The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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現地の公安局に出頭

大使館に出生届を出したのに続き、今日は現地の公安局に出生関係の届け出をしに行きました。昨日が日本側の手続きだったのに対し、今日は中国側の手続きです。

中国の公安といえば日本でいうところの警察。なぜ子どもが生まれて警察に行かなければならないかというと、中国では出入国管理も警察の所管なんです。日本だと法務省ですよね、出入国在留管理庁。日本でも外国の方が出産すれば出入国在留管理庁に届け出ないといけないのと同じで、私たちは中国では外国人なわけですから出入国管理を所管する警察に届け出ないといけないのです。そうしなければ、いくら新生児の娘であっても「不法滞在」になってしまいます。

とはいえ、娘は昨日やっと日本大使館に出生届を出したばかり。自分のパスポートはもちろん持っていないし、増してや日本国内の戸籍にさえ名前は掲載されていません。つまり中国の警察に出頭したところで提示できる日本側の書類はないわけです。しかし中国の規則では新生児も出生後60日以内に届け出ることになっているので、急ぎ病院が発行してくれた「出生医学証明」(“出生医学证明”)を持って訪問。とりあえず、これにて出生したこと自体は受け付けてもらい、日本のパスポートが手に入ったら再度公安局を訪問することになりました。

これで晴れて日本・中国ともに娘が生まれたことに伴う公的な手続きは完了。娘の存在が「認められた」ような感じがして何だか嬉しいです(^^)。

日本大使館に出生届

今日は娘の出生にかかる手続きとして、出生届を提出しに北京市内の日本大使館に行きました。

出生届は日本だと最寄りの役所に提出しますが、外国の場合は大使館なんですね。出生届の用紙は大使館に用意されていて、これ以外に届出人のパスポート(今回の場合は父親である私)、中国の病院が発行してくれた「出生医学証明」(“出生医学证明”)、その「出生医学証明」の日本語訳が必要でした。この日本語訳は自分で訳したもので大丈夫なようです。

ちなみに「出生医学証明」というのは中国の病院が発行してくれる書類で、子どもが生まれたことを証明するものです。この書類には子どもの名前を記載する必要がありますから、出生届を提出するよりも前に決めておかないといけません。ただ外国人の場合、「出生医学証明」に載る名前は基本的にアルファベットなので、最悪「漢字表記」だけは出生届の提出時まで悩める……ということになるかもしれません(^^;)。ほかにも多民族国家の中国ならではの「民族」と書かれた欄もありました。日本人の私たちは「大和民族」とでも書かれるのかしらんと期待していたら、実際には空欄でした。

去年8月に自分のパスポート更新で訪問した以来の日本大使館領事部です。

窓口で子どもの出生届を提出に来た旨を伝えると用紙をくれるので、これに記入していきます。ここに書いた情報が将来ずっと戸籍謄本に残ると思うと感慨深い……父である私が今日届け出たことや、そして娘の出生地も「中国北京市」と記載されます。娘にとって北京が名実共に第二の故郷になりますね。

事前に記入事項も調べておいたので、窓口では書き直しを指摘されることもなく提出完了。これが私の本籍地である岡山市の戸籍謄本に反映されるまでは2か月ほどかかるそうです。とりあえず、これにて日本側に娘の出生を公的に届け出ることができました(^^)。

注射器でミルク

娘がNICUでの健康観察を終え、晴れて一般病室に戻ってきました。

いざ戻ってくると肩に力が入ります。息はしている?オムツは換えないといけない?そろそろ授乳の時間?とにかく分からないことだらけ。抱き方ひとつにしても緊張しちゃいます。私の母はさすが3人の息子を育て上げたこともあって抱き方がうまい(^^;)。亀の甲より年の功だなあ。

こちらの病院では母乳を推奨しています。ただ出産直後だと母乳の出が悪いこともあり、その場合には看護師さんがこうしてミルクを飲ませてくれます。で、使うのが注射器(シリンジって言うんですね)。生まれたばかりの子どもはうまく吸えないことが多いので、こうして飲ませてあげるんですね。飲み終えると慣れた手つきで娘を縦抱きし、背中をポンポンと叩いてゲップさせます。当たり前なんですけど、あまりに看護師さんの要領が良いので見ていて感動してしまいました。分からないことがあれば、その場で聞けば何でも答えてもらえますし。

今日はこのほか聴力検査を実施。眠っている娘の耳に検査用の道具を使って何か聞かせていました。娘は寝っぱなしなのでどう調べているのか不思議ですが、脳の反応を見ているようです。周りは音を立ててはいけないのかと我々は固唾を飲んで見守っていましたが、右耳は問題ないものの、左耳のみ明日再検査することになりました。

追記)

左耳もその後、問題なしということになりました。何を以て問題なしなのか不思議な検査です(^^;)。

娘がNICUに入院

昨日生まれてきた娘ですが、小児科の医師からNICU(新生児集中治療室)に入院することを勧められました。生まれてくる前に子宮内でうんち(胎便)をしてしまったようで、羊水が汚れていたそうです。この汚れた羊水を飲み込むと、まれに肺に入って呼吸障害などを引き起こす場合があるのだとか(胎便吸引症候群)。ほかにも病気の感染リスクがあり、念のためにNICUに入院して健康観察したほうが良いと助言をもらいました。

娘の体に将来障害が残る可能性があるなら迷っている暇はありません。ただし先生は「おそらく問題はないけど『念のために』入院しましょう」と言います。うーん、悩みますねえ。と言うのが、こちらの病院ではNICUに入院すると日本円にして1日あたり30万円近い費用がかかるのです。「念のために」で1日30万円……

けれど最終的には入院を決心しました。海外旅行保険が適用できることが分かったからです。会社が結構良い海外旅行保険に入ってくれていて、帯同している家族も利用することができるのです。会社に問い合わせたところ、娘も生まれた瞬間から加入できる(というより『加入させられる』)ことが分かりました。一応保険会社にも電話をして「医師が必要だと判断した治療なら保険金は支払われる」と言質を取ったので、ありがたくNICUに入院することにしたのです。

けど、結果的にすごく助かりました。娘の健康はもちろんですけど、娘が一時的に手を離れたことによって妻が休める時間が確保できたからです。こちらの病院は「母子同室」を掲げ、娘は生まれた瞬間から妻とずっと同じ部屋にいました。親子の絆を深めるのが目的だそうですが、生まれて数時間の新生児が同じ部屋にいるのって相当気を使います。とにかく目が離せず、出産したばかりで体調の戻っていない母親はなおさら大変です。NICUだと専門の看護師さんが24時間つきっきりで見てくれるわけで、安心感がまるで違います。

NICUでの面会は1日3回まで。清潔区域*1のため、入口で専用の防護服、マスク、帽子を着用し、入室後も手洗いをした後、手指消毒剤で消毒を指示される念の入れようでした。当時NICUに入院していたのはうちの娘だけだったのでVIP待遇。いつ面会に行ってもスヤスヤ眠っていました。あまりに静か(微動だにしない)なので大丈夫?と思ったくらいです。すると看護師さんから「お腹が空いたときの泣き声はそりゃあすごいですよ」「今が静かなだけです」と笑いながら教えてくれました。

最終的に娘のNICUで請求された額は約1万5000人民元、日本円にして約33万円でした。想像していたよりは安かったですが、それでも高いですね。一旦は立て替える必要があるそうで、とりあえずクレジットカードで支払い。後日、病院の診断書や明細をインターネット経由で保険会社に送ったところ、翌日には振り込まれました。ありがたい限りです。

この日の夜は病院を後にし、北京首都国際空港へ。今夜から日本の母が身の回りの世話のために中国に来てくれることになっているからです。T3ターミナルの到着ロビーでぞろぞろと出てくる到着客を眺めていたら、大きなスーツケースをゴロゴロさせた母親が出てきました。中身に入っているのは私たち夫婦があれこれ持ってくるようお願いした日本の物品です。いやはや、ありがたい限り。自宅に着く頃には午後10時を回っていたため、遅い夕食は自宅で簡単に済ませました。

References
*1病原微生物の汚染を防ぐことに特化した空間のこと。

36週目の妊産婦検診

今日は午前休を取って妻の妊産婦検診に同行しました。妊娠36週目の検診です。当初は日本語通訳をお願いして妻だけで行く予定だったのですが、そろそろ出産日をどうするなんて具体的なことも決まってくるので私も行った方がいいかと思い。

こちらの病院の日本語通訳さんとお会いするのは今日が2回目です。私が検診に同行するときは基本通訳はお願いしておらず、病院に通い始めたばかりの頃に通訳さんにご挨拶をしておきたいと、一度だけ通訳をお願いしたことがありました。妻は何度か1人でかかった検診の際にお世話になっているんですけど。

通訳さんは私が中国語を話すことを知っているので「ご主人は通訳必要ありませんよね?私は必要なときだけ訳します」なんておっしゃる。で、私は「妻が分かりやすいよう、念のため医師の説明は全部日本語に訳してくれませんか」とお願いすると「分かりました」と言ってくれたものの、少しやりづらそう(笑)。いや、分かりますよ、私も中国語ができる日本人や、日本語が出来る中国人の前で通訳するのはやりづらいもの(^^;)。

けれど、さすがプロの通訳さんだけあって安定感のある通訳をしてくれました。医療通訳の方っていうのはやはり医療に関する知識がそこらの人よりあるんでしょうね。医師の説明を直接訳すのはもちろんですけど、より分かりやすい日本語で通訳してくれたように思いました。あとは長く日本人の通訳をしているからこそ、日本人ならではの事情に詳しい印象を受けました。例えば医療保険の話になったときに「日本の方が多く加入している保険だと○○な場合がありますから注意してくださいね」とアドバイスをしてくれるとか。こういうのは病院が教えてくれないことも多いので、日本人通訳さんが教えてくれると本当に助かります。そういう意味ではいくら言葉ができても通訳さんを頼る理由はたくさんあるかもしれませんね。

ハイローチェア

ベビーベッドに続き、注文していた「ハイローチェア」が届きました。

簡易ベビーベッドにもなるし、椅子としても使えるベビーラックです。「ハイロー」というくらいなので高さも調整できます。今回購入したのは「コンビ」という日本メーカーのもので、ロックを外せばゆらゆらと前後にも揺れるのでバウンサーのようにも使うことができます。

日本メーカーの商品ですが、中国のネット通販「タオバオ」(“淘宝”)に売っていました。妻が見つけてくれたので「おお、日本の商品が買えるとはラッキー」と思ってポチろうとすると……あら?購入できないのです。

表示されたポップアップメッセージには「中国大陸の身分証で認証されたAlipayアカウントでしかこの商品を購入いただけません」との文字。中国では国民一人一人に「身分証」が発行されますが、外国人は持っていないので事実上購入できないということです。おそらく越境EC*1の場合、通関手続きなどが発生するため外国人はお断りしているってことでしょうね。

しようがなく職場の中国人の同僚に頼んで購入してもらいました。で、私は購入金額を支払うという形で。めんどうですけど、中国で日本のベビーグッズが買えたので良しとします。

References
*1ネット通販サービスを通じて海外の商品を購入し、取り寄せること。

ベビーベッド

先日注文していたベビーベッドが到着したので、今日組み立てました。

4つある面のうち1面だけ開けて、大人用のベッドにくっつけられるようにしました。

日本のベビーベッドは大きく分けて「レギュラーサイズ」と「ミニサイズ」とあって、日本で売っている赤ちゃん用の寝具はいずれかのサイズに合わせて作ってあります。ただ中国のベビーベッドにはどうやら規定ないようで日本の寝具を使おうとすると中途半端なサイズばかり。ようやく日本の「レギュラーサイズ」より気持ち大きいサイズのベッドを見つけ、購入しました。

ベビーベッドが家にやってくると、何だか気持ちも「いよいよ」という感じがしてきます。

34週の妊産婦検診

今日は妻の妊産婦検診に付き添い、病院に行ってきました。

こちらの病院はお願いすれば日本語通訳も付けてくれるのですが、通訳さんもたくさんいるわけではないので予約が混み合うときがあります。ということで、私が付き添うときは自分が通訳代わりに。とは言え、今日は医師の問診と助産師面談の2つを控えていたので、ノンストップで2時間喋り続けました。いやあ、クタクタです。

普段仕事で中国語を使いますが、医療現場では使う言葉が全然違いますね。例えば陣痛促進剤を使って出産を促すことを中国語で“引产”(引産)と言います。おそらく「出産を引き起こす」という意味から来ているんでしょうけど、これ、日本語だと何と言うんでしょう。分娩誘発?妊娠・出産を経験しなかったらおそらく知らないままであっただろう言葉にたくさん出会うので勉強になります。

アーイーさんに来てもらって

中国で子どもを産むと決めてから、周りの人たちから「アーイーさんを雇った方がいい」と口々に言われます。アーイーというのは“阿姨”、中国語で「おばさん」という意味。この場合はお手伝いさんのことを指します。こちら(中国)で出産を経験した日本人駐在員は大体アーイーさんをお願いしているそうで、今日は知り合いの日本人駐在員の方から推薦いただいたアーイーさんと面談というか、会ってお話をするために家にお招きしました。人となりが分かればと思って、です。

中国は日本以上に産後の肥立ちを重視します。昔から「坐月子」(ズオユエズ)という文化があり、子どもを産んだ女性は産後1か月間徹底的に療養します。いろんな細かい決まりがあって、健康を保つために外出することはおろか、風呂に入ることも禁止されているそうです。今は上水道が整備されて清潔な水が摂取できるようになったので入浴などは認められるみたいですが。私たちがお世話になっている病院も敷地内に「坐月子センター」という施設があり、五つ星ホテルみたいな部屋(それも1人1室)で産婦が24時間サポートを受けられるようになっていました。もちろん出産とは別料金、通常クラスの部屋でも28日間で300万円近くかかるみたいでびっくらこきましたけど。

もちろん中国人みんなが豪華な坐月子センターに入るわけではありません。大体は夫婦互いの両親にお世話になりますが、今は外の力に頼る人も多いようで坐月子専門のシッターさん(“月嫂”)という仕事もあるようです。私たちがお願いしようとしているのは普通のお手伝いさんなので厳密には違うんですけど、中国で妊娠・出産を経験した日本人駐在員たちが「頼れるところにはできるだけ頼った方がいい」とアドバイスしてくれるので、じゃあお願いしようかな、と思い立ったわけです。

今日お会いしたアーイーさんは内陸部・安徽省のご出身。日本人駐在員の家庭を中心に20年以上働いているという方でした。日本語は話せませんが、とても礼儀正しい印象を受けました。

ただ私たちもお手伝いさんなんて雇ったことがないし、そもそも初めての出産なので何を手伝ってもらったらいいのかも正直よく分からないんです。向こうの方がよっぽど経験者だし、まずは「今までの日本人家庭ではどんなお手伝いをしていたんですか」と聞いてみました。するとアーイーさん曰く「子どものお世話がメインです。私が子どもの面倒を見ている間に旦那様や奥様には買い物をしてもらったり遊びに行ってもらったり、ご夫妻の自由な時間を確保するために私が働きます」。

え、ええーっ?それって家でアーイーと自分の子どもの2人きりだけにしちゃうってこと?

これって駐在員の間では当たり前のことなんでしょうか。自分たちが遊びに行くためにお手伝いさんを雇うわけじゃないというか……初めての子ども(それも新生児)を自分たちの両親ならまだしも、他人に任せるって、ねえ。妻の負担軽減なのが一番の目的なのは当然ですけど、やはり子育ては苦労してナンボというか、基本的な部分は自分たちできちんと担って父親・母親としての自覚を持つべきって思っちゃうわけですが、考えが古いのかなあ。経験者から「あんたらは子育ての大変さを分かっていない」って怒られちゃうでしょうか。

まあ、もしかしたらアーイーさんからすれば「どのくらい働けるか」は実入りに直結するわけで、なるべく長く働きたいのかもしれません。私たちがアーイーさんに手伝ってもらいたいのは主に水回り、料理、あとは妻が少し休むときに子どもを見ていてもらうという感じ。そう伝えると、ボソッと「するとお手伝いすることはそこまで多くありませんね」と話していました。かといって、アーイーさんの収入のために私たちが無理やり時間をつくって外出するのは……本末転倒です。

まずは私たちのニーズとアーイーさんの働きたいニーズをどこまで調整するかということになるかと思います。私たちが「1日に2時間くらい来てくれれば良い」つったって、アーイーさんからすれば「それじゃ食っていけない」ということになるでしょうし、難しいですねえ。まあ、妻の要望を聞きながらボチボチ詰めていきます。

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