今日、昼食を食べに職場を出て歩いていたところ、あることに気付きました。

自転車が整然と並べられています……が、よく見たら並んでいるのは点字ブロックの真上。視覚障害者の方が歩く際の拠り所をつぶしてしまっているのです。この写真を私が何も言わずに中国人スタッフに見せたところ「何が問題なんですか」という反応でした。私が点字ブロックのことを指摘すると、そこで初めて「ああ、確かに」と気付きます。

日本だと民放の夕方のニュースなんかで取り上げられそうなところですが、中国ではあまり問題にならないんですよね。と言うより、何とも思っていない人が多い。指摘されれば気付くんですけど、言われなければ「そんな細かいこと」という反応の人が多いように感じます。でも視覚障害者の方々は困りますよね。

中国でもうひとつ感じるのは路上喫煙の多さです。

まあ、タバコを吸うのは個々の自由だからアレコレ言うつもりはありません。ただ路上で自由気ままに吸うものだから副流煙はあちらこちらに漂い、これが本当に嫌なのです。私はもともとタバコを吸わず、加えて妻が妊娠しているので特に気になります。手に持ったタバコも危ない。火の付いた部分がすれ違う子どもに触れたらどうするんでしょうか。

こうした中国の実態を見るにつけ、どれもこれも日本がかつて通ってきた道だということに気付かされます。感覚的には日本の20年遅れ……といったところでしょうか。確かに中国はすでに多くの分野で日本を超しました。路上には自動運転のタクシーが走り、すでに現金を「ほぼ」使わない国なのです。なのに国民の意識は日本の20年前(か、あるいはもっと前)のように感じる場面が多い。

みんながみんなそうだと言うつもりはありません……例えば北京でよく目にする公共交通機関で高齢者や幼い子に席を譲る文化なんて、多くの日本人が学ぶべきだと思います。ただ総じて国民意識が追いついていないのは認めざるを得ないでしょう。「衣食足りて礼節を知る」というのは中国の古い言葉ですが、現代の中国を見ていると「本当の発展とは何なんだろう」と毎度感じさせられます。