ここ数日、ニュースを賑わせているアメリカによる中国の気球撃墜。今日、共産党系メディアとして知られる『環球時報』を見ると、おもしろい見出しだった。

中方抗议美击落“流浪气球”(中国はアメリカによる「さまよえる気球」撃墜に抗議した)

環球時報(2月6日付)より

おもしろいのは気球を“流浪气球”(さまよえる気球)と表現している点。

これを見てピンときた方は中国のエンターテインメントに通じている方だろう。中国で2019年に大ヒットした映画のタイトル《流浪地球》(邦題『流転の地球』)をもじったんだなあ。

流浪”というのは日本語の「流浪」と同じで「さまよう」という意味がある。だから日本語タイトルも『流転の地球』より『流浪の地球』や『さまよえる地球』のほうがよかった(分かりやすかった)んじゃないかと個人的には思っている。

この《流浪地球》、私も見た。ちょうど2019年に北京に出張する機会があり、仕事が終わってから映画館に見に行ったのだ。中国のSF特撮技術がハリウッドに追いついた!だったか、ずいぶん大げさな宣伝だったのを覚えている。とはいえカメラワークが理由か、何だかゲーム画面を見ているようだった。あとこれは「中国あるある」だが、内容がてんこ盛りで展開が早すぎて着いていけない。親子の愛みたいな「お涙頂戴」のシーンも全然共感できないし、プロパガンダなのか、ところどころで「中国!」を主張しすぎて一気に冷めてしまう。

とまあつらつらとコメントしたが、要するに私個人はそこまでの出来に感じなかった。そんな数年前の映画タイトルをなぜ今更もじるかというと、ちょうど今《流浪地球2》が公開中なのだ。ちょうど春節の連休前に公開され、私の周りでも「見た」という中国人が結構いる。

正直あんまり期待していないが、まあせっかく中国にいるんだし見に行ってもいいかも。