The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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成熟

そう言えば、日曜日に行ったマッサージ屋で夫婦揃ってマッサージ師から「あんたたち、まだ若いでしょ」と言われた。私が「何歳に見える?」と聞くと実年齢より10歳くらい若い年齢を言うので(お世辞かどうかは別として)妻とニヤニヤしてしまった。

私は昔から年齢よりも若く見られることが多い。就職してからもスーパーで酒を買おうとして年齢確認されることがあった。若かった頃は「ずいぶん下に見られているんだな」と良い気分がしなかったが、今となっては悪い気がしない*1。これが中国になると、余計に若く見えるようだ。確かに私から見ても、同年代の中国人にはずいぶんと老成した方々が多いように感じる。

中国では「それなりの年齢」になると“成熟”が求められると言う。人格が完成し、人としての深みや厚みがある状態のことだ。日本語でも「成熟」と言うが、どちらかというと「身体面」を指すことが多い気がする。中国語はそれよりもっと精神的な部分を指して“成熟”と言う。もしかすると、人間の顔つきとはそうした“成熟”によるものが大きいのかなあ。そういう意味では、私はまだまだ“不成熟”ということなのかもしれない(^^;)。

References
*1……と思う時点で、ああ、自分は年を取ったんだなと感じるけど(^^;)。

最後のお別れ

いろいろな事情があって、ふと私の弟2人が実家のある岡山に帰っている。今日は祖父母宅に集まってワイワイしたらしく、私も帰宅してからオンラインで参加した。

正直、このタイミングで家族が集まる機会ができたことに心底ホッとしていた。気になっていたのが今週月曜日に亡くなった親戚のおばさんのこと。祖父の姉にあたる人で、亡くなってから祖父がかなり落ち込んでいると聞いていた。そりゃあそうだろう、私だって自分の兄弟が「もしそうなったら」耐えられないだろうなあ。だから孫が帰ってきて賑やかになれば、落ち込む祖父にとって少しでも励みになると思ったのだ。

ビデオ通話で弟と会話をしていると「明日、大阪に行く」と言う。どうやら明日(土曜日)大阪でおばさんの葬式があり、急遽弟が祖父母を連れて行ってあげる話になったようだ。

祖父は散歩が日課で、数キロくらいなら平気で歩くほど元気。判断力もしっかりしている。ただ、ここ数年で耳の聞こえが悪くなった。大阪くらいなら体力的に全く問題ないが、ただ「耳の聞こえ」を心配し1人で(乃至、祖母と2人で)行くことは半ば諦めていたのだろう。本当は行きたくて行きたくてしようがないのに。それを見かねた弟が、自分が大阪まで連れて行くことを申し出たようだ。

ビデオ通話をする弟の脇から祖母が「おじいちゃん、もう、それはそれは喜んでいるよ」と割って入る。しかし映像に祖父の姿が見えない。どうしたのかと聞くと、さっそく自室で大阪行きの準備をしているのだと言う。そうだね、喪服に数珠に、香典だって用意しなくちゃいけない。

弟たちと話していると祖父が部屋に入ってくるのが見えたので、私からも「気をつけて行ってきて。大阪のおばさんも最後のお別れができること、きっと喜んでいるよ」と伝えた。すると祖父が我慢できず泣き出したので、思わず驚いてしまった。祖父が泣いた顔なんて見たことがなかったからだ。曰く、姉が亡くなってここ4日ほど気が塞いでいたらしい。葬式に参列できることが本当にうれしそうで、私も画面越しに泣けてきてしまった。

人が亡くなっているのに「良かった」というのは憚られるけど、弟たちの帰省の時期がちょうど重なって本当に良かった。そして弟の提案にも感謝。急遽、大阪行きが決まった祖父母と弟に私からも少しカンパした。強行軍かもしれないけど、心おきなくお別れをしてきてほしい。

さらぬ別れのありといへば

母親から親戚が亡くなったと連絡を受けた。

その親戚は祖父の姉にあたる方で、大阪に住んでいたので「大阪のおばさん」と記憶していた。私も小さい頃に家におじゃましたことがあるし、最近だと4年半前に祖父母を連れて行ってあげたのを覚えている。たった4年半前だが、そのときはかくしゃくとして元気だった。いつもプールに行って運動をし、笑顔で「年の割には元気」と話していたのになあ。去年から体調を悪くして入院していたそう。加えて旦那さんと揃って認知症だったとか。

思えば、認知症とは残酷だ。祖父にしてみれば、目の前にいるのは紛れもない自分の姉なのに、自分のことを分からなくなっているのだ。高齢になって周りの人が亡くなっていく中、祖父にとっておばさんはたくさんの思い出を共有する大切な存在だっただろう。なのに記憶をなくせば赤の他人も同然になってしまう。私だったら寂しくて、とても耐えられないかもしれない。

そんなおばさんが今日亡くなったとのこと。コロナ禍だったという事情はあるものの、もっと祖父母を大阪に会いに連れて行ってあげればよかったなあと悔やむ。而立の年を過ぎて、こうした別れを経験する機会が増えた気がする。中国にいて難しいのは百も承知だが、幸い今も元気な祖父母を始め、お世話になった人たちとは少なくとも自分が後悔しないような付き合い方をしていたい。

「聞かれていない」と思う油断

今日は午前中に髪を切りに行ってきた。

いつも日本人スタイリストがいるヘアサロンというか美容院に通っているのだが、切ってもらったのは例によって今日も中国人スタイリストだった。予約のときに日本人スタイリストが空いているか聞くのだが、毎回うまっているのだ。当初は日本人に切ってほしくて通い出したんだけど、中国人スタイリストのほうが料金が安いし最近はこれでもいいかなと思うようになった。

さすが日本人スタイリストがいる美容院だけあって日本人の客がひっきりなしに訪れる。日本人と中国人は同じアジア人でも、服装や仕草ですぐに区別が付くから不思議(^^)。

ちなみに今日一緒になった日本人の客はスタイリストと結構大きめの声で話すので、会話の内容が丸わかりだった。こうして異国にいると日本語で話しても周りの人が聞き取れないので、ついつい声が大きくなる人が多い気がする。そもそも中国という国自体、声の大きい人が多いからね。ここが日本人スタイリストのいる美容院で日本人客も多いことを忘れちゃっているんだろうな。

しかし、こういうのは結構気をつけたほうがいいと思う。中国って日本語を解する人が結構いるし、「ネガティブ」なことを話している雰囲気って、その言語が分からなくても何となく通じてしまうものなのだ。これまで中国の人を怒らせかねないセンシティブな会話を日本語でワーワーする人を今まで幾度となく見て来たが、私まで何だか「いや~」な気分になってしまう。ま、それを言ったら日本国内で中国人同士が中国語で悪口を言い合うのも何度も見たけどね。

土曜日だけど午後から出勤。一仕事を終えて、夜は晩酌しました。

ごはん食べた?

中国語で挨拶の代表選手と言えば“你好”(ニーハオ)だ。中国語を学んだことのない人でも一度は聞いたことのあるフレーズだが、親しい者同士で使うことは滅多にない。日本語でも家族同士で「こんにちは」と言わないのと同じような感じ。よそよそしく、むず痒い感じがする。

中国語の教科書にはよく「中国人は挨拶代わりに“吃饭了吗?”(ごはん食べた?)と言う」という説明が書かれている。正直、中国語を学び始めたばかりの頃は「ほんと~!?そんな人、見たことないー」と感じたものだ。それに11年前の留学時代もそんな挨拶をされた覚えはない。

それが、今、北京で働くようになって……「ごはん食べた?」と挨拶してくる人がいるのだ。

いつも職場のお掃除をしに来てくれる女性の方。日本語ペラペラな他の中国人スタッフと違い、中国語しか話せない方で、まさに“老百姓*1なので、一般の中国人はどんなことを考えているのかなあということを知りたくて、中国語の練習も兼ねてよくお喋りをしている。

この方、いつも昼に会うと「ごはん食べた?」と聞いてくる。当初は、中国に来たばかりの私が何を食べたか気になるのかなあと思い「今日は牛肉麺を食べたよ」とか「これからデリバリーを頼む」なんて答えていたのだが、あまりに毎回聞いてくるので最近は「これ……私が何を食べたのかは別にどうでもよくて(笑)ただの挨拶なのでは」と考えるようになった。

日本語にもそういう挨拶はある。日本人がよく使う「お疲れさまです」……本当に疲れているかどうかは問題ではなく「どうも」くらいの意味なので、人に言われて「え……私、今日は別に疲れていないけど」と返す人はいない。「お疲れさまです」と言われば「お疲れさまです」と返せばいい。だから中国語でも「ごはん食べた?」と聞かれれば「食べたよー、君は?」程度で構わないわけだ。

けど私はいつも「今日は麺を食べたよー。行ったのは○○の店で……」といろいろ答えるようにしている。そのほうが話が広がるのだ。相手も「○○に行ったの!?あそこよりアッチのほうがいいよ」なんて教えてくれる。

そして今日は私も「ごはん食べた?」デビューをしてみた。これまた中国語しか話せない中国人スタッフに「ごはん食べた?」と聞くと「食べたよー、これから食後のお茶を入れるところ」と返してくれた。すると、そこから「どこのお茶?」「アルゼンチン」「へー!アルゼンチンのお茶!」なんて話が続いて盛り上がった。なるほど、これが「ごはん食べた?」の醍醐味かあ。

けど、この挨拶。昼時にしか使えないのが残念だ(^^;)。

References
*1老百姓”というのは「庶民」とか「一般の人」という意味。日本語的には「年老いた農民」と読めそうだが、中国語では全く違う意味だ。

土曜日でも出勤

今日は土曜日だが、昨日まで春節の連休だったこともあり「振替出勤日」で仕事。しかし職場に出勤すると、人がやけに少ない。どうやら半分以上の中国人スタッフは休みを取っているようだ。

なーんーだー!だったら私も休んだのに。確かにうちは日本の会社なわけで、日本が休みなのだから無理して働くことはないのだ(と正当化する)。その一方、中国が休みでも日本が平日ならポンポン仕事が降ってくるんだけどね。

夜、帰宅してのんびり過ごしていると妻が紙袋を手渡してくる。開けてみると腕時計。遅くなったが、私への栄転祝いとのことだ。実は私が日本を出国する前、妻からお祝いを買いたいけど何が良いかとずっと聞かれていたのだ。私は「腕時計が欲しいかなあ」と言い、ビックカメラの時計コーナーで「買うならこれ」と伝えていたのだ。

今はスマートフォンで時間を見る人が多いのかな。腕時計をしない人が増えていると聞くけど、私はしちゃう。このデジタル時代だからこそ、あの精巧なメカニックにワクワクしちゃうんだよねえ。だから私は断然アナログ時計派だし、なかでもクロノグラフが好き。まさにそんな腕時計をいただいた。ありがたや、ありがたや……今度からこれを付けて仕事に行きます。

春節の連休最終日

中国では今日までが春節の連休だ。明日と明後日は週末だが、例によって「振替出勤日」という日本人には理解しづらい(笑)制度によって平日扱い。日中は家でのんびり過ごし、夕方から毎度お世話になっているイトーヨーカドーに買い物に出かけた。食料品などを買って帰路につく。

明日から仕事かと思うとまるで気分は日曜日だが、実は金曜日。うーん、余計にやる気が出ない。

中国でしめ飾り

先日、イトーヨーカドーで購入したしめ飾りを玄関に飾った。

うーむ、正月って感じだ。このしめ飾りを眺めるだけで正月気分になるところ、やはり自分も日本人なんだなあと少しうれしくなった。私が通っていた小学校では年末年始が近くなると、しめ飾りを作る行事があった。体育館一面にブルーシートが敷かれ、大量のわらがドサッと用意された。わらをあざなう(という動詞でいいのかな?)のに結構力が必要で、指導に来てくれた近所の方に手伝ったもらいながら作ったのを覚えている。

中国の人はこれを見てめでたいものだと分かるだろうか。まあ「賀正」の文字があるし、紅白の飾りも付いているから想像はつくかな。しかしお祝いにもっとギラギラしたものを好む中国の人からすれば「何で草なんだ」と地味に見えるかもしれないなあ。

オンライン飲み

今日は会社の同期とオンライン飲み。中国と日本をLINE通話で結んで乾杯した。

彼は本当に「酒の波長が合う」飲み仲間で、日本にいた頃はしょっちゅう朝まで飲み明かした。私が中国に赴任することが決まったときも、念願の中国異動を喜んでくれた一方、頻繁に飲めなくなることをお互い心底残念がった。早くオンライン飲みをしようと話していたのだが、私も彼も仕事でバタバタしていたため、このタイミングになったというわけ。

私はせっかくだからということで日本料理の店にフードデリバリーを頼み、刺身や唐揚げなど「居酒屋」気分を楽しめるものを用意。彼は食事を早めに済ませたらしく、簡単なつまみを用意していた。私は青島ビール、彼はバドワイザーで乾杯。

いやあ、本当に楽しかった。時間も忘れるほどで気付くと午前様だった。オンライン飲みは確かに味気ない部分はあるものの「飲み過ぎても、すぐベッドにダイブできちゃうからいいね」とゲラゲラ笑い合った。やはり「酒の波長が合う」人と飲みのは楽しい。相手が飲まない人だと「自分だけ飲むのも」と遠慮しちゃうし、逆に飲み過ぎる人でも「合わせなきゃ」と無理しちゃうもんね……と、こんなことを言ったら「いや、おまえより飲む奴はいないよ」と返されちゃうかもしれないけど。

中国と日本でこれだけビデオ通話しても、インターネットならタダ。国際電話だとどのくらいかかっただろう……なーんて考えると、いや、本当に技術の進歩に感謝。少し飲み過ぎたけど、金曜日だったので許して下さい。

雨のにおい

今日、仕事をしていると「わああ」という声が上がった。

みんな窓の外を眺めていたので、なんだろう?と私も見てみると雪が降っていた。北京の冬は昼間でも氷点下になるほど気温は下がるが雪が降るのは珍しい。私もしばし見入ってしまった。

夜、帰宅しようとしたらツーンとにおいがした。雨のにおいというか、土のにおいというか……雨が降った後に漂うにおい。おそらく雪はその後、雨になったのだろう。地面が濡れていた。

北京の冬は雨が極端に少なく、そもそも私が来てから傘を差した機会は2度ほどしかない。この「雨のにおい」もしばらくご無沙汰だったなあ……何だか懐かしい感じ……けど、乾燥が激しい北京じゃすぐ乾いちゃうかも。

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