気が付けば今日は7月1日、もう2024年の下半期です。
私の好きな漫画家・イラストレーター、わたせせいぞうさん。毎年わたせさんのカレンダーを買っていて、2か月ごとにめくるのを楽しみにしています。今月から新しいページに変わりました。7月、8月は夏ということで描かれているのは真っ青な海と空。わたせさんの絵は空の描写が独特で、これぞわたせワールド!と言わんばかりのページです。
The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.
今日は北京最大の海鮮市場「京深海鮮市場」に行きました。
北京に暮らしていて残念なのは海鮮が手軽に手に入らないことです。日本はさすが島国で、大体のスーパーに海鮮は並んでいますよね。北京のスーパーに行くと、まあ無いことはないんですが、種類は少ないし何より値段が高い。私は肉より魚のほうが好きなので結構寂しいです。日本にいた頃はスーパーの商品が半額になる時間を見計らって、よく晩酌のあてに刺身を買っていたなあ。
妻が北京在住の日本人の方が書いているブログでこの海鮮市場を書いている記事を見つけ「魚好きなんだし行ってみたら」と進めてくれました。この市場、中心部から見るとやや南寄りで結構遠い……のですが、聞くと北京の日本料理店もここで仕入れをするくらいの規模だそう。物見遊山だと思い、行ってみることにしました。
地下鉄10号線の石榴荘駅から徒歩10分くらいで着きました。中に入ると結構広くて、10万平方メートルあるんだそうです。かつての築地市場が23万平方メートルだそうで、その半分くらいの規模ということでしょうか。
いわゆる市場です。業者向け?みたいな感じで、私みたいな個人がのこのこやってきて相手をしてもらえるのかしらん……
建物の中に入ると、こうして水槽がたくさん並んでいます。
魚、エビ、カニ、貝、何でもあって確かに種類は豊富です。このあたりの海鮮は量り売りなので、中国語がある程度できないと店員とのやり取りは難しいかもしれません。それぞれ単価が決まっていて、次に重さを量ってもらい、何グラムだからいくら……と売買されます。中国では日本と違う重さの単位が使われることがあり、加えてこういう市場で働く方は中国語が訛っていることも多く、難易度が高いんですよね。
帰宅してから知ったのですが、ここ「京深海鮮市場」は客をだまそうとする店もあるとのこと。素人は秤の読み方が分からないのをいいことに細工を仕掛けたり、重さを量るときに氷を入れてかさ増ししたりといった話があるそうです。
それでも値札を見ると、良心的な値段だと思います。大量買いしたいところですが家まで持って帰る手間を考えると、ちょっと尻込みしちゃいますね。
もっとすごい賑わいかと思ったら結構静かです。私が午後に行ったからかな。午前中、それも早い時間だともっと賑わっているのかもしれません。気だるい雰囲気が漂い、店員さんたちが暇そうにスマートフォンをつついていました。ちなみにこの建物の3階にはレストランがあって、ここの水槽で買った海鮮を持って行くとその場で調理してくれるんだそうです。
市場にはこうした小さい店もたくさんあって、こちらでは加工された海鮮が売られています。加工というのは、生ではなく冷凍された海鮮などです。おそらく相当な数の日本料理店がこの市場に頼っているようで「日本食材」を謳った店がたくさんありました。中に入ると冷凍マグロ、冷凍アジ、あとは明太子といった日本ではおなじみ、けれど中国料理ではあまり食べられない海鮮が売っていました。みりんや本だしといった日本の調味料がビッグサイズで売っていて、こちらは業務用なんでしょうね。
冷凍アジが1尾13元(約280円)だったので3尾買っちゃいました。市内のスーパー価格と比べれば相当安いと思います。あと納豆も3パック1つで7元(約160円)。中国産だったので味はどうか分かりませんが、これもスーパーで売っている日本産納豆に比べると安いです。
この日の晩酌です。市場で買ったサーモンの刺身はこれだけの量が入って75元(約1600円)でした。おそらく日本料理店で75元だとせいぜい6切れくらいじゃないかしらん。新鮮だし、日本の基準から言ってもお得なんじゃないかと思います。とても今日だけじゃ食べきれないので、明日はサーモン丼でも作ろうかと思います。
今日は土曜日ですが休日当番だったので仕事。退勤の際に職場に出て来ていた先輩から夕食に誘われたため、ご一緒しました。
こういうときに何を食べに行くか、お酒を飲む人かどうかで全然変わってきますよね。私は自他ともに認める「飲兵衛」なので、まず居酒屋になると思います(笑)。ただ今日誘ってくれた先輩はお酒を飲まない方なので職場近くのハンバーガーを食べに行くことになりました。
建国門にある“街旁”というハンバーガーショップに行きました。“街旁”は「わき道」という意味で、英語の店名は「サイドストリート」というようです。好きなアボカドがたっぷり入ったハンバーガーを注文。びっくりするような大きさのハンバーガーが出てきました。これで78元(約1700円)、まあまあの値段です。とてもかぶりつけないのでナイフで半分に切っていただきました。
ハンバーガーなんて久しぶり。パテが分厚く、ジューシーでおいしいです。しかし、夜にハンバーガーを食べるなんて飲兵衛には思いつかないことです。だってハンバーガーなんて食べちゃうとお腹いっぱいになってお酒が飲めないもの!なんて考える私は、やはり飲兵衛なんですね。
先日、中国東部の江蘇省蘇州で日本人の親子が刃物を持った男に襲われた事件で、男を止めようとして刺されて治療を受けていた中国人の女性が亡くなりました。
地元警察のホームページによると亡くなった女性は胡友平さん。上のリンク先には胡さんの顔写真も掲載されていました。そして事件当時の様子も説明されています。
6月24日16时许,胡友平在苏州高新区塔园路新地中心公交站台发现有人持刀行凶,立即奋不顾身上前阻止,被犯罪嫌疑人连捅数刀,经抢救无效不幸离世。胡友平在他人面临严重生命威胁时,不顾个人安危,挺身而出,勇于同违法犯罪行为作斗争,避免更多人遭受伤害,展现出英勇无畏、匡扶正义的崇高品质,有力弘扬了社会正气。
6月24日16時頃、胡友平さんは蘇州高新区塔園路にある「新地中心」バス停で刃物を持った人物が暴れているのを見つけ、身を挺して阻止しようとしたが、犯人に数回刺され、救命の甲斐なく亡くなった。胡友平さんは他人の命が脅かされている状況に直面し、自らの危険を顧みずに立ち向かった。そして違法な犯罪行為に対して勇敢に戦い、負傷者が拡大するのを防いだ。彼女のふるまいは勇敢で正義感のある高い資質を示すもので、社会の正義を力強く発揚した。
目撃者の話によると、犯人の男はスクールバスに乗り込もうとしたとのこと。もし胡さんが止めてくれなければバスに乗っていた日本人学校の子どもたちへ被害が広がったとみられています。胡さんが身を挺して子どもたちを守ってくれたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。何とか持ちこたえてくれたらと祈っていたのですが……本当に残念なことです。
犯人がスクールバスを襲った動機は明らかになっていません。日本人を狙ったものかどうかも分かりません。けれど胡さんは命を懸けて日本人を守ろうとした中国人がいることを知らしめてくれました。北京の日本大使館は胡さんを追悼するコメントを出し、この中で「彼女の勇気と善意が大多数の中国国民を代表するものだと信じています」と書いていました。私もそう信じています。
日本では再生回数を稼ぐことが目的の迷惑系YouTuberが何かと話題になります。実は中国も同じで、過激な行為に走って注目を集めようとしている一部の動画配信者がたびたび問題になります。で、これが日本と無関係ではないのです。と言うのが、日本を叩けば中国では結構な再生回数に繋がるからです。少し前に中国人男性が靖国神社で放尿するような仕草をしたり落書きをしたりする様子を撮影した動画が注目を集めました。あれなんかまさに「日本を叩けば再生回数に繋がる」と考えた迷惑系動画配信者です。
この動画配信者は“铁头”(鉄頭)というアカウント名を名乗る、中国ではそこそこ知られているインフルエンサーです。ただ中国国内でも「お騒がせ」な動画配信が多いようで賛否は分かれていて、私の周りの中国人は「全く賛同できない」「軽蔑する」なんて批判する人がほとんどです。けれど面白がる人は一定数いるようで、特に日本批判の動画は「英雄だ」「よくやった」なんて言う人がいるのも事実です。このように日本批判は彼らにとって、一番安全で、低コストで、知名度を高めやすく、SNSのフォロワー数を増やすためにもっとも効果的で便利なツールです。
スクールバスを襲った事件の直後、中国国内のインターネット上では日本人襲撃を称賛する声がみられました。けれど今回の胡さんの死をきっかけに中国のインターネット上では流れが変わったように思います。日本なら叩いても良いという認識は誤っているというコメントが広がっているからです。
今回の事件は日本人の親子が巻き込まれたとはいえ、結局は「刺したのも中国人、亡くなったのも中国人」です。私の中国人の知り合いはSNS上に「日本批判に忙しい迷惑系の動画配信者たちは自分たちの利益のために同胞の命や安全を犠牲にし、我が国が長年築き上げてきた国際的なイメージを損なっている。このような人々は100年前なら売国奴と呼ばれただろう。現在でも厳しく取り締まり、厳罰に処すべきだ」と書いていました。
日本も他人事ではありません。今回の東京都知事選を見てみると本気で当選するつもりがあるのか疑問に思う候補者が何と多いことでしょう。政見放送といい、ポスターといい、選挙を侮辱しているようにしか思えません。知名度を向上させるために目立ちたいだけ……とみられる候補者もいて、これでは中国で再生回数を稼ぐために日本を批判する迷惑系の動画配信者と何ら変わりません。
今回の胡友平さんの死をきっかけに、中国の人たちだけでなく、私たち日本人も一度立ち止まって考え直す必要があるんじゃないかと思います。
中国の無人の月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側で採取した岩石などのサンプルを収めたカプセルがおととい地球に帰ってきました。本当にカプセルに岩石が入っているか確認できれば、世界で始めてだということです。
え、月の岩石だったらアポロが50年以上も前に地球に持って帰って来たんじゃないの?なんで世界初なの?と思われるかもしれません。今回は何が世界初なのかというと「月の裏側」の岩石を採取してきたという点です。月の裏側は地球からの電波が届かず、直接通信するのが難しいのだそう。これまで月の裏側の岩石が採取されたことはありませんでした。
中国の宇宙技術がすごいスピードで進歩しているのを見るにつけ、かつて中国が開発した人型二足歩行ロボット「先行者」を思い出します。
2000年に中国が独自の技術で開発したロボットです。そのユニークな見た目に加え、当時日本ではすでにアシモが開発されていたことも相まって、相当なネタとして扱われました。つまり「馬鹿にしていた」ということです。けれどこれから20年が経ち、日本が中国を笑っている間に彼らは月の裏側に探査機を送るようにまでなってしまいました。まさに「先行」されたわけです。
もちろん、これを単に「アリとキリギリス」のお話のようには捉えることはできません。中国共産党一党独裁の下で資本主義を推し進める強みがここにあります。ましてや14億人の人口を抱える中国、優秀な人材も日本の14倍いると考えたほうがいいでしょう。
一方でずっと解せないことがあります。月に探査機を送る技術を持っていながら中国には「驚くほど雑」なことが多すぎる。この写真は私が今日目にした排水溝工事の様子ですが、レンガの並べ方といい、コンクリートの塗り方といい、あまりにも雑。
中国の街なかを歩いていると歩道のブロックが剥がれてぼろぼろ……なんてところが多いです。私が住んでいる家だってそう。立て付けが悪くて扉が閉まらない。エアコンは何度修理してもダメ。床のタイルが割れて剥がれる。そういうことが多すぎるのです。
何でかなあ……と考えたのですが、今のところ私の出した答えは「中国は『すげー』と思ってもらえることしか頑張りたくない」、そういうことなのかなと思っています。
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