昨日、街なかでこんなポスターを見かけました。ふと入ったスーパーの脇に貼られていたものです。

日本語でも「間諜」という言い方があるので、お分かりになる方もいると思いますが──“反间谍法”は「反スパイ法」という意味です。「反スパイ法」自体は2014年に施行されていたのですが、今年7月1日に改正された「反スパイ法」が施行されました。改正後はスパイ行為の定義が拡大され、外資系企業の間では取り締まり強化への警戒感が強まっています。

施行の直後は目立って変化を感じていなかったのですが、最近になってこういうポスターが増えたように思います。右側のポスターには“增强全民反间谍意识,筑牢国家安全人民防线”(全国民の「反スパイ」意識を高め、国家安全のために人民の「防御線」を築こう)と書いてありますから、国民に向けた啓発ポスターなんでしょうね。

こちらは人民日報という中国のメディアがSNS「ウェイボー」に投稿したもの。今風の漫画タッチのイラストが描かれていますが、その実、書いてあるのは「スパイを告発せよ」というもの。スパイは軍事愛好家や学術交流を装っているとした上で“发现可疑情况,请及时拨打国家安全机关举报受理电话,提高防范意识”(疑わしい状況を見つけた場合はすぐに国家安全機関の受付窓口に電話を。警戒意識を高めましょう)と書いてあります。

これはもちろん外国人に限りません。お互いが中国人であってもスパイだと思ったら通報しなさいというわけです。こういう「市民が互いに監視しあいましょう」って感じ、何だかねえ。中国政府は日本に対し「過去の歴史を反省しなさい」と口を酸っぱくして言いますが、これこそ何だか戦中の日本を思い起こさせます。

……けど、私もいらんことを言って「スパイ」認定されるのは御免なので、これ以上は書かないでおきたいと思います。