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The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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マンションに陽性者が確認されました

今日の北京は驚くほど寒い。それも突然だ。天気予報を見てみると、最高気温でもマイナス5度で、最低気温に至ってはマイナス9度だ。もちろん留学時代に北京の冬は経験しているけれど、それでも「不意を突かれた」感じ。職場の中国人スタッフに「今日はびっくりするほど寒いですね」と話したら「これが正常です」と返されてしまった。

昨日、マンションから通知が届いて以降、今日の日中に新たなメッセージが届いた。

当マンションにて新型コロナウイルス感染者が確認されました。感染の蔓延を抑え込むため、全ての皆様に健康観察を実施していただきます。発熱、咳、倦怠感、味覚や嗅覚の異常、鼻づまり、鼻水、結膜炎、体の痛み、下痢といった症状が出た方は、すぐにフロントまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。

なんと、うちのマンションの住民が陽性だったのだ。これで私が今日帰宅したら、当分出られなくなるのだろうか。そもそも「健康観察」って何だ。マンションのフロントに電話をした。

すると「いつも通り過ごし、いつも通りPCR検査を受けていただければ結構です」と言う。「自由に出られるのですか、明日の出勤は問題ないんですか」と聞くと「はい、構いません」とのこと。思わずあっけにとられてしまった。よそでは1人感染者が出るだけで、広いエリアをまるまる封鎖する場所もあるというのに。週末の抗議活動を受けて、少し緩和されたのだろうか。

帰宅すると「小藍」が今日も出迎えてくれた。

この「小藍」、当局の防疫部門から派遣された人なのかと思っていたが、よく見てみるとうちのマンションのスタッフさんだ。昨日の方には少々ぶっきらぼうな態度をしてしまったかもしれない。ごめんなさい。私が「今日はとても寒いですね、どうもご苦労様です」と話しかけると「とんでもないです、お帰りなさいませ」と笑顔で答えてくれた。

感染者が出ても、どこまで封鎖するのかは場所によって基準が違うのだろう。私のところは緩く、逆に厳しいところはとても厳しいんだろうなあ。中央の「ゼロコロナ」政策の意向を受け、末端が勝手にいろいろ厳しくして規制に規制が重なる……まさに“层层加码*1だ。

明日も仕事には影響ないということでホッとはしたものの、そうでない人もいることを思うと何とも言えぬ複雑な気持ちになる。

References
*1ある政策や規則を実行する際に、規制が幾重にも重なって厳しくなること。

自宅に現れた「小藍」

職場にいたところ、住んでいるマンションからメッセージが届いた。

当マンション居住者のPCR検査の結果に「異常」が確認され、現在確認作業を行っております。これに伴い○階の連絡通路は封鎖措置となりました。慌てることなく、ご自宅にて最新情報をお待ちいただきますようお願い申し上げます。

PCR検査結果の「異常」とは何か。

現在、中国ではPCR検査を「十混一」という方法で行っている。毎日膨大な人がPCR検査を受けていて費用面がばかにならないため、10人の検体を1つにまとめて検査しているのだ。

10人みんなが陰性なら問題ない。しかし陽性となれば問題は別……というのが10人のうち誰が陽性か分からないからだ。この場合、10人の検査結果に「異常」が表示されることになっている。「異常」と表示された10人は追加検査を受けることになる。

このマンションの通知を見るに、住民に「異常」が表示された人がいるということだ。その人が陰性だったら問題ないが、まずいのは陽性だったとき。おそらく私のマンションも封鎖になってしまうだろう。そもそも今の段階で帰宅しても大丈夫なのだろうか。もしや“只进不出”(入ることはできるが、出ることはできない)なんてことにはならないか。

いざ帰宅すると、いつもは人がいない場所に「小藍」*1がいた。いよいよ「入ったら出られませんよ」なんて脅されるのかと思ったが、何も言われず。

エレベーターに乗ると、水をぶちまけたかのように濡れていた。おそらく消毒液をまいたのだろう。私が留守の間に部屋の中まで入られて何かまかれていたらと心配したが、それはなかった。

明日は無事に出勤できるのだろうか。ご自宅にて最新情報をお待ちいただきますよう……ったって、いつまで待てば良いのだろう。何も言われていないから、今はまだ出られるんだろうけど。

いよいよ自分の目の前まで迫ってきている感じがする。

References
*1中国では青い防護服を着た人たちのことを「小藍」(シャオラン)という愛称で呼んでいる。ちなみに白い防護服を着た人たちは「大白」(ターパイ)。

「ゼロコロナ」政策の限界

昼間、ツイッターを見ていると上海で行われているらしい抗議活動の映像がぽつぽつ流れてきた。中国政府の「ゼロコロナ」政策*1に異を唱える人たちの集まりのようだ。

ここ数日、中国では新型コロナウイルスの感染者が過去最多を更新し続けている。陽性者が1人でも確認されると、その人が住んでいるマンションは1棟まるまる封鎖されるなど厳しい措置がとられている。特に上海は今年春に厳しい外出制限を経験していることもあって、市民は当時の記憶がフラッシュバックするのだろう。

しかし、抗議活動の様子がどうやらおかしい。どんどんエスカレートし、人々は「ゼロコロナ」政策だけでなく、政府にまで批判の矛先を向け始めているのだ。中国では厳しい言論統制が敷かれていて、これだけ大勢の人が街なかで政府を批判するなんて聞いたことがない。

そして、抗議活動は果たして北京でも起きた。

場所は日本大使館や日本人学校があることから日本人も多く住む「亮馬橋」だ。上海のように政府批判こそ起きなかったものの、深夜にもかかわらず数百人という人が集まって政府の「ゼロコロナ」政策に異を唱えた。政府のお膝元である北京でこうした抗議活動が起きるのは極めて異例だ。

それだけ人々の生活が限界に達しつつあるのだろう。

これまでの中国で「民主化」は最大の関心事になりえなかった。だって「民主化」しなくても、中国は発展できたんだもの。むしろ民主的に政府を選んでいるアメリカや日本のほうが経済は停滞し、それを見て「共産党のほうが良いのかも」と思う中国人がいたとしても無理はない。

確かに共産党の一党支配のもとで、窮屈に感じる場面はあるかもしれない。しかし、この国で声を上げれば多くを失う。牢屋で冷たいごはんを食べるくらいなら、少しくらい不自由でも自分の家で温かいごはんを食べたい、多くはそちらを選ぶだろう。みんなまず自分の暮らしが一番大切なのだ。

しかし新型コロナウイルスが全てを変えてしまった。

仕事を失い、金を失い、なかには大切な誰かを失った人もいる。当初は本当にウイルスが原因だったかもしれない。しかし今は「ゼロコロナ」政策による弊害のほうが圧倒的に大きいのだ。自分暮らしが保障されなくなった今、批判の矛先が政府に向かうのは想像に難くない。

今回の出来事を目の当たりにして、中国の人々の底力を見たような思いがした。私も同じ環境下に暮らしているから彼らの気持ちはよく分かる。しかしいざとなれば逃げ帰る国がある私とは立場がまるで違う。彼らは決死の覚悟なのだ。とても「分かる」なんて言ってはいけないような気がした。

中国政府が「ゼロコロナ」政策をやめることはないだろう。これだけ「看板政策」として掲げてきた以上、突然やめたら示しが付かないからだ。その一方で、政策が続けられる限り、人々の不満や憤りはマグマのようにたまっていくだろう。

References
*1厳しい行動制限を伴い、徹底的に感染を抑え込む中国政府の新型コロナウイルス対策。

越光米

先日購入した米が残りわずかになってきたので、同じものを再度購入し配送してもらおうとしたところ当時利用した店舗が臨時休業していた。感染防止対策で今はどこも店を閉めているもんなあ。仕方ないので営業している別店舗で探してみることに。

見つけたのが「越光米」という商品名の米。前回とは違う商品だ。名前だけ見れば「コシヒカリ」だが、本当にそうなのだろうか。まあ、違ったとしても米は米だし……と、購入してみた。

届いたのがこちら。遼寧省の丹東*1で生産されたらしい。大きな字で「越光米」と書いてあるが、不安なのは「日本」という文字がどこにも書かれていないことだ。前に購入した米は「中国産の、日本のコシヒカリ品種」とはっきり書かれていた。

味は果たしてどうだろう。また追って報告いたします、はい。

 

References
*1中国東北部に位置し、北朝鮮との国境沿いの街として知られている。

嗚呼、恋しき海産物

北京に来てから食事にはあまり困っていないが、恋しいのが海産物。日本にいた頃はスーパーで商品が半額になる時間を見計らって刺身をよく買っていた。しらすなんかも好きで、大根おろしと和えて醤油で食べたり、千切りにした大葉と一緒にしらす丼にしたり。あとは牡蠣……香川で働いていた頃はよく食べ放題の牡蠣小屋に行ったなあ。

閑話休題。

北京は内陸なこともあって海産物が高い。この前、近所のスーパーでサーモンの刺身を見たときは、ほんの5切れで1500円近かった。日本が海に囲まれた島国で、海産物に恵まれていたんだなあと思う瞬間だ。夕食を前にフードデリバリーで海鮮を調べてみると、近所に牡蠣を扱う店を発見。今日は金曜日だし、ちょっと値は張るけど1週間頑張った自分へのご褒美だと思い注文してみた。

牡蠣が10個入って108元(約2000円)だが、フードデリバリーでは割引が入って62元(約1200円)。中国ではなぜか店内価格よりフードデリバリーのほうが安くなることが多い。

これ以外に羊肉の串焼きなどを頼み、合計92元(約1800円)。なぜか牡蠣の正規価格より安くなるから不思議なのだが、まあ、居酒屋で消費する額を考えればこんなものだろう。

肝心な牡蠣は小さい身だったけど(笑)久しぶりに海産物を食べ、まさに“口福*1を味わった。冷やしていたビールとともにNetflixを視聴。こんな金曜日が大好きだ。

References
*1食事による幸せのこと。

増えつつある封鎖

職場の日本人・中国人スタッフで作るWeChatグループが夜になってから騒がしい。

いずれも「自分の住んでいる団地が封鎖になりそう」という連絡だった。ある人は「明日から3日間封鎖」、別の人は「明日の午後0時から封鎖が始まり、終了日は知らされていない」と言う。そう言えば日本人の先輩も「営業しているうちにスーパーで食料を買い込んでおきます」と言って、今日はそそくさと退勤していたなあ。

私の住んでいるマンションは封鎖こそ聞いていないものの、今まで72時間以内のPCR検査の陰性証明を提示すれば入れたところ、昨日からは48時間以内に改められた。

1日の感染者数も今日の発表で過去最多を更新したようだし、もう少し真剣に備えて置いたほうがいいかもしれないなあ。

勤労に感謝する日

朝から通常通り働いていたところ、ふと日本のニュースを見ると「ゆるい」。ラインナップがまるで週末のようなニュースばかりだ。はて?とカレンダーを見てみると、果たして日本は祝日だった。オフィスの自席で「あー、日本は祝日なのかー」とひとりごちると、隣に座る先輩が「そうだよ、勤労感謝の日だよ。祝日も働いている自分たちに感謝しないと」と粋なひと言をくれた。

だったらば、ということで少し早めに仕事を切り上げ、夜は上司のご自宅にお招きいただきいただいた。会社の位置する朝陽区は新型コロナウイルスの感染が北京で最も多く確認されていて、飲食店も店内飲食が禁止されている。そのため、家に集まって飲みましょうという算段だ。

上司のご自宅までオフィスから徒歩で20分あまりかけて向かった。

ありがたいことに、日本料理店の出前を取って下さっていた。その名も「ワールドカップ応援セット」。たこ焼きや唐揚げが入っていて、これを食べながらワールドカップを観戦して下さいというメニューらしい。商魂たくましいなあ。そもそも中国でのワールドカップの盛り上がり様はすごい。だって中国代表は出場していないんだよ。みんな本当にサッカーが好きなんだなあ。

料理のほかビールやワインも用意していただき、至れり尽くせりだった。一応、中国中央テレビのスポーツチャンネルで日本対ドイツの試合も見つつ、料理や酒に舌鼓を打った。話に盛り上がりつつ、サッカーで日本がゴールを決めたときだけ「おおお!」なんて叫んで、都合の良いところだけワールドカップ気分も楽しんだ。

ワインを2本空け、最後には焼酎までいただいてしまった。日本代表も勝利を収めたし、とても気持ちの良い夜だった。まだ水曜日だけど、日本は祝日だったんだしこのくらい許してください。

治安維持

バスや地下鉄に乗っていると、私が留学していた11年前には見なかった人を見るようになった。「乗務管理員」という人だ。

大概、黒い服に赤い帽子をかぶっている。「乗務管理員」と書かれた腕章を付け、バスなら1台に1人、地下鉄でも2車両に1人くらいはいるのではないか。鼻出しマスクをしている人がいようものなら、目ざとく見つけて「マスクをきちんと着けろ!」と注意をする。

周りの中国人に聞くと「乗務管理員」は5年ほど前から現れたらしい。主な業務は“维稳”……車内秩序を保つ、と言えば聞こえはいいが、つまりは政権・社会の安定を保つための治安維持だ。その割にはたまに高圧的な「乗務管理員」を見かけることもあるけど……

ちなみに今日、地下鉄に乗っていると大音量を流しながらスマートフォンで映像を楽しむ男性がいた。北京の地下鉄ではいつも“请勿外放声音”(スピーカーから音を流さないでください)と車内放送が流れるが、決して珍しい光景ではない。あまりにうるさかったので乗務管理員が注意してくれるのかと思ったら……そこはスルー。これは車内秩序じゃないのね(^^;)。

久しぶりの王府井

仕事で北京中心部の繁華街、王府井(ワンフーチン)に行ってきた。

高級デパートが建ち並んでいるので日本人からは「北京の銀座」と呼ばれたり、かつて有名なオーストラリア人記者がここに住んでいたことから、その名前にちなんで「モリソンストリート」と呼ばれたりするらしい。王府井という地名そのものは、王府の井戸がここに存在したからだそう。

歩行者天国になっていて、いつもならたくさんの人出で賑わっているが、今日は閑散としていた。

高校生の頃に初めて旅行で北京を訪れた際はフリーの時間を使って訪れた王府井も、留学時代は数えるほどしか来たことがない。あまり自分好みの店が少ないのと、そもそも王府井は地方から北京に観光に来た人たちが「おのぼりさん気分」を味わう場所といった側面もあって普段使いするような店も少ない。北京の出入りが厳しい今はなおさら閑古鳥が鳴いている状態だ。

中国初の近代デパートとされる「北京市百貨大楼」もこんな感じ。店舗によってはテープが張られ、入れないようになっていた。客より従業員のほうが圧倒的に多かった。

会社近くの飲食店にはビックリマークの書かれた大きな紙が貼られていた。

書いてあるのは「アンタんとこは感染対策ができていません」という内容。ちょうど店主のおばちゃんが出てきたので「なぜこれを貼られたんですか」と聞いたら「たった1人、出前配達のお兄ちゃんが入店時に健康管理アプリをスキャンしなかったからよ」と憤慨しながら話してくれた。

北京ではどの建物に入るにも入り口に貼られたQRコードを健康管理アプリでスキャンしなければならない。そうすることによって「誰がどこを訪れたか」が記録されるので、濃厚接触の追跡などが可能になるのだろう。どうやら出前配達員がそれをせずに入店してしまい、その様子を現認されて店舗の責任となったようだ。

ただスキャンが面倒でどさくさに紛れて入店するような人はいるし、律儀にスキャンしてもチェックされない場合も多い。この店舗は、そんなところをめざとく確認されてしまったのだろう。店主は「いつまでこんなものを貼るのかさえ教えてくれなかった。うちの店だけじゃないのにいじわるされているみたい。めちゃくちゃよ」と怒りをあらわにしていた。

私の会社の北京オフィスが位置する敷地内でも陽性患者が確認された疑いで、その建物1棟が封鎖措置となってしまった。本来は新型コロナウイルスの感染防止のために始まった政策やルールが層を重ねるように厳しくなり(“层层加码”)、今やその政策やルールが感染防止以上に市民を苦しめるようになっている。うーん、本末転倒というか、何というか。

人がいなくなった街

午後、自宅前のPCR検査場に行く。多くの人が並んでいるかと思ったらガラガラだった。というよりも、街全体に人がいないといった感じ。

北京では感染が広がりつつあり、週末は“宅一宅”(家にいる)するように呼びかけられている。それもあってだろうか、地下鉄の駅はガラガラだ。

北京の原宿と呼ばれる(私は全然違うと思うが)西単に来ても、この通り。留学時代は大学からバス1本で来られるとあってよく来た場所だ。週末には人を避けて歩かなければならないくらいなのに、この人出は確かに少ない。

北京では新型コロナウイルスの感染者で死者が出たとのこと。高齢者で基礎疾患があったということだが、中国で半年ぶりの死者確認にメディアは感染拡大への警戒感を伝えている。今がピークなのか、序の口なのか。考え出すと暗い気持ちになってしまうなあ。

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