度、すぐに案内してもらえました。

昔ながらの石炭(コークス)で鍋を炊きます。席に着いた時点でグツグツ煮えたぎっていて、煙突からたまに灰がふわふわと出てきます。まさに本物の“涮羊肉”です。

ゴマダレが届くと「福」と「寿」の縁起の良い文字が作ってくれました。他にも「財」や「喜」といった漢字もあるそうです。

羊肉を持って来ると、このように皿を斜めに立てかけます。肉がずり落ちるのではないかと思ったのですが、落ちないんですね。“立盘不倒”と言って、こうして肉の血抜きをしっかりしていることを証明しているんです。肉の中に水分が含まれているとずり落ちますから。

あと羊肉の串焼きも注文したのですが、とっても肉が大きくて食べ応えがありました。北京に来てから、こんなに立派な羊肉の串焼きを食べたのは初めてじゃないかしらん。

こんな薬味を持ってきてくれ、自分のいる分だけ取ることができます。私は定番ですが、パクチー、ねぎ、黒酢を大量に取って、ゴマダレに入れました。

こういう鍋はついつい食材を注文しすぎてしまいます。今日も調子に乗って食べきれないほど注文してしまいました。でも、それが鍋の醍醐味。1人じゃ外で鍋は食べられませんから……と思ったら、店内には1人で鍋をつつく客がちらほらいました。おそらくここはどちらかというと家族連れや友人同士など大勢でワイワイ食べる店かなあと思うのですが、スマートフォンの動画を見ながら1人で黙々食事をしているのです。

かつて中国では1人で外食するというのは珍しいというか、そういった習慣がありませんでした。だって中華料理の定番と言えばターンテーブルですけど、あれを1人ではいただけません。それがハンバーガーショップや牛丼店といったファストフードチェーンが流入した結果、1人で食事をする文化が生まれ、今やこうした店でも「おひとり様」で食事をする人が出て来たんですね。文化や習慣は変わっていくんだなあというのを目の当たりにした気分でした。

中国の海底撈に行った

中国から日本に送りたいものがあり、郵便局に向かう。

大して混んでいたわけではないものの、私の前に並んでいた人たちがあれやこれや小包を送る人たちで、その割に作業をする郵便局員は2人しかいなかったのでえらく時間がかかった。

私のひとつ前に並んでいた人はビニール袋に大量に入れた服を持ってきていて、これを送りたいという。その場で局員が一着一着、服を畳んで段ボール箱に詰めていく。私からすると「そんなこと事前に家でしてきなさいよ。郵便局員は衣服を畳むのが仕事じゃないんだから」と思ってしまうが、中国では「それ」も局員の仕事なのだろう。あとから来る人たちも悉く「物品」のみを持ってきて、それを局員に段ボール箱に詰めさせるのだ。

郵便局員は決して要領が悪いわけではない。むしろテキパキしていて、作業に無駄がないといった感じだが、客がこんな感じなので私たちの順番まで結構待たされた。

いざ順番が来てからはあっという間だ。局員の女性は手際よく私たちが日本に出したいエアメール1通1通の重さを量り、差出人の欄などきちんと記入されているか確かめ、1通7元(約140円)だと教えてくれた。私はそれをスマートフォンの電子決済で支払いして終わり。なんと、このエアメールはたった140円で中国から日本へ旅できるんだなあ。

夜は西単にある「海底撈火鍋」に行った。日本で池袋の「海底撈」に行ったことがあるが、中国で来たのは初めてだ。いざ行くと待ち時間が1時間以上。ただ人気店なこともあって週末の「海底撈」で待ち時間が1、2時間なんてざらだと聞くし、とりあえず入ってみることにとした。

「海底撈」はそのアトラクション性というか、ホスピタリティの高さが有名で、待ち時間も退屈しないようにお菓子が用意してあったり、店員さんが「酸梅湯」*1を持ってきてくれたりとサービスが良い。しかし、確かに待ち時間は1時間余りかかり、正直待ちくたびれてしまった。

鍋は2つのスープが楽しめる“鸳鸯火锅”にした。ちなみに右側のスープは辛そうな「麻辣スープ」に見えるけど、実はトマトスープ。最初は物珍しいし食べていておいしかったけど、そのうち飽きてしまった。やはり中国の火鍋は「麻辣スープ」と「白湯スープ」だなあと反省。具材は羊肉をはじめ、娃娃菜やら、冬瓜やら、凍豆腐やら、豆苗やら、それに野菜やキノコ類をど〜んとアラカルトで頼む。タレはセルフサービスで取り放題なので、“芝麻酱*2の上に香菜、ねぎ、そしてにんにくのみじん切りとごま油をたっぷりかけていただいた。

いざ鍋をつついていると、そこらの卓から歌が聞こえてくる。どうやら誕生日の客がいると、店員が歌を歌ってお祝いしてくれるらしい。最初は微笑ましく見ていたが、これが後に店内のあらゆる場所で同時多発的に起きる。ほ、本当にみんな誕生日なの?大音量で歌が流れ、手拍子しながら「ウォー」なんて喜ぶ声も。2組目くらいまでは良かったけど、ちょっとそれ以降はやかましいと思うようになってしまった(おっと、失礼)。

味も悪くないし、いろんな食材があって楽しかったけど、ちょーっと私には騒がしかったかな。大学生くらいはこのノリがちょうどいいのかもしれないけど、私はもう少し静かに食事をいただきたい。初めてだったので良い経験にはなったけど、まあ、とりあえずしばらくは良いかな(笑)。

References
*1梅をはじめとする漢方で作られた、甘酸っぱい味がする薬剤ドリンク。
*2ゴマダレ。

“涮羊肉”を食す

春節の連休中だが、今日は当番で出勤。

帰宅してから夕食を食べに近所の“涮羊肉”の店に行った。“涮羊肉”というのは北京名物で、言うなれば「マトンしゃぶしゃぶ」。春節で閉めている店も多い中、ここは絶賛営業中で店内は満席。店を変えようかと思ったが、運良く入ってすぐ案内してもらった。

火鍋と違って“涮羊肉”のスープは「ほぼ味のないスープ」……というより「ただのお湯」と言ったほうがいいかもしれない。申し訳程度にナツメやクコの実が入っていて、羊肉をサッとくぐらせたら濃厚なゴマダレに付けていただく。シンプルだが、これがたまらないのだ。

妻も「んん!おいしい」と絶賛。「日本でもはやらないのかな」とのこと。日本では「ガチ中華」が流行語になるくらいだが、確かに中国の鍋というと火鍋の勢いにおされて“涮羊肉”はまだそこまでメジャーでないかもしれない。厳寒期の本場北京で食べる、本場の“涮羊肉”は格別の味だ。

有朋自遠方来不亦楽乎

有朋自遠方来不亦楽乎(朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや)。
──友人が遠くから訪ねて来てくれるとは、何と嬉しいことではないか。

『論語』「学而第一」より

論語の有名すぎる一文だ。よく「日本人はおもてなしを大切にする」と言うが、これについて言えば中国人も負けていない。むしろ気合いの入れようは日本以上かもしれない。友人の来訪を心から喜び、こちらが驚くほど歓待してくれる。そんな中国人の気持ちを、この論語の一文がまさに表現していると思う。

中国人の友人が私の北京赴任祝いと称して火鍋をつつく会を催してくれた。

彼らと知り合ったのは、まだ新型コロナウイルスのかけらも見られなかった2019年。私と同じ業界で働く中国の同業者たちだ。一緒にあるプログラムに参加したのをきっかけに仲良くなり、期間中は毎晩のように酒を飲み明かした。今回、私が北京に赴任したことも連絡していたのだが、中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大したこともあり、ずっと会えずにいた。それが今日、ついに会えることになったというわけだ。

店は龍潭公園の敷地内にある「鴉児李記」(“鸦儿李记”)という火鍋屋。彼らが予約してくれた。

大人気の店だそうで、私が家を出発するくらいに「出遅れるとずいぶん待つ羽目になるから先に入っておく!」と連絡。な、なんと、まだこちらは家を出てもいないというのに。いやあ、本当にありがたい。いざ着くと、氷点下だというのに店の外で私を待ってくれていた。そして文字通り抱き合って再会を喜び合った。コロナ禍で全く会えていなかったから、3年半ぶりだ。

この店は「北京人で知らない人はいない」というほど有名らしい。いただいたのは鍋が半分で仕切られ、それぞれ違う味のスープが楽しめる“鸳鸯锅”(おしどり鍋)。鍋には煙突が付いていて、雰囲気を含めて独特の味わいがある。“清真”(ハラール)なので豚肉こそないが、薄ーくスライスされた羊肉は芸術的とも言えるほど美しく、全く臭みがない。いつも買う安物とは全然違うのだ。何百年も羊を食べてきた民族のすごみを感じる。

毛肚”(センマイ)*1はちょっと湯がくだけで食べられ、コリコリした歯ごたえがたまらない。ほかにも凍豆腐やら、タケノコやら、野菜やキノコ類をどーんと頼んでくれていて、どれも食べ応えがあった。“芝麻酱”(ごまだれ)も濃厚で、たっぷり香菜(パクチー)をかけていただいた。

友人のうち1人がウイスキーを持ってきていて*2、炭酸水を注文しハイボールのように割って飲んだ。私の飲みっぷりを見て、友人たちは「いやあ、相変わらずすごい!」と驚いていた(笑)。一般的に中国では中国人のほうが日本人より酒を飲むと思っている人が多い。なかでも中国の北方は「白酒」といったアルコール度数の強い酒を飲むから、特にその傾向が強いかもしれない。それだけに日本人である私の飲みっぷりは意外なのだろう、友人は「飲めるから中国赴任できたんだよ」と笑ってくれた。あながち間違いではないかもしれない(^^;)。

とにかくゲラゲラ笑って、本当に楽しかった。

正直、私は中国という国にいろいろ思うことはある。複雑な感情を抱くことも多い。そして彼らの働く業界もどちらかというと「そっちより」。けれど目の前にいる彼らはこんな良い奴らなのだ。私自身、この気持ちをどう表現したら良いのか分からない。

私の同僚や友人にはアメリカやヨーロッパに留学経験があるという人が多い。彼らが純粋にアメリカやヨーロッパを「大好き」と言っているのを見るとたまに羨ましく思う。私も同じように中国を「大好き」と言えれば楽だが、そんな単純な国ではないのだ、ここは。この国のいろんな部分を見るにつけ、好きだと思う感情と同じくらい嫌だと思う感情を抱くこともある。

「中国なんて大嫌い……けど、大好き」。そう思えるのは、彼らとの付き合いがあるからかもしれない。みんな尊敬に値する人たちで、私にいろんなことを学ばせてくれる。そして日本人である私のことをここまで大切にしてくれるのだ。彼らがいてくれるから、私は「中国が大好き」と言える。だから私も彼らを大切にしよう……そう思わせてくれる中国の人たち一人一人に感謝です。

References
*1牛の第3胃袋のこと。
*2持ち込みが許されているのかどうなのかは知らない(笑)。ちなみに“清真”(ハラール)の店ではあるが、店内では酒類も注文できるようだった。

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