The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2024年8月 (2ページ目 (3ページ中))

中国の印刷屋

日本だと自宅用のプリンターを持っているという人は珍しくないと思います。昔は印刷専用機がメインでしたが、今はスキャナー機能も有した複合機が多いでしょうか。年末年始が近くなると年賀状の印刷なんかにも活躍してくれます。私が自分で初めてプリンターを買ったのは大学生の頃で、講義のレポートを印刷するのに使っていました。

一方、中国で自宅用のプリンターを持つのは一般的ではないようです。少なくとも私は持っているという人に会ったことがありません。実際、中国の家電量販店に行ってもプリンターが売っているのを見たことがないのです。けれど中国の人たちだって印刷することはあるはず。自宅にプリンターが無いならどうしているのかというと、中国の人たちは街なかにある「印刷屋」を使っているのです。中国語では“打印店”と言います。

中国はホントどこにでも印刷屋があって、私が留学していた頃には大学のキャンパス内にもありました。印刷したいデータをUSBメモリーに入れて持って行けば、すぐに印刷してくれます。ただ返してもらったUSBメモリーを自分のパソコンに接続すると毎回「ウイルスが検出されました」と表示されていたのは今となっては良い思い出です(^^;)。友人に話を聞くと昔はもっと安かったそうで、学生時代は誰かが代表で教科書を買い、印刷屋に持ち込んで格安でコピーして製本までしてもらっていたとか。よくよく考えれば著作権的にアウトですけど。

業務用の印刷機が揃っているのでポスターやチラシなんかも作ってくれるし、もちろん写真だってきれいにプリントしてくれます。確かにこういう印刷屋が街なかにたくさんあれば、わざわざ自宅にプリンターが無くても困ることはありませんね。

ふと証明写真を用意する必要が出てきたので印刷屋にお願いしました。事前にWeChatで写真データを送り、“两寸”(3.5×5.3cm)で印刷してほしい旨を伝えておけば、あとは受け取りに行くだけ。写真のカットまでしてくれます。

日本だと印刷・コピーしたいときはコンビニのコピー機を使い、写真の現像ならカメラのキタムラにお願いしたり、家電量販店に設置しているセリフプリント機を使ったりします。あと証明写真なら駅などに証明写真ボックスがありますもんね。これらは中国にありませんが、すべて印刷屋が解決してくれます。

日本語と韓国語

今日は仕事でちょこちょこお世話になっている韓国人の方と食事をしました。

会話は基本的に中国語です。ただお互い中国語は母語ではないので、話していて「隔靴掻痒」な感じが拭えません。特に漢字の語彙は日本語と韓国語では共通なのに中国語では独特ということが多く、お互いの言語で話した方が分かりやすいのでは?と思っちゃうときがあります。

例えば子どもの話をしていて「離乳食」の話題になりました。離乳食は中国語で“辅食”(輔食)と言うので、私はこの言葉を使ったのですが、その方は知らなかったようで「?」という反応をされてしまいました。そこで試しに「離乳食」という漢字を韓国語の発音で“이유식”(イユシック)と言うと、その方は「ああ、離乳食ね!」と理解してくれました。つまり日本語も韓国語も「離乳食」という言葉が共通ですが、中国語では“离乳食”とは言わず“辅食”と言うわけです。

また先日行ったラオス出張の話題になり、ラオスの一部地域では「人身売買」といった犯罪が問題になっているらしいという話題になりました。このときも私が中国語で人身売買を指す“人口贩卖”という言葉を使ったら、またも「?」となってしまいました。であれば……と思い、日本語の「人身売買」という単語を韓国語の発音で“인신매매”(インシンメーメー)と読むと通じたのです。これも日本語と韓国語は語彙が共通なのに中国語だけ違います。

ここまで日本語と韓国語の語彙が共通しているのは、やはり植民地支配に日本語の言葉が韓国語に流入したとみるのが正しいんでしょうね。なので韓国語のニュース記事は漢字語の部分を漢字表記に置き換えると途端に日本人には読みやすくなります。

한국군 합동참모본부와 한미연합사령부는 12일 국방부 청사에서 열린 공동 기자회견에서 올해 UFS 연습을 이달 19∼29일 실시한다고 발표했다.

UFS 기간 군사 훈련과 함께 진행되는 정부 연습 중 북한의 핵공격 상황을 가정한 북핵 대응 훈련이 실시된다고 합참은 전했다.

이성준 합참 공보실장은 관련 질문에 “을지(정부) 연습의 일환으로 북핵 대응 훈련을 실시한다”며 “정부 연습에 우리 지역 책임 부대가 참여하는 형태로 진행될 것”이라고 밝혔다.

連合ニュース(2024年8月12日)

これは韓国の通信社「連合ニュース」が米韓合同軍事演習を伝えている記事です。この記事の漢字語の部分をすべて漢字表記にすると……

韓國軍 合同參謀本部와 韓米聯合司令部는 12日 國防部 廳舎에서 열린 共同 記者會見에서 올해 UFS 演習을 이달 19∼29日 實施한다고 發表했다.

UFS 期間 軍事 訓練과 함께 進行되는 政府 演習 中 北韓의 核攻擊 狀況을 假定한 北核 對應 訓練이 實施된다고 合参은 전했다.

李誠俊 合參 公報室長은 關聯 質問에 “乙支(政府) 演習의 一環으로 北核 對應 訓練을 實施한다”며 “政府 演習에 우리 地域 責任 部隊가 參與하는 形態로 進行될 것”이라고 밝혔다.

これなら韓国語を学んだことがない日本人でも何となく書いてあることが想像つくんじゃないでしょうか。全て旧字体にしましたが、これが現在の日本語でも使われる新字体ならばもっと分かりやすいと思います。これが中国語だと「合同参謀本部」は“联合参谋本部”(聯合參謀本部)だったり、「共同記者会見」は“联合记者会”(聯合記者會)だったり、独特な語彙になってきます。

人生の2周目

妻と娘を連れて3人で北京市内の水族館「北京海洋館」に行きました。

北京動物園の敷地内にあり、北京市内の水族館の中では最も大きいんだとか。水族館だけ行ければいいと思っていたのですが、北京動物園の一施設という位置づけのため「動物園+水族館」のセット料金でチケットを買わなければいけませんでした。

娘は無料でしたが大人は1人175元(約3600円)、結構お高いです。ちなみに去年行った北京市内にある別の水族館「富国海底世界」は1人150元(約3000円)。どちらも高いですねー、北京は海に臨む港湾都市ではないので水族館の運営には費用がかかるんでしょうか。沖縄県の「美ら海水族館」を調べてみると大人1人2180円。やはり北京の水族館は割高に感じてしまいます。

館内はテーマ毎に分かれていました。最初は“雨林奇观”という熱帯雨林を模したエリア。しかしまず私たちを迎えてくれたのはなぜか錦鯉。全然熱帯雨林の魚じゃないし、そもそも錦鯉は淡水魚でしょ。この水族館は「海洋館」という名前だったはず……まあ、日本人ほど魚に親しんでいない中国の人たちにとって海水魚も淡水魚も、どちらも「魚」ということなのかもしれません。

何がすごいって人の多さです。よくよく考えると今は夏休み、それも今日は日曜日。写真からはそこまで多く見えないかもしれませんが、いやいや、来たことを一瞬後悔する多さでした。それに申し訳ないですが、かの国の人たちが一箇所に集まるとカオスです。平気でぶつかってくるし、列を抜かそうとするし、ルートを逆流しようとするし、邪魔になるような場所で写真撮影に興じるし、水槽の手前にゴミを平気で放置していくし、やかましいし……もう挙げればキリがありません。

国籍で一括りにするつもりはありません。けれど日本の水族館なら混雑していても、これほどのことは起きなかったと思います。小さな子どもたちがたくさんいましたが、大人たちは何も思わなかったんでしょうか。「教育」とは何か、なんて考えてしまいました。

あとは人が多かったからか、館内が暑く感じました。大人は我慢すればいいのですが、かわいそうなのは娘です。髪の毛が額にペタッと張り付くほど汗をかき、途中から不機嫌になってしまいました。

ちなみに娘は最近ベビーカーに乗るのも嫌がるようになりました。初めはおとなしく乗っているのですが、しばらくすると全力で体をよじり出します。転落防止用にベルトを着用しているんですが、これをはずせーと言わんばかりに「んー!んー!」とうなり、仕舞いには泣き出してしまいます。しようがなく抱っこしますが、この時期の抱っこはお互いの肌が触れあって熱いんですよね。お互い汗をかいているとなおさらで、しばらくすると抱っこしていても泣き出しちゃって……もう、どうすればいいのよ……という事態に陥ります。

今のところ、最終手段として抱っこ紐を使うとおとなしくなります。今日も最初はぐずっていましたが、抱っこ紐に変えてしばらくすると泣き疲れたのかスヤスヤ寝始めました。娘に魚をたくさん見せてあげたいという一心で水族館に連れてきたわけですが、慣れない環境に疲れてしまったようです。悪いことしちゃったなあ(^^;)。

北京最大の水族館とのことですが、正直言って日本の水族館で目の肥えた私にはちょっと物足りなかったです。目玉という目玉がないというか。サメやクラゲの展示コーナーは気合いが入っていたかもしれません。けれど肝心な水槽が結露で曇ってよく見えなかったり、魚と関係ない施設が多かったり、出口まで来たときには心の中で「え、これで終わり?うそじゃろ?」と思ってしまいました。

水族館を見終え、せっかく動物園もセットになったチケットを買ったんだし、少しだけでも見ていこうか……と動物園に向かって歩き出したのですが、娘の疲れた顔を見てやめておきました。この直射日光と気温の中で屋外を歩いて回るのはやはりよくないですね。動物園はもう少し涼しくなってから再挑戦したいと思います。

この前、お笑い芸人「品川庄司」の品川祐さんがWEBメディアのインタビューに応えた記事を読んでいて良いなあと思ったのが「子どもは人生の2周目をくれる」という表現です。

なんでもそうなんだけど、1回目に勝るものってないじゃん。例えば初めてディズニーランドに行った日。その前日に「明日ディズニーランドだ!」ってワクワクしたあの感動とかって、大人になるにつれてどうしても薄れてくるんだよね。だけど、子どもができるともう一度、新鮮な「初めて」を経験できる。「子どもと行くはじめてのディズニーランド」になるのよ。

そのほかにも、初めての入学式、はじめての運動会。子どもが生まれたことで、自分の人生の中に、もう一周初めてがある。それが単純に面白い。感動が薄れていく中で刺激が欲しくなって、キャバクラにハマるとか、好きな洋服を買うとか、車買いました、とか、そういう人もいるんだけど、俺の中で子どもは唯一「人生の二周目」ができる存在。そんな感覚があるんだよね。

ナレソメノート「結婚の哲学」品川祐

去年も妻と2人で水族館に行きましたが、今回は私たちにとって確かに娘と行く「初めての水族館」でした。昨日の晩から「どうやって連れて行ってあげよう」「水族館では何を一番に見せてあげよう」、そんなことばかり考え、もしかしたら私たちのほうがワクワクしていたかもしれません。

まだ0歳の娘は何が何だか分からなかったと思います。自分の足で立つようになり、言葉も話すようになり、物心が付いたころに再度連れて行けばまた違った反応をしてくれるかもしれません。そうすると子どもは「人生の2周目」どころか、3周も4周も経験させてくれる存在なのかもしれません。

子どもの責任は親の責任

今日の土曜日は仕事がなかったので、午前中は洗濯をしたり娘とNHKの「おかあさんといっしょ」を見たりして過ごしました。昼食の時間になり、妻と「何を食べるかね」とキッチンをあさっていると少し前に購入した焼きそばがあったので、今日のお昼は焼きそばに決まり。

せっかくだからフライパンでしこしこ作るのではなく大きな鉄板で作ってお祭り気分を味わおうと、押し入れにしまっていたアラジンの「グラファイトマジックグリラー」を引っ張り出しました。100Vの日本国内専用の製品ですが、中国に来る前に買っておいた大型の変圧器を使えば問題なし。いただくのもホットプレートから直箸。何だか特別おいしく感じて、妻とペロッと食べてしまいました。週末のクッキングパパです。

午後は娘をベビーカーに乗せて妻と近所を散歩。東城区交道口にある「北冰洋」という飲料メーカーの店舗にやってきました。中国版ファンタみたいなオレンジジュースが有名で、ホッキョクグマがトレードマークの北京の有名な会社です。ちなみに「北冰洋」というのは日本の漢字では「北氷洋」と書き、北極海という意味。

さすが店内には「北冰洋」の商品がズラーッと並んでいます。

「北冰洋」には60年以上の歴史があり、同世代の中国人の友人に聞くと北京っ子は小さい頃から親しんでいて、よく飲んだそうです。しかし私は北京に留学していたのに「北冰洋」を知りませんでした。知ったのは今回北京に赴任してからです。

なぜだろうと調べてみたんですが「北冰洋」は1994年に中国市場に参入したペプシコーラと提携して以降、次第にペプシ側に支配権を握られ、一時期姿を消していたそうです。その後、ペプシとの交渉を経て2011年から「北冰洋」の生産が再開したのだそう。私が留学していた2010年から2011年なので、ちょうど生産再開を見届けないまま帰国してしまったんですね。

この店舗では「北冰洋」の飲料商品だけでなく、ホッキョクグマの関連グッズなんかも販売しています。こうした体験型店舗は北京市内だと海淀区にもあるのだとか。

こんなかわいいフローズンドリンクが売っていたので注文しちゃいました。“北极冰岛”という名前の商品で、これを日本漢字で書くと「北極氷島」、つまり北極アイスランドという意味です。味は4つ用意されていて、私は右のイチゴ味、妻は左のブドウ味を選びました。かわいいホッキョクグマがドリンクに浸かっています。

かわいいホッキョクグマに娘も興味津々。ただ……この写真を見て何となく想像が付くかと思いますが、これは事故の起きる数秒前。次の瞬間、娘がチョイッと触れたかと思うとカップが倒れてフローズンドリンクをこぼしてしまいました。店員さんに平謝り、モップで床を拭いてもらいました。子どもの手が届くようなところにカップを置いたのがよくなかったです。子どもの責任は親の責任ですね、反省しました。

雨が降る金曜の夜にタクシー

今日は数か月前から私たちの職場で働き始めた中国人の同僚を囲んで食事をしました。親の仕事の関係で長く日本に住んでいたそうで、日本語がとっても上手。いえ、上手という表現を使うには失礼なくらい「ネイティブ」です。食事会自体は午後10時半頃にお開きとなり、帰宅しようとしたところ外は雨。結構な雨量だったので「滴滴」*1を利用することにしました。雨天なのに加え、金曜の夜ということもあって配車されるまで結構な時間がかかりました。

おそらくこんな日はかき入れ時なんでしょう、私が乗車している間にも運転手さんのスマートフォンには次々と配車依頼が届いていました。もちろん全ての依頼を受ける必要はなく、自分の受けたいものだけを選びます。で、運転手さん、突然「あちゃー、こりゃ遠いわ」とつぶやきます。どうやら私の次に受けた配車依頼が乗車地は近かったものの、降車地がずいぶん遠い場所だったのです。車だと片道40分くらいでしょうか。時間はすでに午後11時前だったので、行って帰ってくれば確かに日付は跨ぐでしょう。運転手さんは「しまったなあ、今日はもうそろそろ店じまいにしようかと思っていたのに」と言います。

すると、突然私に向かって「あなたの家に着く直前に配車アプリ上で目的地を変更してくれないか」と頼んできました。アプリで目的地は私の自宅に設定してあるわけですが、これを自宅に着く直前に別の場所に変更、それも3キロ以上遠い場所にしてくれと言うのです。ええ?どういうこと?3キロ以上遠い場所ってどこよ?すると運転手さんは「どこでもいい、例えば北京大学とか」と言います。私の自宅から北京大学まで片道30分ほどかかります。つまり私が自宅に着く直前に目的地を自宅から北京大学に変更すれば、私は引き続き車に30分以上乗り続けなければいけなくなり、次に予定されていた配車依頼は自動的にキャンセルされるのだとか。

なるほど……いやいや、でも私は自宅で降りますよ?北京大学まで行くつもりはないし、その分の運賃を払うつもりもない。すると運転手さん曰く「家に着いた時点で途中下車したと処理するのさ。そうすれば行程も運賃もその時点で終了する」とのこと。試しに、自宅まであとちょっとのところで目的地を「北京大学南門」に変更しました。すると「目的地まで残り1分」という表示だったのが「残り28分」に変わりました。で、自宅に着いたところで運転手さんが「行程を終了」というボタンをポチッ。すると配車アプリ上には「ご利用ありがとうございました」という表示が出ました。請求料金もいつも通りです。

なるほど~、そういう裏の手があったんですね。運転手さんから「次の配車依頼を受けていたら帰宅が午前様になるところだったよ。私の家もこのへんだから助かった、ありがとう」と言われました。おそらく配車アプリの規則には反するんでしょうが、運転手さんたちの間では共有されている手法なんでしょうね。しかし一番気の毒なのは車に乗れるはずだった次の乗客。拾う神あれば捨てる神あり、目的地が遠方だと運賃も高額になるので、逆に喜んで配車依頼を受ける運転手さんもいた……と信じたいところです。

References
*1ウーバーのようにスマートフォンアプリで車を配車することのできるサービス。

子育ては筋トレ

私が仕事を終えて自宅に帰る頃、娘はもう寝てしまっています。暗い寝室で寝かせているので顔はぼんやりしか見えませんが、バンザイポーズでスヤスヤ寝ている姿を見る時間が好きです。

今日も就寝前、ちょうど午後11時半頃に妻と仰向けで寝ている娘の顔をジーッと見ていると、ふと目がパチッと開きました。私たちをジロジロ見ると、そのままクルッとひっくり返り、這うようなポーズに。私たちの顔をジーッと見て来て……これは完全に起きてしまいました。

妻には先に寝てもらうことにして、私のほうであやすことに。抱っこをして暗くしたリビングをうろうろしたのですが、寝る気配がありません。ぐずりだしたのでミルクを飲ませることに。160ミリリットルのミルク、完食しました。「ゲホッ」と立派なゲップもしてくれたので、いよいよ寝てくれるかな……としばらく抱いていたのですが、一向に寝てくれません。ウトウトし始めたかな?というところでベッドに寝かせるのですが、すぐに気付いて泣き出します。仕方なく抱き続けるのですが、今度は抱いていても泣き出してしまいました。

お父さんの抱き方じゃダメなのかなあ……4か月離れ離れだった娘は先週北京に戻ってきたばかり。まだ私の抱き方に慣れないのかもしれません。けれど、最近は私の顔を見てニターッと笑ってくれることも増えたので、父親だと認識してくれたのかなあと思っていたんですけど。しようがないことは分かっちゃいるけど、ちょっぴりショックです。

で、申し訳ないけど妻にバトンタッチ。妻が抱くと泣き止むんだろうな……と思ったら、おや、今日は泣き止みません。ぐずり続けて寝てくれないのです。もしやこれが夜泣きってやつ?最近は抱いていても体を力の限り反り返らせることが増えて、抱いているのも大変。娘を育てながら筋トレもできちゃいそう、と思ってしまう今日このごろです。

国情不一样

今日、昼食を食べようと飲食店に入ったところ、複数人で座る大きなテーブルに案内されました。知らない人間同士で相席していたわけですが、私から見て斜め左前に母親と娘が座っています。母親は40代前半で、娘は小学生というところでしょうか。すでに食べ終えているようですが、母親はスマートフォンのゲームに夢中で、スマホを横に持って両手でプレイ。娘はそれを横からのぞき込んでいます。で、どうやらそのゲームにはゲームをプレイしているオンライン上のプレーヤーと音声で会話できる機能があるみたいなんですね。最初は母親がひとり言を話しているのかと思ったのですが、よくよく聞いてみるとスマートフォンのスピーカーから返事が聞こえてきます。イヤホンも付けていないので周りに丸聞こえですが、母親は全く気にしていません。

そのとき、店員が母親に話しかけました。店内が混み合っているので席をひとつだけずれてもらえないかと依頼しているようです。しかし母親は聞こえてか聞こえずか、全く動くそぶりを見せません。依然としてゲームに夢中。けれど店員はジーっと反応を待っています。周りの人は私を含め、どうするのだろうと固唾をのんで見守っていたと思います。それだけに居心地の悪い時間だけが流れました。すると、母親は突然店員の顔を見て「何?」とだけ答えました。しかし店員の説明を聞こうともせず、すぐさまゲームに戻ってしまいました。結局、店員はあきらめて別の席に向かったようです。

私は正直、このやり取りを見て気分が悪くなりました。日本なら混み合う昼時に食事を終えた人が席を立たずにゲームをプレイし続けるって非常識だと思います。まあ、文化の違いがあるので日本がどうだとか言いますまい。しかし中国においても店員を無視するのは失礼なことです。

その後、地下鉄の駅に向かいました。ホームに並んで電車が来るのを待っていると、1人の男性が列を無視するように割り込んできました。北京でも電車に乗る際は「先下後上」(降りる人が先、乗る人は後)を守るよう周知されているので、私たちはホームドアの両脇に2列で並んでいました。この男性はその列の間、つまり電車から降りる人のためにあけている場所に堂々と立っています。

顔や姿から察するに地方の方と見受けられます。まあ、こればっかりはしようがありません。中国は広いので、地方出身だと電車の乗車マナーに疎いこともあるでしょう。その人は電車が到着するなり降車する客をかき分けて我先に乗車し、早々と席を見つけて座ってしまいました。

ここまでなら良いのですが、その男性、今度は隣に座った老齢の男性の肩がぶつかったとか何とか言い出したのです。言われた老齢の男性も腹を立ててしまって売り言葉に買い言葉、汚い言葉で罵り合いが始まりました。近くにいた別の男性が老齢の男性に「こいつに構わないほうがいい、行った方がいい」とジェスチャーをするのですが、怒りが収まらないようです。かたや騒ぎを起こしたほうの男性は「我こそ正義」と言わんばかりのしたり顔です。

十数年前に私が北京に留学していた頃、こうした場面によく出くわしました。その度に中国人の友人からはこう言われたものです。

国情不一样”(国の事情が違いますから)。

中国は日本に比べて面積も広いし、人口も多い。かつて一億総中流と言われた日本と違って、都市部と農村部で格差は大きいのが中国。日本とは事情が違うんだよ、しようがないよ……そういう意味が込められています。

でもね、列に並ばないところまでは良くても、罵り合いも「事情が違うから」なんでしょうか。そんなことないでしょう、いくら中国の地方だって褒められたものではないはずです。スマホゲームに夢中で店員の呼びかけを無視する母親だって同じで、そういうことを「事情が違いますから」と言い訳し続けた結果、北京のような都市部でもそういう“不讲礼貌”(礼儀をわきまえない)な大人が出て来てしまったんじゃないですか。中国という国の「ひずみ」みたいなものを目にした1日でした。

私、ロボット。

退勤して自宅マンションに帰ってきてエレベーターに乗ろうとしたところ、先客がいました。

これ、マンション内で荷物を運んでくれるロボットです。自分の注文した出前料理なんかがマンションに届くと、このロボットが部屋の前まで届けてくれます。エレベーターにも自分1人で乗り、到着すると内線電話で「私、ロボット。今あなたの部屋の前にいるの」と教えてくれます……って、メリーさん*1かっ!

ただ、写真を見て分かると思いますが、エレベーターのど真ん中に我が物顔で乗り込んでくるんですよね(笑)。一度、大きなスーツケースを2個抱えていたときにロボットが乗り込んできて窮屈な思いをしました。でも私もお世話になっているロボットだし、そこは大目に見たいと思います(^^;)。

References
*1怪談系の都市伝説の1つで、何度も「あたしメリーさん、今○○にいるの」という電話が掛かってくる話。最終的には「あたしメリーさん、今あなたの後ろにいるの」という電話で終わる。

娘を病院に連れて行く

ここ2週間ほど、娘のおしりがかぶれた状態が続いています。北京に来る前から腫れていたようで、日本で一度小児科にかかって塗り薬を処方してもらったものの改善しません。お尻ふきシートを使わず、お湯で洗って乾かすようにしてみたところ、腫れは少し引いたみたい。けれど皮が剥けてしまっている箇所もあり、心配になったので病院に連れて行くことにしました。

娘が生まれた病院です。今回は今までお世話になった小児科ではなく皮膚科にかかりました。優しそうな女医さんが診察してくれ、症状はそこまで重くないので心配しなくていいことや、日本で処方された薬はステロイドが入っているのであまり長期間使い続けない方がいいことなど、いろいろ丁寧に説明してくれました。

抗菌薬などが入った皮膚を保護する薬を処方してもらい、しばらくこれを塗って様子を見ることになりました。で、数日後にお尻の様子を写メに撮って送ってくださいと。それを見て追加の診察が必要かどうか判断しますとのことでした。オンラインでも見てくれるとは手厚いですねえ……まあ、それだけ良い診察費がかかっているわけですけど(^^;)。でも自己負担はゼロ、会社が入っている海外旅行保険のおかげです。いやあ、本当にありがたいことです。

家族でお出かけ

今日は娘を連れて、妻と3人で外出しました。向かったのはショッピングモール「SOLANA」(中国語では“蓝色港湾”)。どこに行っても暑いので、室内で過ごせるモールを選びました。

中国の配車アプリ「滴滴」(ディーディー)で車を呼び、ベビーカーはトランクに積み、私たちは後部座席に乗り込みます。娘は私の膝の上にえっとこ*1。モールに着くまで窓の外をキョロキョロしていました。北京に戻ってきてから初めての外出、興味津々なのかな。

遅めの昼食を取ろうと“萨莉亚”(サイゼリヤ)に行ったのですが、冷房の効きが悪い席に案内されてしまいました。私も妻も汗をダラダラ流したのですが、かわいそうなのが娘。髪の毛がペタッと額にくっついてしまうほど汗をかいてしまい、心配なのと申し訳ないのとで落ち着いて食事ができませんでした。

このモールはベビーグッズを販売するエリアが充実しています。日本のアカチャンホンポみたいな店と比べると品揃えはまだまだですが、それでも中国で商品がいろいろと並んでいるのを見られるのは楽しいです。今日は日曜日なこともあってたくさんの親子連れがいました。

子ども向けのおもちゃ売り場も充実しています。こちらは「トイザらス」、中国語では“玩具反斗城”と言います。この“反斗”ってどういう意味だろうとずっと思っていたんですが、広東語で「わんぱく」という意味なんだそうです。香港で『おじゃる丸』は《反斗小王子》、『トイストーリー』は《反斗奇兵》だとか。“玩具反斗城”という中国語の店名は直訳すると「おもちゃのわんぱくシティ」といったところかもしれませんね。

こうしておもちゃ売り場をウロウロすると幼い頃のワクワクした気持ちが何だか蘇ってきます。トミカ、小さい頃いっぱい持っていたなあ。中国語では“多美卡”、「トゥオメイカー」と発音します。たくさんの子どもたちがおもちゃを手に取って目を輝かせていました。

私は男の子だったので買ってもらうおもちゃと言えばトミカやテレビゲームでしたが、女の子だとやっぱりシルバニアファミリーとか?あるいはぽぽちゃんみたいな育児のまねごとができるようなおもちゃでしょうか。まだ0歳の娘はおもちゃには一瞥もくれず、ただひたすらにおしゃぶりを吸い続けるだけ。けれどいつか「お父さん、欲しいー」なんて言うようになるのかな。そんなこと言われたら、買っちゃうだろうなあ。早く成長してほしい……と思う一方で、いつまでも赤ちゃんのままでいていいよ、なんて思っちゃう自分もどこかにいます。

娘は久しぶりの外出で疲れてしまったのか、夕方ちょうど帰ろうとした頃にぐずりだしました。そうだよね、慣れない環境で暑かったよねえ。ごめんごめん。今後ぼちぼちお出かけの回数を増やして慣れていこうね。

References
*1岡山弁の幼児語で「腰掛ける」こと。
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