今日は機会あって、中国で今月20日から公開される「スラムダンク」の最新映画の先行上映イベントに行ってきました。原作者の井上雄彦氏が監督・脚本を手がけた『THE FIRST SLAM DUNK』、日本では去年12月に公開された作品です。
中国の人と付き合いがある方なら分かっていただけると思うんですけど、中国の、特に30代から40代の人たちが「スラムダンク」にかける熱情って計り知れないものがあるんですよね。私が中国語を学びたての頃、よく中国人から「インムーホワタオ」と言われたのを覚えています。はじめは何を言っているのか分からず、尋ねると「サクラの木で、花の道だよ」と答えるのでますます混乱していたところ、紙に“樱木花道”と書いてもらって判明。ああ「桜木花道」だったのね、と(^^;)*1。
中国では知らない人はいないと言えるほど「スラムダンク」が人気です。にもかかわらず、私はバスケットボールはおろかスポーツ全般に興味がない人間で、漫画「スラムダンク」も読んだことがありません。アニメのほうの主題歌くらいは知っていますが、そのくらいなんですよね。そんな私が先行上映イベントに行くんですから、ファンの皆さんには申し訳ない思いです。
作品の背景やストーリー、登場人物もろくに知らずに鑑賞したのですが、いやあ、すごかったです。まず絵がすごい。あれはCGになんですよね?でも原作者の井上雄彦さんの絵が「動いている」という感じ、全く違和感がありません。一方、試合シーンはまるで実写映像を見ているかのようにリアル。思わず手に汗握り、前のめりになってしまうほどでした。
「スラムダンク」を見ていない人間が言えた口ではないですけど、私でさえ感動したくらいですから長年のファンはたまらなかったでしょうね。とにかく劇中はすごい盛り上がりようで、まるでバスケットボールの試合を観戦しているかのようでした。彼らと同じ空間で鑑賞できたことも、とても幸せだったかもしれません。
ちなみに今日上映されたのは中国語吹き替え版でした。1990年代に中国で「スラムダンク」のテレビアニメが放送された際も吹き替え版だったので、当時のファンには中国語を話している桜木花道たちのほうが「聞き慣れている」から、という理由のようです。
調べると日本語版は声優がテレビアニメ版から総入れ替えなんですね。中国語版のほうは桜木花道や流川楓など一部のキャラクターはテレビアニメ版と同じ声優が担当したようです。
今日は上映後に吹き替えを担当した声優たちが登壇しました。桜木花道の吹き替えを担当した于正昇氏が“我是个天才!”と有名なセリフを披露すると会場がひとしきり沸いていました。これ、日本語版だと「天才ですから」ってセリフですよね。私もこのくらいなら知っています。当時テレビでよく聞いたセリフが当時と同じ声で聞けるっていうのはうれしいだろうなと思います。
ネットメディアの記事によると、日本語版の声優総入れ替えは一部ファンから批判が上がっているよし。私みたいにテレビアニメ版を見ていない人間は構わないですけど、思い入れのあるファンには不満があるかもしれませんね。
吹き替えは吹き替えでいろいろ発見があって楽しめましたが中国語の聞き取りに100%の自信が持てず、正式に公開されたらぜひ日本語オリジナル版を鑑賞しに行きたいと思います。
*1 | 中国で日本人の名前は「中国語の発音で読む」ことになっているので、例えば大山さんは「オオヤマ」ではなく「ダーシャン」ですし、佐藤さんは「サトウ」ではなく「ズオトン」。それだけに中国語で日本人の名前を発音されても、一瞬「?」となってしまうことが多いのです。 |
---|