今日、上野動物園で生まれ育ったジャイアントパンダの「シャンシャン」が中国に返還された。朝から日本での報道ぶりはすごいし、何なら中国での関心も高い。シャンシャンが大勢のファンが見送れながら上野動物園を出発する様子が伝えられると、中国版ツイッター「ウェイボー」では“日本人有多舍不得中国大熊猫香香”(日本人がどれほど中国ジャイアントパンダ、シャンシャンとの別れを惜しんでいるか)というハッシュタグが出回ったほど。

「ウェイボー」には「日本の皆さん、これまでシャンシャンを愛してくれてありがとう」と感謝する言葉や「シャンシャンは中国語を理解できるのかな」なんて投稿も。中国政府が相手国との「友好」のシンボルとしてパンダを貸し出すやり方は「パンダ外交」なんて言われているけど、日本と中国の友好促進に繋がっているのはあながち間違いでもなさそう。

ちなみに「シャンシャン」で思い出すのは、中国外務省記者会見での騒動。まあ、騒動というほどのものではない、ほほえましいハプニングだけど。

2017年12月の中国外務省の記者会見での出来事。日本人記者が当時上野動物園で「シャンシャン」が一般公開されたことについて質問したところ、華春瑩報道官が厳しい表情で回答。

我们希望日方与中方能够相向而行,按照中日之间的四点原则共识和四个联合的文件,来妥善处理好有关的问题。

我々は日本側が中国と向かい合い、両国間の4点の共通認識と4つの共同文書に則って関連する問題を適切に処理することを望みます。

あまりに的外れ(?)な回答に会場は一瞬シーンと凍り付く。すると別の中国人記者が「ジャイアントパンダのシャンシャンのことですけど」と聞くと、華報道官は「あ、そのシャンシャンのこと?私はてっきり……」と我慢できずに笑顔がこぼれていた。

原因は華報道官がシャンシャンを当時の外務省の杉山外務次官と勘違いしたため。中国語発音では「杉山」を[Shānshān](シャンシャン)と発音する。実際の中国語では、シャンシャン(香香)を[Xiāngxiang](シアンシアン)と発音し「杉山」とは少々異なるので、中国人が質問していれば聞き間違えなかったかもしれない。