ふとスターバックスの店舗の前を通ると「無料です、ご自由にお取り下さい」という文字が目に入りました。何だろうと思って見てみると“咖啡渣”(コーヒーかす)でした。
コーヒーを淹れた後に出るかす、私は捨てちゃっていますが乾燥させれば脱臭剤なんかにして再利用できるんですよね。灰皿に敷き詰めて吸い殻のにおいを消臭しているのとか見たことがあります。中国の方々はこれを持って帰ってどういう使い方をするのか、ぜひ見てみたいですね。
The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.
昨日の記事にも書いた、通販サイトから届いたCDアルバムの中身が全く別物だったという問題。
今日、注文した店舗にクレームを入れました。向こうから「希望される対応はありますか」と聞かれたので「正しいディスクの在庫があるなら改めて送ってほしいし、ないなら返品したい」と伝えたところ、取り急ぎ「返金処理」をしてください、ディスクが見つかれば連絡しますと言われました。
で、私が「間違って入っていたディスクはどうすればいいんですか」と聞くと「差し上げます」とのこと。ええ、いいんですか。とは言え、別に欲しくもないディスクですけど(^^;)。中国の通販サイトはアプリのチャット機能でこういったやり取りができるのでとても便利です。日本のAmazonは確か返品処理も電話でのやり取りが必要だったような。
ちなみに私が店舗とやりとりしていて気になったのは、先方がメッセージに使う言葉です。
白色の吹き出しが店舗からのメッセージで、まず気になるのは“亲亲”。日本の漢字にすると「親親」です。“亲爱的”(親愛的)=「親愛なる人」の略で、つまりお客様のことを指しています。ただ“亲”にはキスという意味もあって、例えば“亲亲你”で「あなたにキス」になります。だから何度も“亲亲”と書かれると、まるで「チュッチュッ」と言われているように見えちゃうんです。
そして店舗側のメッセージでもうひとつ気になったのは“好哒”という表現。原義はおそらく“好的”[Hǎo de](分かりました)なんでしょうけど、それを“好哒”[Hǎo da]と言いかえています。少し発音を変えることで「分かったお☆」みたいな、可愛らしいけど、見ようによってはギャル語みたいになるんです。
つまり“好哒亲亲”で「承知しました、お客様」という意味なんでしょうけど、私には「分かったお☆チュッチュッ♡」と見えるわけです(あれ、私だけですか?)。おそらく店と客の距離を縮めたい思いから始まった表現なんでしょうけど、ねえ……このメッセージを書いている人もどうせおっさんなんでしょう?私は普通の書き方でいいじゃないかと思っちゃいますけど、どうなんでしょう(^^;)。
私が中国語を学び始めたのは今から約20年前の2002年です。中学生だった当時、2か月分の小遣いを貯めて学習本と簡単な辞書を買ったのが始まりです。
当時、中国語を学ぶ上で毎週欠かさず視聴していたのがNHK中国語会話です。講師役は当時お茶の水女子大学で教鞭を執っていた相原茂先生、生徒役は北川えりさん、アシスタント役は京劇俳優であり画家としても活動していた盧思さんでした。今のNHK中国語会話と比べたら(そもそも今は『中国語!ナビ』という番組名なんですか)多少地味な構成だったかもしれませんが、相原先生の授業を盛り上げる様々なアイデアが面白くて、中国語にのめり込む大きなきっかけになりました。
ちなみに、この番組で大変印象深く覚えているのがオープニング曲です。
出だしが“好好爱我”(ハオハオアイウオ)=「うーんと愛して」という大胆な歌詞から始まるユーロビート調の曲。当時初めて接する中国語の歌だったので、とても印象的でした。
不求你的富贵,不求你的荣华,只愿你把我珍惜。
あなたの地位なんていらない、あなたの栄華もいらない、ただ私を大切にしてくれたらいいの。
歌っているのは張薔という、80年代から90年代にかけてディスコミュージックで大ヒットした歌手です。なぜそんな時代の歌手の歌が2002年度になって採用されたのかと疑問に思っていましたが、2年前の2000年にアルバム《尽情飞扬》を出してこれがヒットしていたようです。確かにこのアルバムの中には《好好爱我》が収録されていました。
で、私は当時このアルバムが欲しかったんですよねえ。なのに日本だとどこにも売っていない。当時Amazonといった通販サイトはすでにありましたが、中国人歌手のアルバムを扱っていないんです。その後、中野ブロードウェイに中国や台湾のCDを扱っている店があると知って訪ねてみましたが、アルバムについて店主に聞くやいなや「ありません」とつっけんどんに言われたのを今も覚えています。ちなみに、このときが私の中野ブロードウェイ初訪問でした。
先日ふとそんなことを思い出し、中国の通販サイトでは今も張薔のアルバムを売っているのかしら……と検索したら、あるじゃないですか!張薔のアルバム《尽情飞扬》。掲載された商品の写真や値段から見るに中古品のようですが、それでも構いません。思わず衝動買いしてしまいました。
正真正銘の張薔のアルバム《尽情飞扬》です。おお、これこれ。私はこのアルバムが欲しくて東京中を走り回ったのです。今や動画投稿サイトに誰かがアップしてくれているので音楽自体は聴けますが、こうしてアルバムが手に入ると感慨深いものがあります。
ところが……
ケースを開けてみると、中に入っているディスクには“永恒畅销金曲”(永遠のヒットソング集)。えええーー!!!張薔のアルバムでないどころか、1曲も張薔の歌が入っていません。
うわー、やられました。まあ中古ですから、この国ではこういうことも珍しくないのかもしれませんが。とりあえず、日を改めて購入先にクレームを入れたいと思います。とほほ。
山東省の煙台に出張しました。以前、同じ山東省の青島に出張したときは高速鉄道を利用したので、今回もそうしようかなと思って調べたところ、北京から煙台って4時間以上かかるんですね。飛行機だと1時間余りだったので、おとなしく空路を利用することにしました。
日本に一時帰国したとき以来の海を見ました。目の前に広がるのは「渤海」です。この写真を撮ったのは煙台の蓬莱区という場所で、ここの海は蜃気楼がよく見られるんだそうです。
空港からタクシーで走ってきたのですが、テーマパークと思わしき施設があったり、少し奇抜な(まるでラブホテルみたいな)ホテルがあったり、不思議な空間が続きます。運転手さんに話を聞くと、このあたりの蓬莱区は海沿いのリゾート地として有名なんだそうです。ただオフシーズンということもあって不気味なほどに人がいませんでした。これが夏ならすごい人出とのこと。
この立体看板、“生命无价,酒后勿驾”と書いてあります。日本の漢字で書くと「生命無価,酒後勿駕」、つまり命に価値は付けられませんよ、酒を飲んだあとは運転してはいけませんよ、という意味です。“无价”[wújià]と“勿驾”[wùjià]で韻を踏んでいるのがおもしろいです。
ふと一緒にいた中国人の同僚が「懐かしい匂いがする」と言います。何の匂い?と聞いたら“蜂窝煤”(練炭)と。中国の地方では厨房のかまどなんかでまだ練炭を使うことがありますから、それかな。さすがに私は練炭に親しんだことのない世代ですが、同僚は私よりも年上なので小さい頃の記憶なんかを思いだしたのかもしれません。
タクシーの運転手さんに昼食におすすめの地元料理を聞いて食べに来たのが「蓬莱小麺」。写真はあらかたの客が食べ終えたあとの写真なのでガランとしていますが、私たちが入店した頃には満席でした。身なりを見るに地元の人たちのようでしたから、普段から賑わっているのかもしれません。
せっかくなので最もたくさん海鮮の具材が入っている店の看板メニュー(“招牌面”)と注文しました。いろいろ入っていましたが、私が把握できた範囲でアワビ、ベビーホタテ、ナマコ、エビ。ナマコなんてそのままの姿がドンッと入っていました。
とろみのあるスープは全く熱くありません。むしろぬるいくらいで、この店だけなのか、それとも蓬莱小麺がそういうものなのか、それはちょっと分かりません。そこに素麺みたいな麺が入っていました。海鮮の具材がそのままの姿で入っているのは少し抵抗あるかもしれませんが、味自体はあっさりしていて日本人好みです。
ちなみに仕事を終えた夜も海鮮をいただきました。仕事をご一緒した地元の方が海鮮火鍋に誘ってくれたのです。丁重にお断りしたのですが*1、山東省が故郷として知られる孔子の論語“有朋自远方来,不亦乐乎”*2を持ち出して「山東省の人間はおもてなし好きなんだから気持ちを素直に受け取って!」と強く言うものですから結局ありがたくお呼ばれすることにしました。
火鍋は最近流行りの一人一鍋スタイル。案の定、回転テーブルの上には海鮮を始め、肉、野菜、キノコなどでいっぱいに。海鮮は牡蠣、サザエ、ホタテ、あと種類は分からないものの魚の身も並び、滅多に新鮮な海鮮が食べられない北京に比べると何とも贅沢な酒席となりました。
私があまりにおいしいおいしいと海鮮を食べたもんで、周りの皆さんから「日本の方は海鮮をよく食べますもんね」と言われる始末。立派な肉も並んだのですが、不思議と海鮮ばかりに手が伸びるところ、やはり私には日本人の血が流れているんでしょうね(^^;)。
私が十数年前に北京に留学していた頃、中国の酒席で乾杯に使う酒と言えば「白酒」(パイチュー)でした。蒸留酒の一種で、アルコール度数が40~60度ほどある酒です。ツーンとした独特な香りが特徴で、これを小さいグラスに注いで「乾杯」のかけ声と共に一気に飲み干すのが定番です。ウォッカみたいな感じですね。
私は学生時代から専らビール党だったので、正直これは辛かったです。本当、どの飲み会に行っても白酒。特に北京だと「二鍋頭」(“二锅头”)という白酒が多かったですが、これが飲み慣れなくて、飲み相手がトイレに行っている間にこっそり捨てたこともありました(ごめんなさい)。最近は仕事の付き合いで中国の方と飲むことも増え、白酒にも慣れてきましたけど。
で本題なんですが、今日こんなものを飲みました。白酒味のするラテ。今年9月に中国で発売されるやいなや話題になった商品です。
カップに書いてある“酱香拿铁”という商品名、“酱香”は白酒の独特な香りを指す言葉です。“拿铁”はラテという意味ですから(「ナーティエ」と発音します)、これで「白酒味(白酒の香り)がするラテ」という意味になります。中国の高級白酒「貴州茅台酒」が大手コーヒーチェーン「ラッキンコーヒー」とコラボレーションした商品です。
一時売り切れになるほどの人気が出ましたが、私は正直全く欲しいと思いませんでした(笑)。コーヒーとバナナとか、抹茶とミルクとか、相性が良さそうならいいですけど、コーヒーと白酒は明らかに「不釣り合い」。昔、キュウリ味のペプシコーラが発売されて話題になりましたが、あれと同じでひとときの話題作りだろうという程度にしか受け止めていませんでした。
おそらく今後も飲むことはないだろうと思っていた「白酒味のラテ」。恐る恐る口にすると……んん?まあまあイケます。白酒と知って飲むから構えてしまいますが、何も知らないで飲んだらフルーティーな味のするラテとしか思わないかもしれません。原材料のミルクに高級白酒の「茅台酒」が混ぜられていて、アルコール度数は0.5%以下に抑えてあるそうです。
金には困っていないであろう国有企業の「貴州茅台酒」がこうした商品を開発した背景には、中国でも白酒を飲む若者が少なくなっているという現状があるようです。今やビールやカクテルといった「白酒以外の酒」は何でもありますからね。去年にも茅台酒入りのアイスクリームを販売して話題になっていましたが、白酒メーカーなりに若者の関心を引こうと頑張ったんだと思います。
販売から2か月が経ち、発売当初の盛り上がりは見られなくなったかなというところですが*1、これが今後若者の飲酒トレンドにどう影響を与えるのか注目してみたいと思います。
*1 | 熱しやすく冷めやすい、この国の人たちならではという感じですが。 |
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