日本で交通カードと言えば「Suica」や「PASMO」が有名だ。
事前に切符を買う必要がないし、改札機にかざせば「ピピッ!」と一瞬で通過することができる。スマートフォンに入った「モバイルSuica」「モバイルPASMO」なんてのもあって、わざわざ自動券売機を使わなくてもオンラインで入金(チャージ)できるので、私は専らこれを使っていた。
中国にも交通カードはある。北京であれば“一卡通 ”(イーカートン)、文字の意味としては「1枚のカードで全て通じる」ってところかな。北京であれば地下鉄、バス、一部のタクシーなんかで使うことができる。日本の「モバイルSuica」などと同様、スマホにも入れられるようになっていて(私が見る限り)ほとんどの人はカードタイプではなくスマホで使っている。
これだけ見ると、あまり日本と変わらないように見える……けど、実は日本の交通カードと中国の交通カードには大きな差がある。それが原因で地下鉄の改札に行列ができることがあるのだ。そして、まさに今日そんな光景を見た。
実は「Suica」や「PASMO」など日本の交通カードと中国の交通カードでは採用している技術が違う。ひと言で言えば、日本の交通カードが採用している技術のほうが「処理速度が速い」。改札機を通るとき、ちょっとかざせば「ピピッ!」と反応してゲートが開く。けれど中国の交通カードは比べて「処理速度が遅い」。かざして、少し間があってからゲートが開くのだ。
混んでいない時間帯なら何でもない。しかし朝のラッシュ時は、この「少しの間」がくせ者になる。ホント1秒にも満たない「少しの間」かもしれないが、「塵も積もれば山となる」とはよく言ったもので、塵=「少しの間」が積もって改札機の前で渋滞が発生してしまうのだ。
ちなみに中国では交通カード以外に、QRコードで改札を通過する方法もあって、これがまたくせ者。スマホアプリで画面上にQRコードを表示させ、それを改札機に読み取らせるんだけど、立ち止まって「かざす時間」が発生するし、人によっては改札機を通過するときになってからアプリを立ち上げる人もいるのだ。こうなったら10秒近いロスになる。せっかちだなあと思われるかもしれないけど、現にこれが原因で大行列が発生しているのだ。
ちなみにJR東日本も2024年秋以降、駅の改札機でQRコードをかざして乗車できるサービスを始めるよし。おそらくコロナ禍が明けてインバウンド需要を見込んでの狙いかなあと想像もするけど、改札機の前の渋滞が日本でも起きるようになるんだろうか。せっかく「Suica」や「PASMO」みたいな技術があるのにねえ。