The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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「ブラック・ミラー」シーズン7

先週からNetflixでイギリスのドラマ「ブラック・ミラー」シーズン7の配信が始まりました。ダークSFを扱ったドラマで、「新たなテクノロジーがもたらす(良くない)社会の変化」を描いています。

私は「ブラック・ミラー」が好きで、2011年の配信開始以来すべてのシーズンを見てきました。生身の人間が記憶装置に埋め込まれる未来、行き過ぎた監視デバイスが招く悲劇、SNSの「いいね」欲しさに極端な行動に走る人たち……本当にありえそうな現実を描いていて、その示唆に富む結末はなんとも言えない読後感をもたらします。まあ、大体気分の良い終わり方じゃないんですけど(^^;)。

待ちに待ったシーズン7の配信が始まり、さっそく今日は第1話を見ました。タイトルは「普通の人々」、ストーリーについてはネタバレになってしまうので書かないでおきます。けれど、これぞブラック・ミラー!という風刺がガツンと効いていました。

今回のテーマは「サブスクリプション」。作品ではもしもサブスクが生きるための必需品になってしまったら……という世界を描いています。

愛する人の命を維持するために毎月一定の金額を払い続けなければならない。けれど未来永劫ずっと同額である保証はないのです。それが払える金額のうちはいいでしょう。けれど値上げが続き、とても払えないような額になったときにどうするのか。主人公の男性が愛する人のために下していく苦しい選択が印象的でした。今やサブスクと無縁の生活を送っている人のほうが少ないと思います。もしもこんな未来が来たとき、私は何を犠牲にするのだろう……そんなことを考えてしまいました。

例によって後味はかなり悪い話でしたが、愛のために何を犠牲にするのか、現代社会が抱える問題点について深く考えさせられる切ないエピソードでした。

あんぱん

この春から放送しているNHKの連続テレビ小説「あんぱん」を毎日楽しく見ています。アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんと妻の小松暢さんをモデルにしたドラマで、史実にフィクションも加えながらストーリーが展開されます。

あんぱん
【NHK朝ドラ公式】連続テレビ小説「あんぱん」。“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語です。【作】中園ミホ【音楽】井筒昭雄【主題歌】RADWIMPS「賜物」【語り】林田理沙アナウンサー【出演】今田美桜 北村匠海 加瀬亮 江口のりこ 河合優実 原菜乃華 ...

実は私、過去に何度もNHKの連続テレビ小説を見ようと「トライ」したことがあるのですが、うまくいきませんでした。連続テレビ小説って1話が15分で短いですけど、月曜から金曜まで週5回放送されるので毎日見ないといけないんですよね。少し見逃すと展開がすぐ分からなくなってしまいます。

当時は自宅のレコーダーで番組を予約録画していたのですが、仕事が忙しいと見られなくてどんどんたまっていっちゃう。するとストーリーに追いつけなくなって、結局見るのをやめるんです(笑)。そんなこともあって「あまちゃん」とか「マッサン」とか、話題を集めた連続テレビ小説をことごとく見逃してきました。

そんな私が今回の「あんぱん」は見続けられています。

一番大きいのはスマートフォンのアプリ「NHKプラス」のおかげ。NHKの放送の同時配信を視聴できるアプリですが、過去1週間の放送の見逃し配信も見ることができるんです。なので例えば昼食をとるとき、テーブルの上にスマホをちょこんと置いて視聴します。で、また15分という放送時間がちょうどいい。食事の間に見終えることができちゃいます。

私が中学生の頃、毎日欠かさず連続テレビ小説を見ていた友人がいました。ドラマを見終えて学校に向かうと始業時間ギリギリで、彼女はいつも走って登校していました。でも本来、連続テレビ小説というのは、こうして通勤・通学の前に見るものだったんでしょうね。だから15分という放送時間に設定されたんだと思いますが、それがスマホアプリのおかげでいつでもどこでも見られるようになり、放送開始以来の視聴文化が変わったんだなあとしみじみ感じます。

もちろん興味をそそるドラマの内容も「あんぱん」を見続けている理由のひとつです。まず幼少期を演じる子役たちの演技がとても上手。ストーリーも毎回「え、この後どうなっちゃうの」と思わせる展開で幕を閉じます。登場する高知の風光明媚なロケ地もいいですねえ。ただ登場人物たちの話す土佐弁はやはり作られたというか、不自然さは否めないですけど。役者さんが方言、特に西日本の方言を演じようとすると途端に関西弁っぽくなっちゃうんですよねえ。なぜだろう、最も耳にする機会の多い方言だからでしょうか。

丁寧な暮らし

最近、ハマっているアニメがあります。

と言うと、鬼滅の刃?呪術廻戦?なんて話題の最新作を見ているように思われそうですが、いえいえ、今から30年以上も前の作品「美味しんぼ」です。

原作は雁屋哲さん、作画は花咲アキラさんの言わずとしれた日本の料理漫画の草分け的存在です。主人公は新聞社に勤める山岡士郎と栗田ゆう子。2人は会社の創立100周年事業「究極のメニュー」の記事の執筆担当に選ばれ、そのメニュー作りに取り組みながら食を通じて出会うさまざまな人の悩みを解決していきます。

アニメならではの非現実的な展開はちょこちょこあるものの、食をめぐる描写はリアリティに溢れています。特に山岡士郎が蘊蓄垂れる食材や食文化に関する知識はとても勉強になっておもしろいです。また美食家たちが私の行ったこともないような料亭や高級レストランでどんな食事を楽しんでいるのか知ることができるのも、まるで別世界を垣間見ている気分になります。

私はNetflixで見ているのですが、何とYouTubeでも無料で配信しているよし。それも人気のエピソードは常時公開なんだそうです。太っ腹ですねえ、便利な時代になりました。

もうひとつ、ドラマでも最近ハマっているものがあります。

よしながふみさんの漫画作品を西島秀俊さんと内野聖陽さんの共演でテレビドラマ化した「きのう何食べた?」。もともと深夜にひっそりと放送されていたそうですが、今では劇場版も作られるほどの人気ドラマになりました。漫画のほうは今も1か月に1回のペースで連載が続いているそうです。

ドラマで描かれるのは弁護士の筧史朗(シロさん)と美容師の矢吹賢二(ケンジ)が一緒に暮らす何気ない日常。なかでも作品の大部分を占めているのが日々の食卓です。シロさんがキッチンに立って手際よく料理を作り、ケンジと2人で向かい合って幸せそうに食事を頬張るシーンを見ると、当たり前になっている「食事」を楽しむことがいかに大切なことなのか感じさせられます。

あと私自身30代半ばに差しかかる中で、登場人物2人に親しみを覚えている……というのもあるかもしれません。シロさんとケンジは共に40代。この頃って仕事やプライベートでいろんな変化が起きるんですよね。それに時に悩みつつも、生活を楽しんでいる姿が何とも素敵です。知り合いの日常をのぞいて「うんうん、そうだよね」と相づちを打つ感じ。

「きのう何食べた?」に出てくるレシピは「美味しんぼ」みたいな大層なものではなく、どれもシンプルな家庭料理。なのにとってもおいしそうなので、思わずマネしたくなっちゃいます。例えば「ツナとトマトのぶっかけそうめん」。田中美佐子さん演じる佳代子さんのメニューで、おいしそうだったので作っちゃいました。薬味をたっぷりかけるのがポイントなんですが、残念ながらミョウガが北京では手に入らず。その代わりにシソとネギをたっぷりかけていただきました。

ここ数年、自分のハマったアニメやドラマを思い出すと、大体「料理」と関係しているんですよね。小林聡美さん主演の映画やドラマも大好きなんですが「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」なんて何度見たか分かりません。これらも料理がたくさん出てくる作品でした。とは言え私は決してグルメじゃないし、料理が得意なわけでもありません。なのになぜ料理に関係する作品を好きになるんだろう……と考えたのですが、もしかすると「丁寧な暮らし」に憧れているから、かなあ。

食事って生活の豊かさに直結していると思います。せわしない日々を送る中で充実した食生活を送るのって結構面倒です。腹を満たすだけならお総菜でもカップラーメンでも十分事足るので、ついついそうなりがち。けれど、ちょっと手間ひまかけて「丁寧な暮らし」をすると心に余裕が生まれてくるんですよね。スーパーに行けば商品棚に並ぶ野菜から季節を感じられます。何を作ろうか考え、食材を買って帰って料理を作る。できあがった料理を誰かと一緒に語らいながらいただく……これが日常の豊かさなのかもしれません。職業柄、私も忙しい日々を過ごしています。油断していると食事はどんどん簡素になり、家の中がハムスターの巣みたいになっていく(笑)。だから料理に関するアニメやドラマを見ると「丁寧な暮らし」の大切さを思い出させてくれるような気がするんですよね。

んなことを言っていたら、何だか無印良品の宣伝文句みたいになってしまいました……って、だから私、無印良品が好きなのかな(笑)。だって昨日、無印良品に行ったばかりじゃないのよ(^^;)。何だか我ながら繋がったような気がします。

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