中国南西部、雲南省の大理に出張に来ました。

地図で見ると分かりますが中国の南西部に位置し、すぐ近くがミャンマーやラオスという場所です。北京から飛行機で向かいましたが、それでも約4時間かかりました。

大理には「白族」(ペー族)という少数民族が多く住んでいて、その独特な歴史と豊かな自然で古くから観光地として有名な場所です。あとは石が採れることでも有名ですね。日本でも「大理石」なんて言いますが、その由来がまさに大理です。

大理の西部にはヒマラヤ山脈へ続く山々がそびえています。かなり高い山々に見えますが、そもそも大理自体が海抜2000メートルなんですよね。気温も北京に比べたら相当涼しく感じます。

そして海かと見まがうほどの巨大な湖……「洱海」(じかい)です。琵琶湖くらいあるんじゃないかしらと思ったのですが、さすがにそこまではないようです。調べたら琵琶湖の4割くらいとのこと。汚染水の流入も少ないようで、ひと目で分かるほどきれいな水でした。

大理に到着してまずいただいた食事は“过桥米线”(過橋米線)。雲南名物の麺料理です。宿のすぐ近くにあった、小さな食堂みたいな店に入りました。

鍋に入った煮えたぎるスープと麺・具材が別々に運ばれて来てます。で、目の前で一気に入れてくれます。初めてだったので知りませんでしたが「過橋米線」はこういうものなんだそうです。ちなみに一緒に行た中国人の同僚は「あらかじめ火をしっかり通してほしい」とリクエストしていて、この場合は厨房ですでに調理されたものが運ばれてきました。

こんな感じです。この麺が「米線」といって米で作られています。同じように米から作られているビーフンに比べると、もう少し太いかな。具材は野菜やキノコ、あとハム?みたいなのも入っていました。スープは鶏ガラでしっかり味が付いています。

ちなみに料理名の“过桥米线”(過橋米線)とは「橋を渡る米線」という意味ですが、なぜこんな名前になったのか気になっていたところ、店内で由来が説明してありました。

昔、雲南省の蒙自という場所に夫婦が住んでいた。科挙を目指す夫は湖に浮かぶ島で勉強し、妻は橋を渡って料理を届けるのが日課だった。しかし熱々の料理も届く頃には冷めてしまう。ある日、妻は鶏ガラスープの米線を届けた際、表面に浮かぶ鶏油の膜に保温効果があることを発見。そこで米線と鶏ガラスープを別々に分けて届け、食べる直前に混ぜたところおいしく食べることができた。夫は妻が「橋を渡って」届けてくれるため、これを「過橋米線」=「橋を渡る米線」と呼んだという。

名前の由来となった物語よろしく、いただいた「過橋米線」は火傷しそうなほど熱々でした。

ちなみに夜も地元のおいしい店に行きました。昼間に仕事でご一緒した方が「せっかくだから地元の人間しか知らない店を紹介する」と言ってくれたのです。

で、連れてこられたのがこんなところ。路地裏の路地裏みたいなところです。1人だったらとても入りづらい雰囲気ですが、連れてきてくれた方曰く「大理は観光客向けの店が多く、地元の人に愛される店はこういう路地裏にある」とのこと。

いただいたのは「木桶魚」という料理。調べたところ、発祥の地はどうやら四川省のようです。

大きな木の桶で魚を煮るので、こういう名前なのかな。火は使わず、桶の底に熱々の焼け石を入れていました。魚のほか、チンゲンサイ、キュウリ、さらにはトマトといった、あまり鍋の具材っぽくないものも入っていましたが、おいしかったです。魚は川魚だったかと思いますが、あっさりした味付けで泥臭くありません。何の魚だったのかなあ。聞くのを忘れてしまいました。