The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

投稿者: ぼぼよる (65ページ目 (244ページ中))

健在なポイントカードおじさん

今日は本を買おうと、西単にある「北京図書大厦」(“北京图书大厦”)に行きました。

相変わらず大きい、北京では最も大きな書店じゃないでしょうか。十数年前に留学していた頃にはしょっちゅう来ていました。今の自宅からは王府井にある書店(“王府井书店”)のほうが近いですが、こちらのほうが大きくて品揃えが良いような気がします。

中国は日本に比べて書籍の値段が安いと思います。日本と違わず最近は中国でも活字離れが進んでいるやに聞きますが、それでも書店が賑わっていますね。

相変わらずレジ前にいる「ポイントカード貸してあげましょうおじさん(おばさん)」は健在。私のようにポイントカードを持っていない客にすり寄ってきて「カードは持っているか?無いならオレのを使うか?」と言います。私はカードを借りることで書籍の割引を受けられ、貸す側にはポイントがたまるというシステム。今日も私がレジに並んでいると目ざとく近寄ってきて「その本はもともと○○元だから、カードを使えば○○元になるよ」と説明してきました。

面白いのが、レジの前で堂々とやるんですよね。店員さんも明らかに気付いていますが、何も言わないところを見ると半ば公認なのかもしれません(^^;)。

国の対立にケンカは必要ないのです

今日は仕事関係で、とある某政府機関に出向きました。

やはり……とは思いましたが、福島第一原子力発電所の処理水の話も。とは言え、向こうも「とりあえず話題には上げておかなければ」という体ですから、やんわりした感じでした。「日本は『核汚染水』……まあ、皆さんは『処理水』と呼んでいますが」という注釈の入れよう。

でも確かにそうですよね。今回の出来事は日本と中国にとって新たな火種となっていますが、それで互いがケンカする必要はないのです。いろいろ問題はあります。例えば日本が国内の漁業関係者を始め、周りをどれだけ納得させる努力をしてきたか。中国は日本のことを非科学的と非難する割に中国自身が感情的な主張に陥っていないか。そりゃあ当局間では互いに言わなきゃならないことがあるのでケンカになるかもしれませんが、一般市民がケンカしなくていいのです。こういう問題が起きると民間の交流イベントが中止になることがあるでしょう?ああいうの、私は愚の骨頂だと思います。

私が「日本の一般市民も海洋放出が今後安全に行われるか、監視していく*1必要がありますね」と答えると、先方も「その通りです」とおっしゃっていました。

今日、北京にある日本大使館から日本人向けに次のような注意喚起が届きました。

(1)外出する際には、不必要に日本語を大きな声で話さないなど、慎重な言動を心がける。
(2)大使館を訪問する必要がある場合は、大使館周囲の様子に細心の注意を払う。

日本語を話しているだけで危なくなる可能性があるなんて、本当に悲しいことです。けど日本だって人のことを言えません。ヘイトスピーチという行為が現に存在するではありませんか。

思い起こすと、私が学生時代に北京に留学していた十数年前も尖閣諸島近くで海上保安庁巡視船と中国の漁船が衝突して、日中関係がどん底と言われるまでに悪化した時期でした。当時も大使館からこんな注意喚起が届いたなあ。歴史は繰り返されると言いますが、こうした「悪い歴史」も巡り巡って繰り返されるのかと寂しい気持ちになりました。

References
*1私は中国語で“监督”(監督する)という言葉を使いました。

塩がなくなる中国

今日、東京電力が福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海への放出を始めました。

中国政府がどういう反応しているかは日中双方のメディアが散々伝えているので、ここでは申しますまい。私が気になったのは、北京を含む中国各地で「塩の買い占め騒動」が起きている事態です。

東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を受け、中国各地で食塩の買い占めが起き、スーパーなどで売り切れが相次いでいる。処理水放出により、海水を使った塩づくりに影響が出るとの誤った認識が広まったためとみられる。

読売新聞オンライン(2023年8月25日)

今回の騒動については中国メディアも報じています。そして北京市当局は“北京市食盐储备充足,市场供应有保障,市民无需囤盐”(北京市の食塩の蓄えは十分あり、市場の供給も保障されている。市民が塩を買い占める必要はない)と通知を出すほどです。

これを受けて思い出したのが、私が中国に留学していた2011年のことです。東日本大震災の起きた年ですが、私は当時北京にいました。福島第一原子力発電所が水素爆発を起こしたことを受け、塩の買い占め騒動が起きたのです。当時は「食塩に含まれるヨウ素が放射性物質による汚染を防ぐ」というウワサが広がったのが理由でした。

これは私が当時、フェイスブックに投稿したものです。

今天听朋友说北京有些超市买不到盐了,才知道出现了抢盐的情况,真的不理解,这盐还能当饭吃吗?中国的百姓总是那么容易从众。那些商人真会利用时机囤积居奇,不道德。

今日友人から北京の一部のスーパーで塩が買えなくなっているという話を聞き、初めて「塩の買い占め」が起きていることを知った。全く理解できない、この塩が食事の代わりになるというのだろうか?中国の一般人はこんなにも簡単に人に影響される。そして商売人の中には機に乗じ、値上がりを待って転売しようと買い占める人もいて非道徳的だ。

エラそな口の聞き方をしているのは若気の至りということでご容赦下さい。けど正直、当時と状況が変わっていないことに驚きます。百歩譲って「海水から作る塩は処理水放出の影響を受けるかもしれない」という懸念は理解できます。けど周りの騒ぎに影響され、我も我もと買い占めに走る様子は今回と全く同じではありませんか。かくも中国の人々は影響されやすいのです。

そんなことを言ったら、おまえは処理水を放出している国の人間だろうと言われるかもしれませんね。そう言われては、何も言い返せませんけど。

留学時代の記憶再び

仕事で付き合いのある韓国の方と約束があり、お昼を一緒にしました。

日本人が多く住んでいる「亮馬橋」近くの日本料理店を指定されて行ったのですが、いざ来てみると……あれ、ここ、見覚えがあるというか……以前に来たことがあるような気がします。

ここは「三全公寓」というマンションで、確かに私が留学時代に来たことのある場所でした。

私が留学していた当時、同じように留学していた日本人で社会人の方がいたんですね。その方は会社の制度を利用して北京で学んでいましたが、その方がここに住んでいたのです。一度だけ招かれ、来たことがありました。たった一度ですが、覚えているものですね。今、仕事として同じ場所を再訪できるというのは何だか感慨深いです。

エスカレーターの改修工事

私は毎朝地下鉄で出勤しているのですが、会社の最寄り駅に着くと途中に地上まで続く長いエスカレーターがあります。長いと言っても20メートルちょっとでしょうが、それだけ深いところにあることが分かります。

普通、古い地下鉄は「地表から浅い場所」に建設されます。例えば東京メトロ銀座線は日本で最も古い地下鉄ですが、浅いですよね。地表から階段を降りるとホームがすぐそこにあります。一方、最近になって建設された地下鉄は大体「深い」。だって地表から浅い位置には他の地下鉄だけでなく、地下街、地下駐車場、地下を走る首都高……いろんなものがあります。それを避けて建設しようとすれば、自ずと深い位置になりますよね。例えば都営地下鉄大江戸線の六本木駅なんて地表から40メートル余りの場所にあり、日本で最も深い駅なんだそうです。

話は戻りますが、私が毎日出勤に使っている駅は北京地下鉄1号線と2号線が走っています。これ、北京地下鉄では最も古い路線の2つなんですよね。だのに、深い。これは建設当時、毛沢東による「戦争の際には防空壕を兼ねることができるように」という指示によるものという説があります。北京地下鉄の建設が始まった1960年代はまだ冷戦の真っ只中だったので、戦争に備える意識が強かったのかも知れませんね。

そんなことを思いながら毎朝エスカレーターを使っていたのですが、このエスカレーター、実は今月1日から改修工事のためストップしていたのです。

こんな感じ。で、毎朝この階段を上らないといけなかったのです。これが結構キツくて、キツくて。若者が何を言ってんだと言われるかもしれませんが、この階段を上ることを考えるだけでも出勤が億劫になるほどで(笑)。

その改修工事が昨日までの予定だったのです。なので今日はエスカレーターが使えるようになっているはずだ!と意気揚々と向かったのですが……

ええ~~!!まだエスカレーターが動いていない~~!!

そして崖のような階段を皆さん上っています。これね、本当に大変なんです。一段一段が高くて、上りきる頃には足がジワジワしています。私はまだ良いですけど、気の毒なのは高齢の方。あと赤ちゃんを連れている方なんて、お母さんが赤ちゃんを抱いて、お父さんはベビーカーを運んで、そりゃ大変。あとこの時期は地方からの旅行客が多いですから、スーツケースを持った人も多いですね。その人が疲れて手を離したときには、もう階段下にいる人たちの被害たるや想像に難くありません。

そもそもエスカレーターの改修工事に20日余りもかけるって長過ぎやしませんか。日本だと1、2日で終わるように思います。こういうところ、悪い意味で中国っぽいなあと感じます。

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