The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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丁寧な暮らし

最近、ハマっているアニメがあります。

と言うと、鬼滅の刃?呪術廻戦?なんて話題の最新作を見ているように思われそうですが、いえいえ、今から30年以上も前の作品「美味しんぼ」です。

原作は雁屋哲さん、作画は花咲アキラさんの言わずとしれた日本の料理漫画の草分け的存在です。主人公は新聞社に勤める山岡士郎と栗田ゆう子。2人は会社の創立100周年事業「究極のメニュー」の記事の執筆担当に選ばれ、そのメニュー作りに取り組みながら食を通じて出会うさまざまな人の悩みを解決していきます。

アニメならではの非現実的な展開はちょこちょこあるものの、食をめぐる描写はリアリティに溢れています。特に山岡士郎が蘊蓄垂れる食材や食文化に関する知識はとても勉強になっておもしろいです。また美食家たちが私の行ったこともないような料亭や高級レストランでどんな食事を楽しんでいるのか知ることができるのも、まるで別世界を垣間見ている気分になります。

私はNetflixで見ているのですが、何とYouTubeでも無料で配信しているよし。それも人気のエピソードは常時公開なんだそうです。太っ腹ですねえ、便利な時代になりました。

もうひとつ、ドラマでも最近ハマっているものがあります。

よしながふみさんの漫画作品を西島秀俊さんと内野聖陽さんの共演でテレビドラマ化した「きのう何食べた?」。もともと深夜にひっそりと放送されていたそうですが、今では劇場版も作られるほどの人気ドラマになりました。漫画のほうは今も1か月に1回のペースで連載が続いているそうです。

ドラマで描かれるのは弁護士の筧史朗(シロさん)と美容師の矢吹賢二(ケンジ)が一緒に暮らす何気ない日常。なかでも作品の大部分を占めているのが日々の食卓です。シロさんがキッチンに立って手際よく料理を作り、ケンジと2人で向かい合って幸せそうに食事を頬張るシーンを見ると、当たり前になっている「食事」を楽しむことがいかに大切なことなのか感じさせられます。

あと私自身30代半ばに差しかかる中で、登場人物2人に親しみを覚えている……というのもあるかもしれません。シロさんとケンジは共に40代。この頃って仕事やプライベートでいろんな変化が起きるんですよね。それに時に悩みつつも、生活を楽しんでいる姿が何とも素敵です。知り合いの日常をのぞいて「うんうん、そうだよね」と相づちを打つ感じ。

「きのう何食べた?」に出てくるレシピは「美味しんぼ」みたいな大層なものではなく、どれもシンプルな家庭料理。なのにとってもおいしそうなので、思わずマネしたくなっちゃいます。例えば「ツナとトマトのぶっかけそうめん」。田中美佐子さん演じる佳代子さんのメニューで、おいしそうだったので作っちゃいました。薬味をたっぷりかけるのがポイントなんですが、残念ながらミョウガが北京では手に入らず。その代わりにシソとネギをたっぷりかけていただきました。

ここ数年、自分のハマったアニメやドラマを思い出すと、大体「料理」と関係しているんですよね。小林聡美さん主演の映画やドラマも大好きなんですが「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」なんて何度見たか分かりません。これらも料理がたくさん出てくる作品でした。とは言え私は決してグルメじゃないし、料理が得意なわけでもありません。なのになぜ料理に関係する作品を好きになるんだろう……と考えたのですが、もしかすると「丁寧な暮らし」に憧れているから、かなあ。

食事って生活の豊かさに直結していると思います。せわしない日々を送る中で充実した食生活を送るのって結構面倒です。腹を満たすだけならお総菜でもカップラーメンでも十分事足るので、ついついそうなりがち。けれど、ちょっと手間ひまかけて「丁寧な暮らし」をすると心に余裕が生まれてくるんですよね。スーパーに行けば商品棚に並ぶ野菜から季節を感じられます。何を作ろうか考え、食材を買って帰って料理を作る。できあがった料理を誰かと一緒に語らいながらいただく……これが日常の豊かさなのかもしれません。職業柄、私も忙しい日々を過ごしています。油断していると食事はどんどん簡素になり、家の中がハムスターの巣みたいになっていく(笑)。だから料理に関するアニメやドラマを見ると「丁寧な暮らし」の大切さを思い出させてくれるような気がするんですよね。

んなことを言っていたら、何だか無印良品の宣伝文句みたいになってしまいました……って、だから私、無印良品が好きなのかな(笑)。だって昨日、無印良品に行ったばかりじゃないのよ(^^;)。何だか我ながら繋がったような気がします。

月に代わっておしおきよ

ふと会社近くに止まっていた電動バイク。

カタカナで「セーラームーン」と書いてありました。そうそう、中国でもセーラームーンは人気があって……と思いきや、よく見ると“美少女壮士”。あれれ、ここは“美少女战士”(美少女戦士)じゃないの?まあ、中国ではこういう「っぽいもの」を見かけることは珍しくありません。

ちなみにセーラームーンの有名なセリフ「月に代わっておしおきよ」は中国版では“代表月亮消灭你们”と言います。直訳すると「月を代表してあなたたちを消滅させるわ」と言ったところでしょうか。台湾版はまた違って“我要代替月亮懲罰你”。訳すと「月に代わってあなたを懲らしめるわよ」で、こちらのほうが日本語のニュアンスに近いかもしれませんね。

日本と中国のクレヨンしんちゃん

私のマンション近くのショッピングモールにお茶屋さん「奈雪の茶」があるんですが、今日前を通るとクレヨンしんちゃんの看板が並んでいるのに気付きました。

中国では11月25日に映画「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~」が公開されるので、それとタイアップした企画なんだと思います。ちなみに中国語タイトルは《蜡笔小新:新次元!超能力大决战》。中国語で「クレヨンしんちゃん」というのは“蜡笔”(蝋の筆=クレヨン)に“小新”(小さい新=しんちゃん)なんですね。この映画、日本では今年8月に公開されました。

ちなみに私も小さい頃はクレヨンしんちゃんが大好きでした。ただ原作者の臼井儀人さんが亡くなってからあまり面白くなくなっちゃったかなと感じます。あと声優もたくさん代わっちゃって馴染みがなくなったというのもあるかもしれませんね。今回の映画も3Dという新たな試みと努力は認めますが、往年のクレヨンしんちゃんではなくなっちゃった感があり、正直関心は持っていませんでした(エラソですみません)。

ただ、この映画が中国で公開されるに当たり、最近SNSなどインターネット上でとある指摘が相次いでいることに気付きました。

これ、映画の予告編映像のようです。上側は“原版预告”(オリジナルの予告編)、つまり日本で上映されたもの。下側は“内地预告”(中国大陸の予告編)なんだそう。オリジナル版のしんちゃんはブラジャーを目に付けていますが、中国大陸版はアイマスクに変わっています。

つまり、中国での上映に当たってブラジャーは許されなかったということですね。このX(旧ツイッター)のポストには“这可是蜡笔小新啊,有这个必要吗?”(だってこれ、クレヨンしんちゃんだよ。そんな必要ある?)と書いています。うーん、私もそう思います。確かに中国は政府の検閲を通った映画しか上映が許されず、例えば政治的な描写で意に添わないものがあればカットするか、あるいは上映そのものが許されません。そういう理由なら分かるけど……これ、ブラジャーでしょ(笑)。そのくらいのことで……って思っちゃう私が変なのかなあ。

でも日本のクレヨンしんちゃんだって以前に比べるとずいぶん「マイルド」な表現になりました。しんちゃんがおしりを出して踊るようなシーンも少なくなっているよし。確かに以前はPTAの「子どもに見せたくないアニメ」ランキングで上位の常連でした。でも「見せたいアニメ」のランキングでも上位だったんですよね、しんちゃんって。

私自身はクレヨンしんちゃんという作品から学ばせてもらったことも多いと思うし、しんちゃんの「ケツだけ星人」や「半ケツフラダンス」なんかも嫌というほど見てきました。けど、何とか「普通」な大人にはなれたつもりだと思っていますが(笑)それでもダメなんですかねえ。賛否両論があることは分かっていますが、ちょっと寂しいというか、不自由というか、そんな感じがします。でもまあ、中国が「表現描写の変更を要求するシーン」があっただけ、まだ今のクレヨンしんちゃんにも古き良き部分が残っていると信じたいですね。

Netflix版「ワンピース」

今日の話ではなくて恐縮なのですが、先日Netflixで配信の始まった実写版「ONE PIECE」を見ました。日本の漫画史上最高の発行部数を誇る尾田栄一郎氏の同名コミックを実写化した作品です。

ONE PIECE | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
麦わらの一味とともにいざ、大海原へ! 若き海賊モンキー・D・ルフィは、ひとつなぎの大秘宝を求めて冒険の旅へとこぎ出していく。国民的人気漫画を実写化。

最初に白状しておくと、私は継続的に漫画「ワンピース」を読んでいた人間ではありません。高校時代でしょうか、弟が集めていた漫画を読ませてもらった記憶はあります。当時出版されていた漫画全巻を読みましたが、今や細かいストーリーまでは忘れてしまいました。1999年に放送が始まったアニメ版も第1話を見たことは覚えていますが(確か小学4年生でした)それっきりです。

そんな言い訳をした上で、ですが、それなりに楽しめました。逆に私くらいの「理解度」のほうが楽しめるんじゃないかとも思いました。まだ第1話しか見ていませんが、すでにゾロとナミが仲間に入りました(漫画版ではもっと時間をかけて仲間になるんですよね)。原作ファンにとっては「展開が早すぎる」と感じるかもしませんし、逆に「ワンピース」を全く知らない人からすれば「ゾロ?ナミ?誰?」と思ってしまうかもしれません。私くらいの理解度があり、けど適度にストーリーが分かっていないくらいが(笑)テンポ良く楽しめるのかなと感じました。

ちなみに私は英語で見たんですけど、日本語の吹き替えはアニメ版と同じ声優さんが担当しているんですね。これ、日本人だからこそ楽しめるポイントかもしれません。英語も味があって良かったですが、またぜひ日本語でも見てみたいと思います。

THE FIRST SLAM DUNK

今日は機会あって、中国で今月20日から公開される「スラムダンク」の最新映画の先行上映イベントに行ってきました。原作者の井上雄彦氏が監督・脚本を手がけた『THE FIRST SLAM DUNK』、日本では去年12月に公開された作品です。

中国の人と付き合いがある方なら分かっていただけると思うんですけど、中国の、特に30代から40代の人たちが「スラムダンク」にかける熱情って計り知れないものがあるんですよね。私が中国語を学びたての頃、よく中国人から「インムーホワタオ」と言われたのを覚えています。はじめは何を言っているのか分からず、尋ねると「サクラの木で、花の道だよ」と答えるのでますます混乱していたところ、紙に“樱木花道”と書いてもらって判明。ああ「桜木花道」だったのね、と(^^;)*1

中国では知らない人はいないと言えるほど「スラムダンク」が人気です。にもかかわらず、私はバスケットボールはおろかスポーツ全般に興味がない人間で、漫画「スラムダンク」も読んだことがありません。アニメのほうの主題歌くらいは知っていますが、そのくらいなんですよね。そんな私が先行上映イベントに行くんですから、ファンの皆さんには申し訳ない思いです。

作品の背景やストーリー、登場人物もろくに知らずに鑑賞したのですが、いやあ、すごかったです。まず絵がすごい。あれはCGになんですよね?でも原作者の井上雄彦さんの絵が「動いている」という感じ、全く違和感がありません。一方、試合シーンはまるで実写映像を見ているかのようにリアル。思わず手に汗握り、前のめりになってしまうほどでした。

「スラムダンク」を見ていない人間が言えた口ではないですけど、私でさえ感動したくらいですから長年のファンはたまらなかったでしょうね。とにかく劇中はすごい盛り上がりようで、まるでバスケットボールの試合を観戦しているかのようでした。彼らと同じ空間で鑑賞できたことも、とても幸せだったかもしれません。

ちなみに今日上映されたのは中国語吹き替え版でした。1990年代に中国で「スラムダンク」のテレビアニメが放送された際も吹き替え版だったので、当時のファンには中国語を話している桜木花道たちのほうが「聞き慣れている」から、という理由のようです。

調べると日本語版は声優がテレビアニメ版から総入れ替えなんですね。中国語版のほうは桜木花道や流川楓など一部のキャラクターはテレビアニメ版と同じ声優が担当したようです。

今日は上映後に吹き替えを担当した声優たちが登壇しました。桜木花道の吹き替えを担当した于正昇氏が“我是个天才!”と有名なセリフを披露すると会場がひとしきり沸いていました。これ、日本語版だと「天才ですから」ってセリフですよね。私もこのくらいなら知っています。当時テレビでよく聞いたセリフが当時と同じ声で聞けるっていうのはうれしいだろうなと思います。

ネットメディアの記事によると、日本語版の声優総入れ替えは一部ファンから批判が上がっているよし。私みたいにテレビアニメ版を見ていない人間は構わないですけど、思い入れのあるファンには不満があるかもしれませんね。

吹き替えは吹き替えでいろいろ発見があって楽しめましたが中国語の聞き取りに100%の自信が持てず、正式に公開されたらぜひ日本語オリジナル版を鑑賞しに行きたいと思います。

References
*1中国で日本人の名前は「中国語の発音で読む」ことになっているので、例えば大山さんは「オオヤマ」ではなく「ダーシャン」ですし、佐藤さんは「サトウ」ではなく「ズオトン」。それだけに中国語で日本人の名前を発音されても、一瞬「?」となってしまうことが多いのです。

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