中国北京での隔離生活2日目。

朝からPCR検査、口の中に綿棒を突っ込まれ「アー」と声を出すよう指示される。これは毎日実施するのかなあ。検査をしてくれたスタッフに聞いても「私は検査だけを受け持っているので、お答えしかねる」という返事だった。

今日は部屋でのインターネット環境について少し書いておこうと思う。

私が入った隔離施設にはひとつひとつの部屋にWi-Fiが設置されていて、自由に接続することが出来る。ただしご多分に漏れず、中国の「グレートファイヤーウォール」と呼ばれるインターネット規制が掛かっているため、GoogleやYahoo!JAPANといった検索サイトを始め、TwitterやFacebookといったSNS、YouTubeにもアクセスすることが出来ない。

そこで利用するのがVPNというサービスで、おそらく中国に滞在経験のある日本人ならほぼ全ての人がお世話になっているかな。私は今回、隔離にあたってトラベルルーターを持参し、このルーター自体にVPNをかましてネット環境を作り出してみた。

持参したのが「GL-MT1300」というVPN対応のトラベルルーター。かわいいポケットサイズ。

このルーター自体にVPNをかますのだが、厳密に言うと私が入れたのはVPNではなく「Shadowsocks」というサービス。VPNは外部から見て明らかに分かるトンネルを作って通信をするので、規制する側にとっても「規制しやすい」。一方で「Shadowsocks」は通信内容を暗号化しつつも、外から見たら通常の通信と変わらないので、当局の目を逃れやすいという利点がある。

部屋にあったのは中国電信のモデムで、ここからWi-Fiも出ている(そのWi-Fiは中国国内の通信)。このモデムと「GL-MT1300」を接続し、そちらで国外との通信をすることに。

多くの人はパソコンやスマートフォンなどの単位でVPNを入れているけど、こうやってルーターにVPNを入れてやれば、そのWi-Fiに接続している機器は全て国外と同様の環境になる。例えば私の場合、プライベートのパソコン・スマートフォン、会社のパソコン・スマートフォンと持っているが、この「GL-MT1300」に接続しているため、どれもVPNをわざわざ立ち上げなくてもすでに日本と同じような環境でインターネットを楽しむことが出来る。