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The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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感謝する日本、歓迎する中国

私は公共交通機関のアナウンスが好きです。こうして中国に住んでいると、例えば地下鉄の車内アナウンスを聞いているだけでも文化や習慣の違いが感じられます。

例えば、日本は「感謝」、中国は「歓迎」の違い。

  • JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。
  • 東京メトロをご利用いただきましてありがとうございます。

日本はいずれも「利用してくれて、ありがとうございます」という感謝を表しています。一方、中国語の放送では「歓迎」を表します。

こちらの動画は北京地下鉄2号線の放送です。冒頭の部分では次のように言っています。

  • 乘客您好,欢迎乘坐地铁2号线列车。

日本語にすると「乗客の皆様、こんにちは。ようこそ地下鉄2号線の列車にご乗車いただきました」。日本の車内アナウンスのような「ありがとうございます」ではなく「ようこそ」を使っています*1。日本で「こんにちは!JR東日本にようこそ」と放送したら、まるでテーマパークのアトラクションに乗っているような気分になるでしょうね。

ほかに中国らしいな、と思うアナウンスは“文明乘车”(文明的に乗車しましょう)でしょうか。この場合の「文明」というのは日本語と少し違い、中国語では「マナーを守る」とか、そういう意味合いの方が強いです。つまり「マナーを守って乗車しましょう」というわけです。

文明乘车。使用电子设备时,请勿外放声音。爱心礼让,请把座位让给需要帮助的乘客。

マナーを守って乗車しましょう。電子機器を使うときにはスピーカーから音を出さないでください。思いやりを持ち、礼儀正しく振る舞いましょう。必要としている方に籍をお譲りください。

「スピーカーから音を出さないでください」というのが中国らしいですね。中国の地下鉄に乗ると大音量で動画を見たり、スピーカーから音を出して通話したりする人がたくさん見かけます。

ちなみに私が留学していた頃は「席を譲りましょう」という放送の前に“尊老爱幼是中华民族的传统美德”(年長者を敬い幼い子を愛するのは中華民族の伝統的美徳です)というアナウンスもありました。あまり日本で「民族の伝統的な美徳」なんて表現を聞かないので、当時は「お、おう……」と思っていましたが最近は聞かなくなりましたね。

そもそも中国は日本以上に「席を譲る」という意識については優れているように思います。わざわざ民族だとか伝統だとか言っちゃうとかえって「やらしく」見えちゃうと思うのですが、そういう考えこそ「日本っぽい」のかもしれませんね。

References
*1ちなみに北京でも終点の駅に到着するときには「ご利用いただき、ありがとうございました」と放送していたように記憶しています。

後海

今日の日中、用事があって「後海」に行きました。

びっくりするぐらいたくさんの観光客で賑わっていました。一緒にいた中国人の同僚に聞くと「8割は北京の人ではありません」と言います。地方から来ている観光客たちだというわけですね。

しかし今日は水曜日。平日なのにここまで賑わうの?と聞くと「みんな休みを取って来ているんです。そもそも子どもたちは夏休みですから」とのこと。でも中国の方々の「旅行にかける気合い」を思い返すと、分かる気もします(^^)。

オレンジ色の浮きがプカプカしていたので目をこらしてみると、泳いでいる方がいました。本当は遊泳禁止ですが、昔はそんな決まりはなかったので、近くに住む地元の人たちには夏になるとこうやって泳いじゃう人もいるようです。湖の中央らへんを泳いでいたので、そこそこ深いんじゃないかと思いますが、慣れているようでした。

ふと湖をのぞきこむと、たくさんの藻が見えました。けれど水自体は透明で澄んでいます。

私が中国に留学していたのはたかが十数年前ですが、それでも当時と比べて川や湖の水質は大幅に改善したように思います。あの頃はポイ捨てされたゴミが浮いていたし、変なにおいもしましたからね。当時であれば、とても北京の川や湖で泳ごうという気にはならなかったと思います。

暑いときこそ熱いものを

北京は今日も暑いです。暑いと冷たいものが食べたくなるものですが、無性にアツアツの麺が食べたくて食べたくて。お昼のランチは職場から少し歩いたところにある麺料理の店に向かいました。

街路樹の葉が生い茂っています。これだけ木があれば日本だとセミの声がすごいでしょうが、北京は静かです。聞いたことのない「セミかしら」という鳴き声を耳にすることはありますが、日本で定番のミンミンゼミやアブラゼミとか、あんな感じじゃないんですよねえ。何の鳴き声なんだろう。

店に着く頃には汗だくでしたが、それでも食べたい!ということで「蘭州牛肉麺」をいただきました。アツアツなので、いただいているとこれまた汗が噴き出すんですが……うーん、おいしい。これで16元(約310円)だからたまりません。

ちなみに中国では「暑いときこそ熱いものを」という考えがあります。例えば、真夏に汗をダラダラ流しながらあつーいお茶や白湯を飲むとか。ちょっと私には理解できなかったのですが、熱いものを口にすれば汗をかき、結果的に体温を下げることができる……という考えによるもののようです。

だとすれば、この暑い日にアツアツの「蘭州牛肉麺」をいただく私の選択はあながち間違っていなかったのかもしれません……ただ、暑いことに変わりありませんでしたが(^^;)。

どうしちゃったの、地球

毎日暑いです。日本でも記録的な猛暑が続いているようですが、北京では40度を超しちゃうような日も。日本の35度超なんてニュースを聞いても驚かなくなりました*1

40度と聞いて思い出すのが、今から十数年前の留学時代に行った新疆ウイグル自治区トルファンにある「火焔山」です。「火焔山」と言うと西遊記に登場する「炎が燃え上がる山」として有名ですが、実在するんですよね。私が訪問したとき気温は40度を超えていて、その名の通り「燃えてしまいそうだ」と思ったものです。

あの時でさえ40度だったのです。それが北京で40度を記録するようになってしまい、今や「火焔山」はどのくらい暑くなっているのだろう……と思っていたら、ツイッターで次のようなニュースを見かけました。

確認が取れていないという断り付きですが、新疆ウイグル自治区トルファン市にある三堡という場所で気温52.2度を観測したとのこと!それもこの場所、6か月前にはマイナス53度を観測していて、つまり半年の間に100度近くも気温が変動したことになります。

いや、どうしちゃったんでしょう、地球は。日本では大雨の異常気象も続いていますし、人間に対する自然界からの最終通告のような気がしてなりません。

とにかく北京は今日も暑かったので、日中は家でおとなしく過ごしました。とはいえ家でゴロゴロしていると体が鈍ってしまいますね。夕方に涼しくなってから散歩をしに朝陽公園に行きました。

朝陽公園は日本人もたくさん住む亮馬橋の近くにあります。地図で見ると分かるのですが、相当巨大な公園です。調べてみると、面積は約288万平方メートルあるとのこと。

  • 朝陽公園(中国)約288万平方メートル
  • 代々木公園(日本)約54万平方メートル
  • セントラルパーク(米国)約342万平方メートル

やはりニューヨークの「セントラルパーク」のほうが大きいですが、それでも東京の代々木公園なんかと比べると朝陽公園の巨大さがよく分かると思います。ちなみに妻から「東京ディズニーランドとどっちが大きい?」と聞かれましたが、東京ディズニーランドは約51万平方メートルとのこと。東京ディズニーリゾート(東京ディズニーシーや駐車場などを引っくるめた面積)全体でも約201万平方メートルですから、それより大きいんですね。

朝陽公園には大きな池もあります。水があるだけで涼しく感じるからいいですね。

広場で体操?ダンス?をしている集団を見かけました。

中国では中高年が広場に集まってダンスを楽しむのを「広場舞」(“广场舞”)と呼び、日本語では「広場ダンス」なんて言うこともあります。もともとは健康のためになんでしょうけど、ユーロビートさながらのダンスミュージックに合わせ、大胆なステップで踊る姿はとても楽しそうです。

今日見かけたのは体操をしながら広場をグルグル歩き回るタイプでした。これも「広場舞」の一種?皆さん、おそろいの服を着て一糸乱れぬパフォーマンスを披露され、見事でした。

この写真を撮影したのは夜の20時前ですが、公園にはまだこんなにたくさんの人がいます。日本で日曜の20時というと、とうにみんな家に帰って夕食後の時間を過ごしている頃かと思いますが、中国の方々は遅くまでこうして公共の場にいることが多いですよね。そもそも20時前だというのに、こんなに明るいです。写真の方々はカラオケ大会?をしているようで、女の子がマイクを持って歌っていました。

20時半頃になって、ようやく暗くなってきました。池(というより湖でしょうか)を挟んで向こう側に見えるギラギラした場所はショッピングモールの「ソラナ」です。

さすがにこの時間になると暑さは感じないですね。朝陽公園の南から入り、北に抜けるルートで散歩をして約8000歩、いい運動になります。本当ならもっと早い時間帯にウォーキングできればいいですが……昼間があの気温じゃ難しいですね。本当に地球、一体どうしちゃったんでしょう。

References
*1とは言え湿度が全然違いますから、実は日本の方が暑いかもしれません。

2日連続で壮行会

同じマンションに住んでいる日本人の方が離任されることになり、壮行会を開きました。2日連続の壮行会です。離任といっても北京から台北に異動されるので、帰国するわけではないようですが。

集まったのは同じマンションに住む日本人同士。ちょうど先月も同じメンバーで飲み会を開催したばかりです。相変わらず今回離任される方を始め、私以外は皆さん日系企業の中国支社長といった立派な方々ばかり。本当に恐縮ですが、せっかく呼んでいただいたので参加させていただきました。

今日いただいたのは火鍋。火鍋といっても真っ赤なマーラースープと白いスープがハーフになった、よく見るアレとは違います。香港式の火鍋だそうで、店名も「表格香港海鮮火鍋」です。

肝心な火鍋の写真を撮り忘れてしまったのですが、鶏出汁を使ったスープでした。ご一緒した方が「(ラーメンの)『天下一品』みたいな味です」と言うのでどんなものかといただいたのですが、確かに「天下一品」でした。鶏肉ベースの出汁の濃厚スープがとてもおいしいです。それであって「天下一品」ほどドロドロした感じはなく、むしろアッサリしています。

プルプルした食材も入っていたのですが、これは「花膠」というものだそう。魚の浮き袋を乾物にして戻した珍味で、コラーゲンたっぷりとのことでした。

参加者のお一人が白酒を持ってきてくれました。安徽省で作られた「古井貢酒」というもので、とても飲みやすいのだそうです。いただいてみると、うーん、確かに飲みやすい。白酒というとアルコール度数が50近くあってキツいですが、これは喉を通りやすいです。

5人で白酒を飲み干すと、結構いいくらいの酔い具合に。「持ってきてくれたのが1本だけで助かりました」とみんなで笑いました(^^;)。

リーズナブルな壮行会

今日はまもなく異動される方々のために職場で壮行会を開きました。

コロナ禍の前はレストランなり居酒屋なりで大々的にやっていたようですが、ここ数年は職場の事務所で細々とした開催だったそう。今年は以前のように戻るのかな?とも思ったのですが、最近になって“二阳*1になる人がちょこちょこ出ていることを上司が心配し、今年も職場の事務所で「手作り」壮行会をすることになりました。

で、一番年齢の若い私が幹事を務めることに(^^)。

去年はビールといったアルコール飲料を各々が持ち寄り、スナック菓子やケーキといった甘いスイーツを用意したそうです。でもそれだけじゃ寂しいので、今年はピザやチキンといった「料理」も用意することにしました。いや、実はさすがに今年は店で壮行会をやっていいんじゃないかという声もあったんですよね。一部の方からは「今年も事務所でやるのかあ」なんて反応も聞かれ、だったらせめて去年より「気持ちばかり」華やかにしようという考えです。

リクエストは女性に聞いておくに限る……ということで、事前に職場の女性スタッフたちにどこのピザが食べたい?飲み物は何がいい?なんて調べておきました。さすが女性スタッフたちで「ピザは何だかんだで大手チェーンがおいしい」「甘くない飲み物も用意しておいたほうがいい」なんてアドバイスをくれました。結果、ピザは「ドミノピザ」(“达美乐比萨”)、チキンは「ケンタッキー」(“肯德基”)に。いやあ、さすが。確かにハズレがありません。

とてもリーズナブルな壮行会になりましたが、皆さん、それなりに楽しんでくれたようです。ちなみに日本だとこういうときに「ケータリング」なんてありますよね。あれ、中国にもあるのかなあ。日本より安そうだし、もしあるなら今後の機会に調べてみてもいいなあと思いました。

References
*1新型コロナウイルスに2度目の感染をすること。

「少年探偵団」シリーズ

今、誰もが文章を書きたがっています。ブログこそSNSの勢いに押されて最近は下火になっていますが、noteといったサービスの台頭で一般の人が気軽に文章を発表し、金銭さえも得ることができるようになりました。

私は文章を書くのが好きです。ブログを書くのも苦ではありません。このブログは趣味なので、これで稼ごうとは毛頭も思っていないですけど。ただ、どれだけ書いても自分の文章には自信が持てないですね。ブログにしても書いては消してを繰り返し、いざ公開してからも幾度と修正しています。

そんな私も小さい頃「小説家」になりたいと思っている時期がありました。小学3、4年生の頃だったでしょうか。というのが当時、江戸川乱歩の小説「少年探偵団」シリーズに夢中だったのです。シリーズ全巻を読みふけり、「江戸川乱歩」もどきの小説を創作しちゃうような小学生でした。

https://www.poplar.co.jp/pr/shonentanteidan/

江戸川乱歩といえば言わずとしれた推理小説の大家。「少年探偵団」シリーズは乱歩が少年・少女向けに書いた作品です。名探偵・明智小五郎と、その弟子・小林少年、そして小林少年を団長とする「少年探偵団」が様々な事件を解決していく活躍ぶりを描いています。作品の多くには怪人二十面相という大怪盗が登場し、探偵たちと繰り広げる推理対決が特に印象に残っています。

この「少年探偵団」シリーズが初めて世に出たのは1936年発表の「怪人二十面相」、もう今から90年近く前なんですね。小学生の頃に読みましたが、数年前にどうしても読み返したくなり、新装版を買って読みました。

改めて読むと、驚くほど「時代を感じる文体」です。さらに最近の小説ではあまり見かけない「です・ます調」。この独特の文体こそが「少年探偵団」の魅力であり、ページをめくる毎に昭和初期にタイムスリップさせてくれます。

それにしても、待たれるのは、長男壮一君の帰宅でした。徒手空拳、南洋の島へおしわたって、今日の成功をおさめたほどの快男児ですから、この人さえ帰ってくれたら、家内のものは、どんなに心じょうぶだかしれません。

読者諸君はよもやおわすれではありますまい。この少年こそ、いつか自宅の庭園にわなをしかけて、二十面相を手ひどい目にあわせた、あの大実業家羽柴壮太郎氏のむすこさんです。

急に読者に話を振ってくるような書き方も「少年探偵団」シリーズの特徴でした。あとは少年・少女向けとはいえ、難しい言葉をたくさん使っているのも印象的です。「神変不可思議」とか「徒手空拳」みたいな漢字ばかりの言葉を始め、「鵜の毛ほどの油断」といった慣用句も出てきました。

大学生の頃に友人から「おまえの書いたり話したりする日本語はどうしてこうも『古めかしい』んだ」と言われたことを覚えています。今思うと乱歩の影響だったんじゃないかしらん。いずれにせよ私の言語形成に大きな影響を与えてくれたことは事実です。

「少年探偵団」シリーズのもうひとつの特徴は装丁です。この表紙の昭和感溢れる絵が好きでねえ……マニアックですが、私は「大金塊」の表紙が好きでした。作中の挿絵もおそらく同じ方が手がけていたと思います。そうだ、確か挿絵には「Shigeru」とサインがありました。これを手がかりに調べてみると、果たして柳瀬茂さんとおっしゃる方が描いたそうです。小学生の頃の私は、江戸川乱歩風の文章をまねるだけでなく挿絵もまねていましたね。それほど好きだったんです(^^;)。

ああ、ここまで書いていたら再び読みたくなってしまいました。中国では手に入らないですが、電子書籍(Kindle)にもあるとのこと!……けど、やはり「少年探偵団」シリーズは、この装丁で読みたいなあ。小学生の頃、もらったばかりの小遣いを握りしめて買っていた乱歩の書籍はまだ実家にあるのかしら。日本に帰国した折には是非大人買いをしたいですね。

どうぞご参考ください

今日は朝から雨が降っていました。

私の住むマンションから地下鉄の最寄り駅までは繋がっているため、濡れずに行くことができます。ただ職場近くの駅に着いたら、そこからは屋根のない場所を歩いて向かわなければなりません。一体、いつぶりでしょう……北京で傘を差したのは。

さて、ちなみに今日の昼休み、職場で中国人の同僚と日本語で会話をしていると、その方が「どうぞご参考ください」と言いました。私は「ご参考『にして』ください、ですよ」と伝えると「なぜダメなのですか」と聞かれました。そう聞かれると……なぜダメなんでしょう。

日本語では漢字の名詞に「する」をつけて動詞化することができます。

  • 指摘+する=指摘する
  • 返事+する=返事する
  • 遠慮+する=遠慮する

しかし何故か「参考」という言葉について、日本語は動詞として使いません。

  • 参考+する=(誤)参考する

この場合「参考する」ではなく「参考にする」のように、必ず「に」を入れて名詞として使います。不思議ですね、ちなみに「参照」の場合は「参照する」と言えて「参照にする」は不自然です。あくまで「参考」に限った場合のようです。

では「ご~ください」の話に戻ります。なぜ「ご参考ください」と言えないのか……これは「参考する」と言えないのが原因と言えそうです。というのが「ご~ください」と言えるのは「名詞+する」の動詞化が成り立つものに限るからです。

  • ご指摘ください
  • ご返事ください
  • ご遠慮ください

だから同じ理由で「参照」という言葉の場合、「参照+する」が成り立つので「ご参照ください」と言えるわけです。「参考」は名詞として使えませんから「ご参考にしてください」とか「ご参考になさってください」と言う必要があるわけですね。

しかし、なぜ「参考」は動詞化して使えないのでしょう。日本語と文法が近い韓国語の場合はどうか、調べてみました。

  • 참고(チャムゴ=参考)+하다(ハダ=する)

韓国語は「参考+する」で「参考する」というように言えるようです。なぜ日本語はダメなのか……うーん、私は日本語ネイティブなのに、意外と日本語のことが分かっていないのかもしれません。

餃子を食べましょう

先日「三伏天」について書きましたが、今日がまさに「入伏」です。1年のうちで最も暑い時期に「入る」ということですね。

「三伏天」はその名の通り3段階あって、「初伏」「中伏」「末伏」と分かれています。これは「頭伏」「二伏」「終伏」とも呼ばれ、中国では古くから「頭伏餃子、二伏麺」という言い方があります。つまり「『三伏天』に入ったら(=『頭伏』)まずは餃子を食べ、『二伏』になったら麺を食べましょう」という意味です。さっそく昼過ぎ、中国人の同僚から“你吃饺子了吗?”(餃子は食べましたか)と聞かれました。私はすっかり忘れていましたが(笑)この同僚はきちんと食べたようです。

ちなみになぜ「三伏天」に入ったら餃子を食べるんでしょう。同僚もそれは分からないようです。しかし思えば、中国の方々……特に北方の人たちですけど、立冬、冬至、年末、新年、何かにつけ餃子を食べます。私が“中国人动不动就吃饺子”(中国人はともすれば餃子を食べますね)と言うと、同僚は笑っていましたけど(^^;)。

なぜ餃子なのか調べたところ、昔の人々の生活習慣と関係があるようです。「三伏天」に入る頃はちょうど小麦の収穫が終わった時期。どの農家にも小麦粉が大量にあるんですね。そこで小麦粉を使った餃子を作り、それを食べて体調を整えるという意味があったようです。餃子は豊富なビタミン、ミネラルを有する野菜や、たんぱく質を含む肉を使っていて栄養たっぷり。「三伏天」は暑くて食欲も減退する時期ですから、餃子を食べて健康になりましょう、ということなんですね。

ちょうど職場を出る頃、ふと「雨が降りそう」な風を感じました。「入伏」したものの、そこまで暑いと感じません。すると案の定、夜になって豪雨。雷も鳴るほどの激しい荒れ模様でした。

ちなみに「三伏天」に入ると湿度が高くなり、蒸し暑くなるそうです。すると、この雨が降ったというのも昔の人が指摘した通り……なのかもしれません。

北京の病院(の外)で怒られた話

今日、北京にある少し大きめの病院に行ってきました。

入口近くの公道から病院の建物を1枚だけ写真に撮ったところ、後ろから「写真を撮るな」と言われました。おそらく病院の関係者でしょう、私は「はいはい」とだけ返事しておきましたが、この感覚、何だか久しぶりだなと感じました。

病院は公共施設です。日本の場合、公道から建物を撮るだけなら問題にならないと思います。敷地内で許可無く撮影をしたり、誰かが写り込んだりしたら注意されるでしょうけど。しかし中国は公道であろうが敷地内であろうが、怒られちゃいます。

確かに中国、特に北京で辺り構わず写真撮影するのは御法度だし、危険です。中国には政府施設や軍事施設といった、明確に写真撮影が禁止されている場所があり、勝手に写真撮影をすると最悪身柄を拘束される場合もあります。

けれど、それは「敏感な場所」に限った話。ショッピングモールといった何でもない場所は別です。中国の人たちだって、みーんな思い思い写真を撮影しています。おそらくTikTokなんかに投稿するためなんでしょうけど、満足がいくまで何度も自撮りをしていて「そこまで自分が好きなのか」と言いたくなる場面に出くわすことも。

今日の私は単に病院の建物を撮っただけで怒られてしまったわけですが……何だか、むかーし読んだ本のことを思い出しました。

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-6881-0.htm

お茶の水女子大学の元教授で、NHK「中国語会話」で講師役も務めた相原茂氏の「北京のスターバックスで怒られた話」、中国語にまつわるたくさんの面白いエピソードを集めたエッセー集です。この本が出版された2004年当時、私は中学生でした。ちょうど中国語を学び始めて間もない頃で、夢中で読んだことを覚えています。持っていた相原氏のエッセー集はこれだけではありません。

タイトルにもある「北京のスターバックスで怒られた話」というのは、相原氏が北京のスタバで写真撮影をしようとしたら店員に怒られたという、自身のエピソードです。

残念ながら本を日本に置いてきてしまったので記憶に頼るしかないのですが、写真撮影を咎める理由について「自分の権利を主張する中国の文化によるもの」と説明していたように覚えています。中国人は「自分エリアなかは力を行使し、顕示しようとする」傾向が強い。つまり、行為そのものが禁止されているからというより「私がダメと言っているからダメなのだ」と自分の権力を行使したがる人が多いからだと指摘しているわけですね。

でも、何となく分かります。例えば中国の地下鉄やバスの車内で見かける「乗務管理員」というスタッフ。車内の治安・秩序を守ることを目的にいるわけですが、よく高圧的な人を見かけます。新型コロナウイルスの感染がまだ深刻だった頃は、あごマスクの人物を見つけると「マスクをきちんとつけろ!」と大声で叫ぶんですね。最近はあまり言わなくなりましたけど。

あとは「保安」。肩や胸に「保安」と書かれたワッペンを付けていて、警察官みたいな制服を着ています。ふと「警察官なのかな?」と思っちゃうのですが、いえ、違います。中国の「保安」は単に警備員みたいな立場の人で、警察官のように法律を執行することはできません。なのに「力を行使したがる」からなのか、高圧的に「パスポートを見せろ」「記録用に写真に撮る」とか、そういうことを言いがちです。私も一度そういう経験があり、その際は「何の権利があって私のパスポートの写真を撮るのか」と反論しましたけど。だって、何に悪用されるか分かったもんじゃありません。

まあ、日本にもたまーにいますけどね。自分に与えられた役割をもって「自分が偉くなった」と勘違いしちゃう人。でも今日、私に「写真を撮るな」と言った人は怖かったです。中国のほうが少し深刻かも知れません。

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