The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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人民元でも承ります

近所のセブンイレブンに行くと、レジ裏にこんな文字が。

書いてあったのは“人民币也收”(人民元も承ります)。

どういう意味だろう。何も知らないで見ると「普通は米ドルや日本円しか受け取らないけど、ここは人民元もOKだよ」という意味に取れてしまう。でも、それはおかしい。だって人民元はもともとこの国の通貨なはずだ。

まあ、私の想像では「現金でも支払えますよ」という意味なんじゃないかな。

とにかく中国は現金を「ほとんど」使わない国になっている。日本じゃ考えられないが、スマホ決済しか対応していないという店がそこらじゅうにあるのだ。現金が支払える店でも、おつりのストックがないから「無理です」と断られることもある。

日本ではいくらキャッシュレスが進んでも「最強なのは現金」*1であり、現金主義と言われる日本人にとっては不思議に見えるだろう。中国は現金がことごとく使い物にならず、民間企業が扱うスマホ決済のほうが信用されている*2のだ。

人民币也收”(人民元も承ります)という表記を見て、ついにここまで……と思ってしまった。日本で例えるなら、国内のセブンイレブンに「日本円でも支払えます」という表記があるのと同じなのだから。

References
*1日本では現金が信用されているという事情もあるだろう。紙幣の印刷技術が高いため、偽札を掴まされることはめったにない。一方、中国の人民元には偽札が多い。実際、11年前の留学時代には何度か偽札を掴まされた。そう考えると、スマホ決済のほうが信用できる、という事情は理解できる。
*2もっとも中国政府も民間企業が伝統的な金融機関のビジネスを圧迫しながら巨額の利益をあげて独占状態を築いているのを快くは思っていないだろう。中国政府は「デジタル人民元」という仕組みをスタートさせているが、これも既存のスマホ決済の影響力を徐々に低下させていくことが理由のひとつなんじゃないかと。

実店舗を駆逐するネットショッピング

卓上コルクボードがほしいと思い、初めてネット通販を使った。

利用したのは“淘宝”(タオバオ)というサービス。よく名前は聞いていたが、使ったのは初めてだ。直接「タオバオ」から買うのではなく、出店している店や個人から買うという仕組みらしい。

昨日注文したら、もう今日届いた。思いがけずかわいい入れ物に入っている。

表面には「夢ならばどれほどよかったでしょう、未だにあなたのことを夢にみる」……レ、レモン?その下に書いてある付属品の「紙詰まり」*1も謎だ。ただ、いざ開封すると中にはきちんとしたものが入っていた。コルクボード、画鋲、カード、シール、便箋。送料は無料で、約250円。

中国は、先日ブログに書いたフードデリバリーサービスが最たる例だが、ネットショッピングで何でも配送で手に入る。一方、その勢いに押されてどの分野でも「実店舗」がどんどん少なくなっているようだ。例えば日本でコルクボードが欲しいと思ったら文房具店や雑貨屋(東急ハンズやロフト)、それに100円ショップなど、それなりに思いつく。しかし中国では?……思いつかない。中国人に「○○ってどこで買える?」と聞いたら、みんな一様に「ネットで買える」と答えるのだ。

ネットショッピングなら何でも手に入る。けれど「ショッピングする楽しみ」はないなあ。今回は「卓上に置くコルクボードがほしい」と思い立ったから購入に至ったが、店舗をふら~っと見ていて「あ、これがあったら便利そうだ」みたいなことは起きない。

日本のドン・キホーテに行ったら中国人の方もたくさんいて、買い物を楽しんでいるのにねえ。

References
*1あくまで私の想像だが、厚紙を意味する“卡纸”を自動翻訳機にかけて「紙詰まり」としてしまったのではないか。中国語の“”には「詰まる」という意味があり、確かに複合機なんかで紙が詰まったときに“卡纸”と使うことがある。

ようやく届いた

昨日ようやく引っ越し荷物を日本から中国に送る手続きを始めた。

私が日本から送った荷物には航空便と船便があり、航空便でも3日、4日はかかるかなあと思っていたら、もう今日届いたという。確かに航空便に詰めたのは衣服くらいだったので量が多いわけではないが、ひえ~こんなに速いのか。いや、でも助かる。だって前も言ったけれどスーツケースには夏服しか入れていなかったんだもの。

衣服、靴、タオル……といった、比較的軽いものばかり入っていたので、作業員の男性1人がささっと部屋に搬入したくらい。ものの数分で終わってしまった。

ここ最近は北京も朝晩が冷えるようになっていたので、秋・冬物の衣服が届いたのはありがたい。あとはスーツ類、やはり仕事には欠かせないから早めに届いて良かった。

……と思ったらだ、あらゆる衣服がも~しわくちゃ。特にスーツなどジャケット類がひどい。いや、業者を責めるわけにはいかないだろう。だって荷物は7月末に詰めたものなのだ。2か月近くも段ボールに詰められていたら、そりゃあしわもできるか。私が新型コロナウイルスに感染しなけりゃもっと早く中国に到着していたし、衣服が段ボールに入っている時間も短かったわけだからねえ。

しかし困ってしまった。うーむ、とりあえずクリーニングなんかに出そうかなあ。

厳戒態勢の北京

中国では明日から5年に1回の「中国共産党大会」が始まる。

日本だと国のことを決める最高機関といえば、まずは「国会」を思い浮かべるだろう。もちろん中国にも国会に相当するものはある*1。けれど党が国を作った中国では「国」よりも「党」のほうが上。だから中国では「中国共産党大会」が最も重要な会議なのだ。

地下鉄2号線の前門駅、改札を出ようとしたら警察官がひとりひとり身分証を確認していた。よくよく考えれば、前門駅は天安門広場に通じる駅だ。党大会が開かれる人民大会堂も天安門広場に位置するため、警備が厳しくなっているのだろう。

一方、私は中国国内で身分証代わりになるパスポートを持っていない。というのが、公安局に預けているのだ。公安局からは“回执”というパスポートの受取証明書をもらっていて、預けている間はこれがパスポート代わりになると聞いている。これで許してくれるだろうか。

私も列に並んで“回执”を見せて「今、パスポートは公安局に預けていて」と説明しようとしたら一瞥して“走了走了”(行って行って)とのこと(^^;)。ええんかい、これで(笑)。

References
*1中国では「全国人民代表大会」と言う。

温かい食事

今日も仕事がバタバタと忙しく、昼食は会社近所のセブンイレブンで済ませることに。

前にも書いたが、私の留学時代に比べて北京はセブンイレブンが増えた。それも商品のラインナップが充実した気がする。弁当、サンドイッチ、おにぎり、そして店内で淹れてくれるコーヒーや温かいおでん*1に種類豊富なデニッシュ。

もちろん日本のコンビニの充実ぶりとくらべたら「まだまだ」だけど、そこは比べてはなるまい。日本のコンビニが特別すぎるのだ。そういう意味では、北京でこれだけ充実してきたのは御の字。

中国のセブンイレブンで独特なのは、店内のデリカが豊富な点だ。種類がたくさんあって、温かい料理を目の前で弁当箱によそってくれる。

中国人には「食事はアツアツでなければならない」という原則がある。今でこそサラダや日本の刺身は受け入れられているが、数十年前の中国では「生野菜を食べたり、火を通さない生の魚を食べたりだなんて、動物じゃないんだから」と、受け付けない人が多かった。そのため日本だとスーパーやコンビニに並ぶ弁当のごはんがちょっとくらい冷めていても何とも終わらないが、中国人からすれば「作って時間のたった料理」というネガティブな印象が付きかねない。

このセブンイレブンの店内デリカは、お客さんにアツアツの料理を、それも目の前でよそってくれる*2という点で中国に根ざしたサービスなのだ。

昼どきにはコンビニだというのに、そこそこの行列が出来ていた。口頭で注目すれば店員がよそってくれる。ちなみに入れ物も何種類かあって、私は白米の上に惣菜を載せてもらった。

注文したのは“西红柿炒鸡蛋”(トマトと卵の炒め物)と“宫保鸡丁”(鶏肉とピーナッツのピリ辛炒め)。本当は“土豆炖牛肉”(ジャガイモと牛肉の煮込み)が欲しかったが無くなってしまっていた。

味はまずまずだし、白米もほかほかでおいしかった。肝心な値段を忘れてしまったが、お手頃価格だったように思う。すぐ近所のコンビニで温かい料理がこうして食べられるなら、この点については日本のコンビニより進んでいるのかもしれない。

References
*1中国でも日本の「おでん」は知られていて“熬点”(発音が『アオディエン』)とか“关东煮”(日本の漢字で「関東煮」)と呼ばれている。北京のセブンイレブンでもレジ横で提供されているが、味はやはりちょっと「中華風」。
*2中国人は「自分で見て確認したもの」しか信用しないところがあって、そういう意味でも「目の前で自分のためによそってくれる」というのは大切なポイントかもしれない。
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