The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

投稿者: ぼぼよる (59ページ目 (244ページ中))

たくましく生きる市民

職場近くに、いつもよく通る地下通路があります。

いつも地下には地べたに商品を並べて物を売るおじさんやおばさんがいます。許可を取って商売をしているわけではないので、あくまでこっそりと、です(なので、ここで紹介する写真も通路の入口だけにしておきます)。

中国には各都市で露天商の無許可営業や違法駐車などを取り締まる「城管」という組織があります。日本で言う違法駐車や路上喫煙禁止区域の監視員的な存在です。こうした地下通路を不定期にパトロールして取り締まります。物売りの人たちは城管が来ると慌てて逃げるのですが、中には運悪く捕まってしまう人もいて、かわいそうなことに商品を没収されたり罰金を科されたりします。

もちろん、一義的に悪いのは無許可営業をするほうです。しかし城管の中にはチンピラまがいの乱暴なやり方で取り締まる人もいて、正直、市民からの評判は良くないのが実情です。

これは台湾メディアが伝えた中国南部・福建省で撮影されたとする映像。無許可で風船を売っていた高齢男性が城管に見つかってしまいます。男性は「もう売らない、もう売らない」と叫んでいますが、城管は男性から風船を奪い、踏みつけて割ります。

城管は公務員ですが、そんなに高い給料ではありません。一方で取り締まりの権限は多方面に及ぶので不正に走りやすいことも問題になっていて、罰金と称して賄賂などを要求したり、没収した商品を横流ししたりするなどの行為が横行しているという話もあります。

中国に来ると地べたで物を売る露天商をよく見かけますが、その多くはこうした城管の取り締まりをかいくぐりながら(彼らなりに)一生懸命頑張っている……というわけです。

で、別に応援するわけじゃないですけど買っちゃいました(^^)。これ、見る角度によって絵が変わったり、立体的に見えたりする「レンチキュラー」ってやつです。北京は地方から観光で訪れる人が多いので、こうした土産品を売る人がよくいます。何枚か毛沢東のイラストがあったので、私が「日本一時帰国の際の土産になるかな」と見ていると、おばちゃんがすかさず寄ってきました。私が「毛沢東の絵が欲しいんだけど」と伝えると、写真の3枚を出してくれました。1枚20元……日本円にして400円程度です。高いのか安いのか分かりませんが、まあ、土産物の値段としては妥当じゃないでしょうか。

別れ際、おばちゃんは「あたしゃ、いつもここにいるからね。何かあればいつでも訪ねてくればいいよ」とひと言。何かあればって、何があるか分からないですけど(笑)たくましいおばちゃんです。今日買った毛沢東の絵は日本に一時帰国した際の土産にしたいと思います。

デジタル花火

先週の土曜日に中国の杭州でアジア大会が開幕しました。アジア大会は「アジア版オリンピック」とも言われていて、開催国の中国とっては威信をかけたイベントです。確かに中国メディアの伝え方を見ていたら「オリンピック並み」とも言える力の入れようを感じます。

こうした中、アジア大会の開会式をめぐってXで次のようなポストが話題になりました。

中継映像で派手な花火がドンドン打ち上がっているのに、実際の会場では何も起きていません。動画の撮影者も笑いながらも「どういうこと」と戸惑っていて、インターネット上では「フェイク花火」とか「中継映像は捏造」と批判する声もあるようです。私も開会式の映像を見て「すげーな」と思っていたので、何だか騙されたような気分。

ただ調べると事前に発表はあったようで、開会式の総監督が「本物の花火ではなく『デジタル花火』を打ち上げる」と明らかにしていたとのこと。

本物の花火を使わない理由は「環境保護のため」だそうです。確かに中国は春節の花火・爆竹でさえも環境汚染に繋がるとして禁止しています。4年に1回のイベントくらい、本物の花火を打ち上げたらいいじゃないと思っちゃいますけど、これも中国の「環境保護に力を入れています」というアピールなのかしら。

しかし「デジタル花火」って格好良く聞こえますが……つまりAR(拡張現実)のことですよね?そんなに真新しい技術ではないし、いくら事前に発表していたとは言え、中国メディアはあの映像を使って散々「すごいぞ!中国」と伝えていました。実際の様子を見て「だまされた」と言う人がいてもしようがないんじゃないでしょうか。ここで思い出してしまうのが2008年に開かれた北京オリンピックの開会式。当時も「実は本物でなかった花火」がメディアで話題になりました。

この動画の14分04秒から始まるシーン、足跡をかたどった花火が天安門広場からメインスタジアムに向かって次々と打ち上げられます。29歩目で足跡が会場に到着するという演出でしたが、これが後になって本物の花火ではなくCGだったことが分かって話題になりました。アイデア自体は面白いし、最初からCGだと言っておけば良かったんでしょうけど、言わなかったんです。で、後からCGと分かったことで国内外から「偽装オリンピックだ」とまで言われる事態になりました。

今回のアジア大会の場合、北京オリンピックと違って「本物の花火」ではないことを事前に発表しています。そもそも「環境保護のため」という目的もあります。けれど、あまりに多くの人が(私も含め)拍子抜けしてしまっているのを見るに、この2008年の北京オリンピックの開会式がどうしても思い出されちゃうわけです(^^;)。いや、分かりますけど……これを「デジタル花火だぞ!」と胸を張って言われても、正直「は、はぁ……」としか返せないところです。

北京でピザ

今日は妻のリクエストもあり、夕食にピザを食べに行きました。

訪れたのは「五道営」(“五道营”)という胡同にある「Tube Station」というピザ屋。中国語では“站点比萨”という店名です。確かイギリスでは地下鉄のことを”Tube”と言いますから、イギリスの地下鉄の駅?という設定なんでしょうか(ただ看板には”NEW YORK STYLE”と書いてありますが)。以前にも一度来たことがありますが、中国っぽい雰囲気の胡同にありながら店内はアメリカに来たような雰囲気で、欧米の客もいらっしゃいました。

たっぷりツナマヨの載ったツナサラダをいただきました。ドレッシングには“日式芥末汁”(和風わさび)を。ちょっとツーンとしましたが、サラダにとても合うお味でした。

ペパロニピザ。10インチの一番小さいサイズを注文しましたが、それでも食べ応えがあります。近くに座っていた欧米人の客は2人でもっと大きいピザを注文していました。さすがですね~。

これとフライドポテトも。ここのフライドポテトはサクサクしていておいしいです。

ビールの半額セールをしていたので、1パイントを2杯いただきました。いつもならもっと飲んじゃうところですが、ピザだとすぐお腹いっぱいになってビールが入らないですね(^^;)。

北京の「鼎泰豊」

今日は夕食をいただきに「鼎泰豊」(ディンタイフォン)に行きました。言わずと知れた台湾に本店がある小籠包のレストランです。

向かったのは鼎泰豊北京漁陽店。独立した2階建ての建物でした。

最後に鼎泰豊に行ったのはいつかなあ。2017年に台湾出張した際、台北の永康街にある本店に行ったので、そのときかな。まさか本店の次にいただいた鼎泰豊が北京とは。実は日本の店には行ったことがないんです。

定番メニューの豚肉が入った小籠包と、エビの蒸し餃子。ちょっと「あつあつ!」感が足りないようにも思いましたが、さすが鼎泰豊だけあって上品な味です。

こちらは空心菜と羊肉を炒めたもの。シャキシャキとした食感がたまりません。

鼎泰豊というと小籠包が有名ですが、実はチャーハンも看板料理。そんなこともあり、今回は大きなエビの入ったエビとタマゴのチャーハンを注文しました。

中国のチャーハンって大きな皿にドドン!とよそってあることが多いので、食べきれるかとヒヤヒヤしていました。しかし、いざ運ばれてきたチャーハンは日本の中華料理屋で1人分として出されるくらいの量。ちょっと拍子抜けしました。値段を見ると「そんなに高くない」。うーん、もしかすると中国も少人数で食事をすることが増えたので少量メニューが充実してきているのかもしれません。

実際、1人で食事に来ている人がちょこちょこいらっしゃいました。少し前の中国は「食事は大勢でするものだ」という意識が強く、日本に来た中国人がファミレスや牛丼屋で1人食事をする日本人を見ては不思議がっていたのを覚えています。それが今や鼎泰豊でさえも1人で来ちゃうんですからね、中国は。正直日本でもまだ鼎泰豊に1人で行く人は少ないと思います(ランチは別ですけど)。

来週、日本に一時帰国します

来週の土曜日から日本に一時帰国します。私の勤めている会社では健康診断を受ける名目で1年に1回、経費は会社負担で日本に帰らせてもらえるのです。日本滞在中には人間ドックと職場にいる産業医の問診を受けますが、それ以外は1週間ほど自由に過ごすことができます。

この1年の中国生活を振り返ると、それなりに楽しんでいます。一足遅れて中国入りした妻も北京での暮らしに慣れてきたようです。私が学生時代に留学していた頃と比べると中国は格段に便利になりました。日本の商品はインターネット通販で簡単に買えますし、日本料理店も増えたので食に困らなくなりました。駐在員として中国にいるので、留学生時代に寝泊まりしていた寮に比べるとずいぶん広い部屋に住まわせてもらっています。日本で住んでいた家と比べても広く、とてもありがたいことです。

それでも日本に帰ることに、どこかワクワクしてしまいます。今中国にいられるほうが「特別」なのに。日本に帰ったらあの人に会おう、あそこに行こう、あれを買おう、あれを食べよう……やりたいことがあれこれ思い浮かびます。数年前に中国人観光客の「爆買い」が話題になりましたが、その気持ち、今の私ならよ~く分かります。ああ、思いっきり日本の海鮮を食べたいなあ。内陸の北京では海の魚が本当に高価なのです。

でも真面目な話、ベビー用品は日本で大量買いしたいと考えています。妻と「買うものリスト」を作っていて、帰国時には「アカチャンホンポ」や「西松屋」といった店をめぐる予定。あとは電化製品ですね……日本製の電化製品を買うなら日本が一番です。安いし、種類もあるし。私も妻も一時帰国の際にスマートフォンを買い換える予定のほか、ちょこちょこ家電を買い揃えるつもりです。

そんなことばかり考えているので、職場にいる中国人の同僚に「すっかり国慶節で日本旅行に行く中国人みたいな顔になっていますよ」と言われてしまいました(^^;)。いや、今回ばかりはそれで良いのです。中国人並みの旺盛な購買意欲で祖国の経済に貢献したいと思います。

ちなみに「一時帰国」って中国語でうまく言えないですね。日本語だと「連休に一時帰国します」って言えますけど、中国語で“长假期间暂时回国”と言うと、うーん、“暂时”(一時的)という部分が強調されて「今回は一時的な特別な帰国」と聞こえます。日本語の場合、海外赴任や留学を終え、日本に戻ることを「本帰国」と言うので「一時帰国」という言葉が生まれたんでしょうね。

中国語で「一時帰国」は何と言えばいいのか。考えてみたのですが、ここは“回国一趟”、あるいは“回一趟国”でしょうか。“一趟”で行って戻ってくる、一往復の回数を表しています。つまり帰国するけど「また戻ってくる」というニュアンスが加わりそうです。けれど、そうすると「本帰国」はいよいよ中国語で何と言えばいいか(^^;)。難しいです。

追記)

職場の中国人の同僚に聞いたら、やはり中国語で直接「本帰国」と言い表すのは難しいと教えてくれました。“结束任期回国”(任期を終えて帰国)とか“结束留学回国”(留学を終えて帰国)と言うしかなさそうです。

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