The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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有朋自遠方来不亦楽乎

有朋自遠方来不亦楽乎(朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや)。
──友人が遠くから訪ねて来てくれるとは、何と嬉しいことではないか。

『論語』「学而第一」より

論語の有名すぎる一文だ。よく「日本人はおもてなしを大切にする」と言うが、これについて言えば中国人も負けていない。むしろ気合いの入れようは日本以上かもしれない。友人の来訪を心から喜び、こちらが驚くほど歓待してくれる。そんな中国人の気持ちを、この論語の一文がまさに表現していると思う。

中国人の友人が私の北京赴任祝いと称して火鍋をつつく会を催してくれた。

彼らと知り合ったのは、まだ新型コロナウイルスのかけらも見られなかった2019年。私と同じ業界で働く中国の同業者たちだ。一緒にあるプログラムに参加したのをきっかけに仲良くなり、期間中は毎晩のように酒を飲み明かした。今回、私が北京に赴任したことも連絡していたのだが、中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大したこともあり、ずっと会えずにいた。それが今日、ついに会えることになったというわけだ。

店は龍潭公園の敷地内にある「鴉児李記」(“鸦儿李记”)という火鍋屋。彼らが予約してくれた。

大人気の店だそうで、私が家を出発するくらいに「出遅れるとずいぶん待つ羽目になるから先に入っておく!」と連絡。な、なんと、まだこちらは家を出てもいないというのに。いやあ、本当にありがたい。いざ着くと、氷点下だというのに店の外で私を待ってくれていた。そして文字通り抱き合って再会を喜び合った。コロナ禍で全く会えていなかったから、3年半ぶりだ。

この店は「北京人で知らない人はいない」というほど有名らしい。いただいたのは鍋が半分で仕切られ、それぞれ違う味のスープが楽しめる“鸳鸯锅”(おしどり鍋)。鍋には煙突が付いていて、雰囲気を含めて独特の味わいがある。“清真”(ハラール)なので豚肉こそないが、薄ーくスライスされた羊肉は芸術的とも言えるほど美しく、全く臭みがない。いつも買う安物とは全然違うのだ。何百年も羊を食べてきた民族のすごみを感じる。

毛肚”(センマイ)*1はちょっと湯がくだけで食べられ、コリコリした歯ごたえがたまらない。ほかにも凍豆腐やら、タケノコやら、野菜やキノコ類をどーんと頼んでくれていて、どれも食べ応えがあった。“芝麻酱”(ごまだれ)も濃厚で、たっぷり香菜(パクチー)をかけていただいた。

友人のうち1人がウイスキーを持ってきていて*2、炭酸水を注文しハイボールのように割って飲んだ。私の飲みっぷりを見て、友人たちは「いやあ、相変わらずすごい!」と驚いていた(笑)。一般的に中国では中国人のほうが日本人より酒を飲むと思っている人が多い。なかでも中国の北方は「白酒」といったアルコール度数の強い酒を飲むから、特にその傾向が強いかもしれない。それだけに日本人である私の飲みっぷりは意外なのだろう、友人は「飲めるから中国赴任できたんだよ」と笑ってくれた。あながち間違いではないかもしれない(^^;)。

とにかくゲラゲラ笑って、本当に楽しかった。

正直、私は中国という国にいろいろ思うことはある。複雑な感情を抱くことも多い。そして彼らの働く業界もどちらかというと「そっちより」。けれど目の前にいる彼らはこんな良い奴らなのだ。私自身、この気持ちをどう表現したら良いのか分からない。

私の同僚や友人にはアメリカやヨーロッパに留学経験があるという人が多い。彼らが純粋にアメリカやヨーロッパを「大好き」と言っているのを見るとたまに羨ましく思う。私も同じように中国を「大好き」と言えれば楽だが、そんな単純な国ではないのだ、ここは。この国のいろんな部分を見るにつけ、好きだと思う感情と同じくらい嫌だと思う感情を抱くこともある。

「中国なんて大嫌い……けど、大好き」。そう思えるのは、彼らとの付き合いがあるからかもしれない。みんな尊敬に値する人たちで、私にいろんなことを学ばせてくれる。そして日本人である私のことをここまで大切にしてくれるのだ。彼らがいてくれるから、私は「中国が大好き」と言える。だから私も彼らを大切にしよう……そう思わせてくれる中国の人たち一人一人に感謝です。

References
*1牛の第3胃袋のこと。
*2持ち込みが許されているのかどうなのかは知らない(笑)。ちなみに“清真”(ハラール)の店ではあるが、店内では酒類も注文できるようだった。

漢字が分からないとき

高校時代の友人からツイッターで「中国人は漢字が思い出せないとき(急いでメモを取るときなど)どうしてるの?」と質問をもらった。

実はこういう質問は以前にも受けたことがある。日本人が疑問に思う背景には、おそらく日本語の場合「ひらがな」に逃げることができるからじゃないかな。漢字が思い出せなければ、とりあえずひらがなでメモはできる。ひらがなのない中国語はどうするのか、と。

ちなみに中国語にも「ピンイン」(“拼音”)というものがある。日本語でいうローマ字のように、アルファベットで中国語の発音を表記する方法だ。中国の人がパソコンやスマートフォンで中国語を入力する際は、この「ピンイン」を使う。例えば「中華人民共和国」(“中华人民共和国”)ならピンイン表記は[Zhōnghuá rénmín gònghéguó]になる。アルファベットの上にちょこちょこ付いているのは、発音の高低(声調)を表す記号だ。

だったら漢字が思い出せないときは「ピンイン」を書くの?と思うかもしれないが、それはないようだ。職場の中国人スタッフに聞いてみると「さすがに漢字の羅列にアルファベットは混ぜません」と言う。確かにいくらメモ書きでもアンバランス。さらに「文章の中に『ピンイン』が混じっているのは小学生みたいで恥ずかしいですよ」とも言う。中国語を学び始めたばかりの学習者ならありえるかもしれないが、ネイティブの中国人はそういうことはしないのだろう。

ちなみに台湾では漢字の発音表記に「ピンイン」ではなく「注音符号」という記号を用いる。例えば先ほどの「中華人民共和国」(“中華人民共和國”)なら「ㄓㄨㄥ ㄏㄨㄚˊ ㄖㄣˊ ㄇㄧㄣˊ ㄍㄨㄥˋ ㄏㄜˊ ㄍㄨㄛˊ」と記述する。不思議な記号に見えるかもしれないが台湾では一般的に使われるもので、ひらがなやカタカナと同様、漢字が変化してできた文字だ。台湾の人たちが書いた中国語を見ると、この「注音符号」を混ぜて書いた文章もたまーに見かける。見た目が漢字に近いので、そういう意味では「ピンイン」より漢字との親和性が高いのかもしれない。

で結局、漢字が思い出せないときはどうするのか。

中国人スタッフ曰く「同じ発音の漢字で代替します」とのこと。例えば「キーボード」のことを意味する“键盘”。このうち“”という漢字をド忘れした場合、“见盘”と書く……といった具合だ。“”も“”も発音は[jiàn]で同じだからだ。けど……文章に「ピンイン」が混じっているのは恥ずかしいという割に、これも相当恥ずかしいのではと思うけど(笑)。するとスタッフは「緊急用ですね。人に見せるのはやはり恥ずかしいです」と話す。

その上でスタッフはこうとも教えてくれた。

「今は漢字が思い出せないときは、みんなスマートフォンで変換して調べますよ」。わはは、そうか、確かによく考えれば日本も同じかもしれない(^^;)。

北京で剣道をする人たち

今日、北京で剣道の稽古を見に行く機会があった。

実は私も小さい頃は剣士だった1人。小学2年生から高校生になるまで続け、スポーツ嫌いな自分としては唯一人並みにできる運動だった(と思っている)。

この北京の道場は中国人のご夫婦が経営していて、ご夫婦も揃って剣士。旦那さんは日本の伝統文化が好きで20年ほど前に習い始め、奥さんは人気漫画の「ONE PIECE」に登場するキャラクター「ゾロ」が好きで始めたそうだ。お二方とも筋金入りの日本好き。

旦那さんは31歳で習い始めたそうだが、いや、その腕は大したものだった。段位は五段。六段は日本に行かないと審査を受けられないらしく、早く日本に行きたいと話していた。ちなみに日本は日本で防具を置いていて、コロナ禍になる前は1年に何度も日本へ行って剣道の稽古や大会に参加していたそうだ。日本を代表する名だたる剣道選手のサインが入った手ぬぐいを見せてくれ、「大会で偶然お会いしたから是非とお願いしたんだ」と嬉しそうに話してくれた。

北京で営んでいる道場は、中国でも稽古する場をつくりたいと思って始められたとのこと。いざ稽古を拝見すると、最近習い始めたばかりだという20代の若者がちょこちょこいる。いやあ、日本では見られない光景だ。と言うのが、日本で剣道というと私のように小さい頃に習い始めることが多く、20代の剣士となると大体10年近い経験者であることが大半。つまり20代を過ぎてから剣道を習い始める人はほとんどいないと言っていいだろう。

いざ話しかけてみると、おしなべて日本好きだという人ばかりだ。漫画で見たからやってみたかったとか、格好良さそうだから習い始めたとか、これまた日本と状況が全然違って驚いてしまった。同じ理由で剣道を始めようという若者が日本にどれほどいるだろうか。

経営者の旦那さんは「幼い頃に剣道を習う日本人は多いのに20代以降になるとぐっと少なくなるのはなぜか分かりますか」と言う。私が「なぜでしょう」と聞くと「日本の剣道の稽古はとても厳しいので、辞めたいと思う子が多いのだと思います」と答えてくれた。

わはは、いや、その通りだ。私は小学5年生の1年間だけ、全国大会で活躍するレベルの道場で剣道を習ったことがある。それはそれは厳しい稽古で、ぶたれるなんて日常茶飯事だし、今なら問題になりそうな指導も多かったように思う。人生で一番辛かったのはいつだったかと聞かれれば、今でもあの1年だと答えるだろう。

旦那さんは「厳しいから日本の剣道は強いんですよ。私の道場は趣味として来ている人が多く、楽しんでいるだけです」と笑って話していた。素振りをする生徒さんたちを眺めていると、確かにみんな楽しそう。私はとにかく剣道というと自らの体験から「きびしい」「しんどい」と思ってしまうが、そんなイメージとはまるで無縁だ。今は新型コロナウイルスの感染対策でまだ中国から日本に自由に行くことはできないが、みんなにこにこしながら「本場の剣道を見に行きたい」と話していた。

何だか思わず「うるっ」としてしまった。早く両国の往来が正常に戻りますように……彼らのためにも。そして、その折には彼らが日本で見たいもの全てが見られますように。

年を越してしまったそば

昼食を食べに“青海牛肉拉面”(青海牛肉拉麺)を食べに行った。

そう言えば、去年は年越しそばを食べなかった。すると、これは「年を越してしまったそば」だろうか……なんてどうでも良いことを考えながら来店。これを年越しそばの代わりに、今年も良い1年を過ごせるよう祈っていただくことにした。

スープと大量のネギしか見えないかもしれないが、下にきちんと麺は入っている。

ちなみに羊肉の串焼きも一緒になったセットを頼んだのだが「出来上がるまでもう少々お待ち下さい」と言われ、待っている間に麺をすすっていたら結局食べ終えてしまった。

羊肉の串焼きはどうなったのだろうと聞いてみたら、手違いですでに提供済みということになっていたようだ。若いお兄ちゃんが「本当に申し訳ありません」と平謝りし、私の串焼きを焼き始めてくれた。数分して焼き上がったのだが、再度「申し訳ありませんでした」と謝る始末で、何だかこちらのほうが恐縮してしまった。

この若いお兄ちゃん、見た目が今風で何だか遊んでそうな感じなんだけど、いつも朝から晩まで働いてしっかりしているのよ。今回の誠意ある対応も気持ち良い。こんなことがあっても、こういう店にはまた来たいと思う……どこかのベトナム料理屋と違って*1

References
*12022年12月30日の出来事なんだなー。

仕事始め

中国は今日から仕事始め。

この前、納めたばかりな気がするが(^^;)。日本は今日まで休みなんですか。だったらうちは日本の会社なんだし今日も休みにしちゃえばいいのに……と思ってしまうが、中国人スタッフもたくさんいる以上、そういうわけにはいかないのだろう。

夜は会社近くの日本式の居酒屋で新年会。つい2日前に上司の前で新年会をしたばかりだから新鮮味がないが(笑)久しぶりに「店」で酒を飲んだ。いや、久しぶりというか、最後に会社の人と酒を飲んだのは私が赴任した日以来だ。赴任してすぐは仕事が忙しかったし、その後、中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大してどこも店舗が臨時休業してしまったのだ。私は1人でも晩酌をするのが好きな人間だが基本的に自分で肴をこしらえて家で食べるので、メニューの豊富さと(当たり前だが)頼めば何でも出てくるのに少し感動してしまった。

しかし、やはり家で飲むのと違って少々値は張るね。だったら家飲みでいいかなあ……と、このコロナ禍で思っちゃた人は少なくないんじゃないかしらん。

天津半日游

中国の年末年始の連休は今日が最終日(日本は明日までかな)。

昨夜は上司の家で飲んだあと帰宅し、自宅でも1人で2次会をしていたため(おいおい)今朝はゆっくり起床する。昼食は冷蔵庫にあった有り合わせの材料で間に合わせる。食事を終え、ふと天気の良い外を眺めていると「このままでは普段の週末と変わらない年末年始で終わってしまう」と妙な罪悪感に駆られる。

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一年の計

新年快乐!兔年大吉!

あけましておめでとうございます。せっかくだしと雍和宮*1に初詣に行こうかと思ったけど、SNSで検索するとすごい人出のようだったので諦めた。

おとなしく家で過ごすことにして「がめ煮」を作った。

福岡出身の祖母が毎年正月に作ってくれる福岡の郷土料理。全国的には「筑前煮」と言ったほうが通じるかもしれない。福岡では正月料理に欠かせないもので、いつも鍋一杯に作って出してくれるのだ。祖母の味にはかなわないが、まあまあかな。

夕方頃になって岡山とビデオ通話。毎年元日は家族みんな祖父母宅に集まることになっていて、私も北京から遠隔で少し参加した。祖父母宅に行けなかった最後の正月は、まさに12年前の北京留学以来だ。あのときもビデオ通話で岡山とつないだが、インターネット回線の質が今ほど良くなく、ほとんど映像が見えなかったのを覚えている。それに比べれば、今回はテーブルに並んだおいしそうな「がめ煮」もちゃんと見える。みんな楽しそうで羨ましい。

夜は上司が自宅に招いてくれた。料理好きな別の上司がいろいろと用意してくれたほか、先輩の奥さんがおせち料理もお裾分けしてくれ、みんなで日本酒で乾杯した。

References
*1北京最大のチベット仏教の寺。

おおつごもり

今日は大晦日。ここ数日バタバタしていて髪の毛も切れず「おおがっそう」*1になっていたので美容院に行ってきた。さすがに大晦日は休業しているのではとおそるおそる予約の電話を入れたが、通常営業とのこと。

ここは日本人が経営していることもあって通うようになった。ただ私が予約するときは日本人スタイリストが大概空いていなくて、これまで中国人スタイリストにしか切ってもらったことがない。今日も中国人スタイリストで、若いお兄ちゃんだった。でもとても丁寧で、側面を刈り上げるときも自分の髪の毛を指さして「このくらいの短さでいいですか」なんて聞いてくれるので分かりやすかった。支払いは180元(約3400円)。日本人スタイリスト……いや、今までの中国人スタイリストよりも安かった。おそらく経験値などでランクが分かれているのだろうが、値段の割には満足だ。

夜はせっかくの年末年始だからということで、少し良い日本料理の居酒屋にデリバリーを頼んだ。ブリとサーモンの刺身、焼き鳥の盛り合わせ、軟骨の唐揚げ……居酒屋の定番メニューだ。少し値は張ったけど、ブリの刺身が本当においしかった。日本にいた頃はスーパーで半額になるころを見計らって刺身をよく買って食べていたけど、それがいかに贅沢なことなのか北京に来て身にしみて感じる。日本は本当に水産大国なんだなあ。舌鼓を打ちながら、妻や岡山の実家と電話をしたり紅白歌合戦を眺めたりして過ごした。

皆様、今年1年大変お世話になりました。どうぞ新しい年もよろしくお願いいたします。

References
*1岡山弁で「髪が伸び放題でボサボサになっている」状態のこと。

機関車フォー

中国は今日が仕事納め。12月31日、1月1日、2日は休日となり、3連休が待っている。今年も1年頑張りました~ということで、昼はいつもと気分を変えて、いつも賑わっている会社近くのベトナム料理の店に行ってみた。

店内は満席で、小さいテーブルで知らない女性と向かい合いの相席になった。日本ではまずないシチュエーション。そして注文してから料理が来るまで30分近く待った気がする。途中で何度も「キャンセルしようかな」と思ったほど。

ようやくやってきた“火车头汤河粉”、54元(約1020円)なり。

この料理名、直訳すると「機関車スープのフォー」。なんで?と思い調べてみると、百度百科*1によると「ベトナムの駅はどこもフォーを売っていて、人々は機関車に乗る際にフォーを食べることが習慣になり、以降『機関車』がフォーの代名詞になった」と説明があった。本当かなあ?

3分の2ほど食べたところで店員さんが「麺のおかわりはいりますか」と話しかけてきた。どうやら無料で「替え玉」が頼めるらしい。あやうくスープを飲み干してしまうところだった。せっかくなのでお願いし、しばらくすると麺とスープの入った小さいお椀を持ってきてくれた。と、次の瞬間だ。店員さんがその麺とスープを直接私のフォーに入れようとしたところ、手を滑らせてお椀ごとドボンと落としてしまったのだ。私も店員さんも、そして隣に座っていた人たちも「……あ」という声を出してしまった。

店員さんは慌てて「申し訳ありません」と言って、私の食べていたフォーをそのままサァーっと持って行ってしまった。食事を楽しんでいたのに品物が突然なくなった私は呆然とするしかなかった。どうするんだろう。フォーを作り直してくれるのだろうか。

すると持ってきたのは、おかわりの分が入っていた小さなお椀。

えええ!!これだけ??私のフォーはまだ3分の1ほど残っていたし、麺以外に野菜も入っていたのに。店員さんは「調味料はご入り用ですか」と聞いてくれたけど、ほしいのはそれじゃないよ。あとから入店した人は私のお椀を見て「お子様セットでも食べているのか」と思ったことだろう。

味は悪くなかったけどねえ。できあがるのも相当時間がかかったし、ちょっと、もう来ないかもしれない。

References
*1中国版Wikipediaと呼ばれているサイト。

中国の野菜事情

今日、職場で中国人スタッフと野菜の話で盛り上がった。

中国は広いので、ひとつの野菜に名前がいくつもある。その代表例が「キャベツ」だ。私は“洋白菜”と呼ぶことが多く、北京に住んでいてもこの言い方をよく目にする。一方で“卷心菜”と呼ぶ人もいるし、台湾では“高丽菜”(「高麗菜」)と呼んでいる。ほかに知っているだけで“包菜”や“圆白菜”という呼び方も。すでにここまでで5つの名前があるわけだが、インターネットで検索するとほかにももっと出てくる。

ほかに有名な例だと「トマト」。中国の北では“西红柿”と呼び、南では“番茄”と呼ぶ。けど「トマトケチャップ」になると、北の人も“番茄酱”と言うのだ。中国で野菜について話題になる際、自分が話す分にはどれか単語を1つ決めておけばいいが、他人は出身によってさまざまな名称を使ってくるから結構難しい。

ちなみに中国で売っている白菜は赤ん坊ほど大きい。ちょっと冷蔵庫に入らないのではないかと思うくらいだ。一方、中国には“娃娃菜”という野菜がある。直訳すると「赤ちゃん菜」といったところだが、白菜が小さくなったような形をしていて、見た目がまさに「白菜の赤ちゃん」なのだ。中国のスーパーでは基本的にどこにも売っていて、私なんかは普通の白菜は大きすぎるので、大体“娃娃菜”のほうを選んで買っている。

白菜のミニバージョンなら“小白菜”なんて言葉があってもいいように思うが、中国には“小白菜”という名前の全然別の野菜が存在する。チンゲンサイのような見た目で、“油菜”とも呼ばれるようだ。野菜に限らず、中国はさまざまなものに複数の名が存在する。それだけ中国が広くて、それぞれの地方に言葉があるということなんだなあ。

ちなみに“娃娃菜”は名前も中国語だし、中国オリジナルの野菜かと思っていたら、日本生まれの品種らしい。その名も「わわさい」。

生活様式の変化、特に1人暮らしに白菜は大きすぎるということもあってコンパクトな“娃娃菜”が生まれたそうだ。日本生まれなのに、なぜ中国でのほうが浸透しているんだろう。日本は白菜も半分や4分の1のカットが売っているから、わざわざ小さい“娃娃菜”を買う必要がないからかもしれない。

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