The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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えらく違う

夜に仕事関係で日本人のお偉い方と食事。

ここ最近、基本的に仕事で付き合いがあるのは中国の人ばかりだったので、日本の人と会うと雰囲気がえらく違う。場所もちょっぴり雰囲気の良い和食料理店だったので、それがまた一層堅苦しくさせる。こういうやんごとなき方々もお酒が入ってくると打ち解けてくるものだが、今日の方は全くお酒を飲まない方で終始お堅い感じ。

テーブルにはおいしそうな料理がたくさん並んでいたけど、ガツガツ……という雰囲気でもなく、ああ、もったいなかったなあ。いや、仕事なんだけどね。言葉遣いも気にし出すと日本語って本当に難しい。中国人とやり取りしているほうがよっぽど楽だなあと感じた*1

References
*1もちろん中国語にも敬語表現はあるし、中国人が対人関係に敬意を払わないわけではないけれど。

武漢2日目

武漢出張2日目。

朝から市中心部の中山公園に行くと、おばちゃんたちが扇子を片手に“广场舞*1を楽しんでいた。北京だと朝はまだ寒い。比べて武漢は大分暖かく、たくさんの人が外に出て来ている。なんだか、頭の中に「啓蟄」という言葉が浮かんだ。実際の「啓蟄」はもう少し先だけど。

この男性は棒の先に亀を釣って、じーっと座っていた。最初は売り物?食用?と思ったけど、いや、想像するにペットかな。亀を散歩させているのでは、というのが私の見立てなんだけど、いかがでしょうか。

このあと昼にかけて仕事が忙しく、食事をする時間もなかった。しかし、今思うと中国人スタッフたちに悪いことをしたなあ。この国の人にとって食事は何よりも大切なのだ。どんなに重要な会議でも、昼食の時間になれば必ず中断して食事をする。「立ち食いそば」みたいな店舗で仕事の合間にササッと食事を済ませる日本人とは対照的。ささいな文化(……というより考え方?)の違いだが、日中間で起きる問題のいくつかはこういう認識の違いが理由なことも多いんじゃないかと思う*2

私と仕事をしている中国人スタッフは日本との付き合いが長い人たちばかりなので、理解があるからまだいい。私が「私はもう少し仕事があるので、どうぞ先に食事に行っちゃってください」と言っても、彼らは「いや、待機していますよ」とこたえる。結局、食事が出来るメドが立ったのは午後3時過ぎ。私なら「もう夕食も近いし、食べなくていいや」となるところだが、ここは中国式に食事しに行くことにした。

時間も時間だったので、店がどこも空いていない。ランチタイムを終え、夕食までの休憩時間に入っているのだ。やっと見つけた店は地元の湖北料理をいただけるレストラン。

ただ、これが当たりだった。どれもおいしい。写真手前の“泡椒鱼片”は川魚を使った料理だが、全然生臭くない。あっさりしていて、けど味がしっかり付いている。写真右の“疯子黄牛肉”は汗が噴き出すほどのピリ辛だったが、肉厚な牛肉でごはんが進む。これまで湖北料理と言われてもピンと来ず、恥ずかしながら「内陸のちょっぴり辛めの料理」くらいの印象だったが、認識を新たにした。

北京への戻りは午後6時台の飛行機。中国東方航空だったが、途中墜落するんじゃないかと思うくらいの揺れに遭遇した。特に東方航空は去年墜落事故を起こしている*3だけに、縁起の悪いことがふと頭をよぎる。何とか無事に北京に到着した頃にはヘトヘト。はああ、疲れた。

References
*1主に中高年の女性が公園や広場で音楽に合わせて踊っているダンス。
*2例えば中国から来たゲストに冷えた弁当を出しちゃうとか。中国の人にとって「料理が温かい」のは必須で、どんなに立派な弁当でも冷えていると「自分が冷遇されているのではないか」と思ってしまう中国人もいるだろう。
*3去年3月に雲南省昆明から広東省広州に向かっていた中国東方航空の航空機が墜落し、乗客乗員132人全員が死亡した事故。

武漢

新型コロナウイルスの震源地……なんて言われている武漢にやって来た。

出発は4年前に開港したばかりの北京大興国際空港。初めてだったのでゆっくり見てみたかったが、なんせ出張自体が急遽決まったものだったため、そんな余裕もないほどフライトぎりぎりだった。タクシーの運転手さんに「絶対無理!間に合わない!」と言われつつも「なんとか!急いで!」と頼み込んで飛ばしてもらい、心の中では「おそらく間に合わないだろう」と思っていたけど奇跡的に間に合った。

先に空港に到着していた中国人スタッフの同僚がチェックインカウンターに話を付けてくれていたのだ。だから空港に着いてからはすごかった。チェックインカウンターに滑り込むとスタッフの女性が私のパスポートを見るか見ないかの速さで航空券を手渡してくれ、保安検査場ではいつも横柄に感じる(おっと、失礼)スタッフが奇跡的な速さで荷物をチェックしてくれた。おまけに「搭乗口のスタッフには話は付けてあります!だから急いで!」とまで言ってくれた。タクシーの運転手さんを始め、皆さん一人一人を抱きしめて感謝したいくらいだった。

武漢は初めての訪問。どうしても「新型コロナウイルスの震源地」という印象が強いが、あのときから3年も経った武漢にそういう雰囲気は微塵も感じられなかった。さすが北京より南に位置するだけあって、春が来たように暖かい。ある種「規格化された」街、北京に住んでいるので、武漢の雰囲気がとても新鮮だ。良い意味でごちゃごちゃしたところは上海を彷彿とさせる。

市の中心部にある中山公園。暖かいからか、多くの人で賑わっていた。

特に高齢者が思い思いの娯楽に興じていて、一緒に行った中国人スタッフが“退休后的生活”(定年退職後の生活)とボソッと言うので笑ってしまった。二胡を弾くおじさんに、マイクを持って芸能人ばりに大声で美声を披露するおばさん。

ひと仕事を終えて、夜は中国人スタッフと宿近くにあったショッピングモール内の火鍋屋で食事。午後9時前には解散してホテルの自室に戻ってきたが、こういう「大移動」した日はそれだけで疲れる。ホテルの鏡に映った自分を見て「ワッ」と驚くくらいには疲れていたようだ。

提灯街

仕事で付き合いのある韓国人の方と食事。私の方が席を設ける側だったので、日本っぽい雰囲気、けれど庶民的なものを……と考え、日本式の居酒屋にお連れすることにした。

職場の先輩に教えてもらって選んだのは焼鳥屋。私だけ早めに到着すると、辺りは真っ暗。本当にこんなところに焼鳥屋があるのだろうか?と思っていると、「提灯街」と書かれた地下に通じる入り口があり、いざ入ると日本式の居酒屋が建ち並んでいた。日本でもヒットした「深夜食堂」をテーマに、数年前にできたらしい。

ボックスで区切られた半個室など、まさに日本の居酒屋だ。生ビールを注文すると、キンキンに冷えたジョッキに入れて持ってきてくれた。料理の味もまあまあ。店員のお兄ちゃんは大学生くらいだろうか、けどハキハキ動くし丁寧だし、気持ちよかった。

お連れした韓国の方も、とても日本っぽい雰囲気で気に入ったと喜んでくれたようだ。あまりお酒を飲む方ではなかったので、私としては少なめの酒量で終わり。

旧暦の仕事納め

今日は旧暦の仕事納めだ。中国は明日から春節の大型連休に入る。

中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大したこともあり、職場では新暦の年末年始の際、忘年会みたいなものが一切出来なかった。せめて旧暦の仕事納めくらいは……ということで、近所のコンビニでビールや乾き物を買って職場で簡単な立ち飲みをした。

昨今は「飲みニケーション」というものに否定的な意見があることも重々承知しているけど、やはり酒を飲みながら会話をすると普段の仕事づきあいでは見えない部分が見えてきて距離がグッと縮まる。コロナ禍になる前は職場の日本人と中国人で食事会や飲み会がちょくちょくあったらしい。確かに私が来てからは、日本人同士でさえも一切できなくなっちゃったからなあ。

とは言え、私は仕事を抱えていたのでノンアルコール。中国人スタッフたちも早めに仕事を切り上げて退勤したので、職場での「簡易飲み会」も1時間いかないくらいでお開きとなった。

帰宅時の北京地下鉄2号線。人が全然乗っていない。

春節が近づくと北京に住む地方出身者がみんな帰省するので、北京が一気にガランとする。ここ最近は感染状況が収まってきたので地下鉄も混むことが多かった。座席に座れるのはありがたい。

自宅近所のスーパーにあった看板。「春節まであと2日」という文字だ。

中国の人々にとって春節がいかに重要なのかをひしひしと感じる。そう言えば、韓国も旧暦の正月を祝う文化が残っている。日本だって太陽暦を採用するまでは旧暦の正月を祝っていたわけだ。そう考えると、何千年と続いてきたアジア圏で最大の年間イベントをいとも簡単に切り替えた明治政府っていうのはある意味すごいなあ。

山西省出張2日目

山西省運城、出張2日目。

山西省は北京からそう離れていないが、訛りがきつい。若い人はまだいいが、高齢者と話すと何を言っているか分からなくなる。このたび北京に来て基本的に言葉で苦労したことはなかったので、初めて挫折を味わった気分だ。

とは言え、出張に同行した会社の中国人スタッフも聞き取れていないよう。山西省の地元の人から話しかけられても“……听不懂”(聞き取れない)と言う始末。同じ国の人同士で「聞き取れない」という場面は日本でそうそうない。やはり中国は大きいなあ。とりあえず聞き取れないのは私だけではなくネイティブでも同じなのだと分かって、少しほっとした(笑)。

こういう地方に来ると、一昔前の中国共産党のスローガンがそのままドデン!と残っているから面白い。この大洋村の大きな門に掲げられているのは“听党话,跟党走”(党の話を聞き、党と共に行こう)という文字。まあ、最近は北京といった大都市にもスローガンが増え始めて「回帰」とも言えるような現象が起きているけど。

市が立っていて、とても賑やかだった。道路の脇に露天がひしめき合って並び、多くの人が新年の縁起物や年越し用の食料品などを買い求めていた。この市は月に数回開かれているが、春節を控えたここ1週間ほどは特に客が多いらしい。

カラフルなのは飴。中国の年末年始は家に多くの人が集まるため、飴を食べながらおしゃべりをしたり、久しぶりに会った人に分けてあげたりと欠かせないものだ。

お昼にいただいたのは、地元の名物“羊肉胡卜”。料理名だけだと、どんな料理かさっぱり見当が付かない。“胡卜”というのは何だろう。見た目が“胡萝卜”(にんじん)に似ているので、にんじんか大根か何か入っている?と思いきや、全くそうではないらしい。

小麦粉をこねて作った生地を細切りにし、それを羊肉のスープに入れた料理。私はスープを少し辛めにしてもらった。スープがとても濃厚でおいしい。隣に座っている人は羊肉のスープに“麻花*1を浸して食べていたのでびっくらこいた。そういう食べ方もあるらしい。“麻花”はあのサクサクした感じがいいのになあ。さすが中国、食にもいろんな楽しみ方があるものだ。

今回、山西省で食べたものはどれも少々辛めのものが多かった。内陸部だから、辛いものを食べて温まろうということなのだろうか。初めて食べるものばかりで新鮮だった。

北京に戻り、自宅に着いたのは午後11時過ぎ。クタクタ。

References
*1小麦粉をこね、油で揚げて作る中国陝西省起源の菓子。きつね色に揚がった、香ばしくさくさくした食感と甘い味が特徴。

山西省出張1日目

今日から1泊2日で山西省に出張。これまで新型コロナウイルスの感染対策が異常に厳しかったこともあり、北京に来てから一度も地方出張がなかった。今回が初めてだ。

向かったのは山西省の南西部にある運城という街。さすがに「農村」とまではいかないものの、正真正銘の地方都市だ。仕事でなければ一生来ることはなかっただろうなあというような街で、そう思うとひとつひとつの風景がまた特別に感じられた。

この街、運城は塩湖が有名で「中国の死海」と呼ばれているようだ。写真では分かりにくいけど、遠くに見えているのが塩湖。

お昼にいただいたのが、この地域の名物だという“羊肉泡馍”。写真左のパイ生地みたいなのが“”で、これをちぎって右の羊肉や春雨が入ったスープに浸して食べる。浸してすぐは生地がまだ固いのだが、しばらく経つとふやけてくる。スープがおいしくて、しっかり飲み干した。

この店はオープンしたばかりのようで、店主がしきりにサービスしてくれるのが印象的だった。タバコを差し出してくれたり*1、スープはおかわり自由だと声がけをしてくれたり、とても親切だ。店内の雰囲気は新しいように見えなかったので、居抜き物件なのかもしれない。

私が一番印象的だったのは街の市場だ。豚の頭が並んでいたり、見たこともない川魚を売っていたり。なかでも忘れられないのが、首を紐で繋がれた鶏の姿だ。隣にはすでにさばかれた「鶏肉」が並び、この鶏自体も毛を3分の1ほどすでにむしられていた。寒いのかジーッとして動かず、たまにする瞬きがまだ生きていることを教えてくれた。おそらく客の注文があった時点で「しめる」のだろう。そのほうが新鮮だからね。この鶏からすればあとは「殺される」のを待つだけで、私の顔を見つめてきた目が忘れられない。

とか言う自分だって毎日のように鶏肉を食べているのだから自分勝手だよなあ。けど、生き物の命をいただきながら暮らしているのだということを改めて感じた。11年前の中国留学で新疆ウイグル自治区を旅行した際、ウイグル族の友人宅で「外国人のお客に対する最高級のおもてなしです」と言って目の前でヒツジを「しめ」、食事として差し出してもらったことを思い出した。

References
*1私は喫煙しないけれど。

韓国人と韓国料理

仕事で付き合いのある韓国の方と韓国料理の食事をした。

お店は先方が予約してくれ、立派な個室だったので恐縮してしまった。いろいろ仕事が立て込んでいたので約束の時間ギリギリに着いたのだが、テーブルにはすでにたくさんの料理が並んでいた。海鮮チヂミ、チャプチェ、イイダコを甘辛く炒めたチュクミ。これに加えてサムギョプサルやプデチゲまで注文し、ずいぶん贅沢だった。

私の韓国語は全然なので、基本的には中国語で会話をする。日本語と韓国語のほうがよっぽど似た言語同士なのだろうが、何だか不思議な感じだ。

2人で韓国焼酎を2本飲む。私はまだまだいけると思ったが、明日から出張で早く起きなければならなかったのでそのくらいでやめておいた。

沈黙は金なり

最近、東京から来る仕事のオーダーが無茶なことが多い。私の仕事を知らない(見えていない)人があれこれオーダーしてくるなら分かる。なのに、無茶なオーダーをする人に限って、同じ駐在員を経験している人たちばかりなのだ。

今日も東京のとある上司に、それはそれは振り回された。

ここだけの話、この上司、北京オフィスで頗る評判が悪い。周りの同僚が愚痴を言うのをよく聞いていたが、今日は私がその上司とやりとりすることになってしまったのだ。

ああでもないこうでもないといろんな無茶ぶりをしてきて、こちらは相当無理して応えていたのに、突然「……これ、何がしたいの」と言い出しちゃう。こちとら喉元まで「おまえに聞きたいわー!!」と出かかるも、こういう人はいくら言っても通用しない。むしろ彼の中ではあくまで「私がしたこと」なのだ。

この上司も私と同じポストにいたはずなのになあ。増して、ここは中国。諸外国と比べて特に制限が多い国なのだ。できることとできないことの差が大きすぎる。しかし、こういうときは「沈黙は金なり」。よほど自分に影響しない限りは、反論しないのが吉なのだ。イライラしている人に何を言っても波が大きくなるばかり。はいはいはい、と受け流しておけば、自然と機嫌は直っている。

私が電話でそんな対応をしているのを見て、周りの同僚も察してくれたのだろう。電話を切ると「またあの人?」と言われた。ご本人はまさか北京でそう言われているとは夢にも思っていないだろう。

なーんて、自分を高度十万八千メートルの上空に棚上げしつつ愚痴ってみる。このことから私が得られる教訓は、月並みな言い方だが、人にお願い事をするときには相手の立場をおもんぱかって頼める人間になろうと……そういうことです、はい。

勤労に感謝する日

朝から通常通り働いていたところ、ふと日本のニュースを見ると「ゆるい」。ラインナップがまるで週末のようなニュースばかりだ。はて?とカレンダーを見てみると、果たして日本は祝日だった。オフィスの自席で「あー、日本は祝日なのかー」とひとりごちると、隣に座る先輩が「そうだよ、勤労感謝の日だよ。祝日も働いている自分たちに感謝しないと」と粋なひと言をくれた。

だったらば、ということで少し早めに仕事を切り上げ、夜は上司のご自宅にお招きいただきいただいた。会社の位置する朝陽区は新型コロナウイルスの感染が北京で最も多く確認されていて、飲食店も店内飲食が禁止されている。そのため、家に集まって飲みましょうという算段だ。

上司のご自宅までオフィスから徒歩で20分あまりかけて向かった。

ありがたいことに、日本料理店の出前を取って下さっていた。その名も「ワールドカップ応援セット」。たこ焼きや唐揚げが入っていて、これを食べながらワールドカップを観戦して下さいというメニューらしい。商魂たくましいなあ。そもそも中国でのワールドカップの盛り上がり様はすごい。だって中国代表は出場していないんだよ。みんな本当にサッカーが好きなんだなあ。

料理のほかビールやワインも用意していただき、至れり尽くせりだった。一応、中国中央テレビのスポーツチャンネルで日本対ドイツの試合も見つつ、料理や酒に舌鼓を打った。話に盛り上がりつつ、サッカーで日本がゴールを決めたときだけ「おおお!」なんて叫んで、都合の良いところだけワールドカップ気分も楽しんだ。

ワインを2本空け、最後には焼酎までいただいてしまった。日本代表も勝利を収めたし、とても気持ちの良い夜だった。まだ水曜日だけど、日本は祝日だったんだしこのくらい許してください。

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