今日は北京市北東部の順義区にある「順義虎楽園」に行きました。その名前の通り、トラを飼育・展示している施設です。

北京市中心部から車で50分くらいでしょうか。郊外ということもあり、来園客がそこまでいませんでした。今の中国は本当どこに行っても人・人・人なので、人が少ないだけでもありがたいです。

園内にはトラ以外の動物もいました。こちらは“黑熊”、日本語だと「ツキノワグマ」ですね。こちらの動物園は“互动”(ふれあい)を売りにしていて、動物にエサやり体験ができるようになっていました。結構たくさんの人がエサやりを体験していたようで、私たちはやらなかったですけど、展示エリアに近付くとみんなエサをほしそうに近寄ってきます。

アルパカもいました。体毛はカットされて、すっきりした体型をしています。

ウシです。白黒なので、これはホルスタイン?ということになるのかしら。人懐っこく顔を近付けてきて「モォ~~」と鳴いていました。

フタコブラクダです。このラクダさんも人懐っこく顔を近付けてきます。目に長い睫毛がはえていて、端麗な顔立ちです。

こちらの施設の主人公、トラです。午後の昼下がりはあまり動かないのか、座り込んでゴロゴロしていました。近くで見ると迫力がありますねえ。あくびをしたときに見える牙もするどいです。こんな動物に襲われたらひとたまりもないです。

ここには“虎餐厅”(トラレストラン)という施設もあり、トラを眺めながら飲食を楽しむことができます。私たちは食事はしませんでしたが、お茶をいただきました。相変わらずトラはゴロゴロしていましたが、たまにのそっと起き上がってガラスの前をテクテク歩いてくれました。娘も本物のトラを目の前にして、手を叩いて喜んでいました。

でも四方を客席に囲まれて常時人間に眺められているトラを見ていると、得も言われぬ気持ちを抱いてしまいました。このトラたちはこれまでも、これからもこの狭い空間で食事をする人間に鑑賞されながら暮らしていくんですよね。トラの気持ちなんて知る由もないんですけど。ラクダなんて広い飼育エリアがありながら柵にしっかり縛られていました。“互动”(ふれあい)という名の下に人間の子どもたちから干渉され続け、動物たちは内心どう思っているんでしょう。

日本だと動物の飼育環境がずいぶん重視されるようになっているようです。2021年の記事ですが、日経新聞が専門家が選んだ「動物も喜ぶ飼育環境の良い動物園10選」を掲載していました。

動物も喜ぶ飼育環境の良い動物園10選 保護や研究に力 - 日本経済新聞
動物福祉の観点から飼育環境の改善を図る一方で、希少種の保護や研究に取り組む動物園が増えつつある。新型コロナウイルスの感染拡大で出向くのは難しくなったが、先駆的な取り組みをしている施設を専門家が選んだ。1位 よこはま動物園ズーラシア680ポイント 非公開の運動空間確保世界の動物を「アジアの熱帯林」や「アフリカのサバンナ」など、本来の生息環境に配慮し地域別にすまわせている。飼育スペースが広いうえに

最近だと札幌の民間動物園「ノースサファリサッポロ」の飼育展示が動物保護の観点から不適切と批判されましたが、この点、中国はまだ及ばないと言わざるを得ません。

日本の動物園だってかつては同じだったでしょう。そもそも自分だって他の生物の命を犠牲にして生きていますし、こんなことを言うと「動物園」という存在自体を否定することになってしまうと思います。けれど中国で飼育される動物を見ていると毎回こういうことを考えてしまうんです。

やがて哀しき動物たち哉
今日は娘を連れて動物と触れ合えるプレイグラウンドに行きました。ショッピングモールの中にある施設で、割引サービスを使って「大二小一」*1が124元(約2500円)でした。店員さんから6回入場できる回数券のほうがお得だと力説されましたが、物は試しに来た程度ですし、やっと1歳になったばかりの娘を連れて今後5回も来るかな?という思うところもあって丁重にお断りしました。この施設は衣料品店や雑貨店と並んで入居していて、面積も他店舗と同じくらいでした。アルパカをはじめ、ヤギ、ネコ、ウサギ、それに...

娘を喜ばせてあげようと来たのですが、どこか悲しい気分が抜けないまま施設を後にしました。

References
*1大人2人と子ども1人。