The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2023年5月 (2ページ目 (6ページ中))

久しぶりの刺身

今日は妻の誕生日だったため、前にも行った「魚清」に行きました。北京では珍しく刺身といった日本の海鮮を扱っている鮮魚店で、その場でいただくこともできます。魚を食べたいという妻のリクエストで、私もぜひ食べたいと思っていたのです。

鮮魚店で「食事もできます」と聞くと市場の海鮮丼なんかを出す店を思い浮かべるかもしれませんが、ここは居酒屋のような食事メニューも揃っているので、夕食の時間帯になると結構混みます。前回はずいぶん待ったので今日も覚悟して来たのですが、運良くすぐに席に着くことができました。

北京では滅多に食べられない刺し盛りです。ここは「刺し盛り」というメニューがあるわけではなく、店内の販売コーナーに並んでいる刺身のさくを持って来れば会計した上で盛り付ける……という方式です。妻と一緒にあれこれ自分の食べたい刺身を選びました。私はブリやマグロ、妻はホタテやタコ。サーモンもお決まりですね。

日本で食べる味には叶わないでしょうが、いやあ、おいしい。分厚く切ってくれていることもあって、1枚1枚がぷりぷりです。中国で出回るマグロは解凍と冷凍を繰り返してパサパサになったものが多いですが、ここのは新鮮です。

ミニサイズの「あんこう・ふぐ鍋」も注文し、ぷりぷりの身をポン酢に付けていただきました。ポン酢は自家製なのかな、私は普段ミツカンの「味ぽん」を使っていますが、それより酸味が抑えられていてコクがあり、おいしかったです。

日本にいた頃は肉をほとんど食べませんでした。晩酌のお供はもっぱら魚……特にスーパーで半額になった刺身が大好物で、この年になるとあんまり肉を食べなくなって。それが中国に来ると肉ばかりです。海魚がないんですよね。もし今後、肉か魚のどちらかしか食べられないとしたら、私は魚を選ぶと思います。

やっぱり違う「牛肉拌麺」

先日訪問した「東方宮」で「牛肉拌麺」をいただきました(もしかしたら『蘭州拌麺』という名前だったかもしれません)。

冷やし中華みたいな見た目ですが、中国語の意味は「まぜそば」に近いです。食べるラー油みたいなのがかかっていますが、辛くはありません。何度か、私の行きつけの蘭州牛肉麺の店が改装中なのだとここにも書きましたが、その店で最近ハマッていたのがまさに「牛肉拌麺」なのです。

似たような味ですが……うーん、やっぱり違います。私が行きつけの店で好きだったのはゴマダレっぽいソースと、もちもちのコシがある麺なんですよね。こちらの麺はコシがなくって、何だかパサパサした感じ。早く行きつけの店にリニューアルオープンしてほしいものです。

黒酢コーラ

今日、コンビニでこんなものを見つけました。

老陈醋”(老陳醋)と書いてあります。山西省の有名な黒酢ですね。日本で「お酢」といったら透明なものを想像するかもしれませんが、中国だと黒酢が一般的です。

しかし、これが並べられていたのはコンビニのレジ横。コンビニで、それもわざわざこんなところに黒酢を“新品”(=新商品)と並べるなんて不思議だなあと眺めていると……いや、“老陈醋”の下に“可乐”(コーラ)と書いてあるではありませんか。これ、黒酢ではなく「黒酢コーラ」です。

このコーラの販売元“魔术师”はこれまでも変わった味のジュースを開発していて、例えば“二锅头汽水”(二鍋頭*1サイダー)、“葡萄酒汽水”(ワインサイダー)、“大蒜咖啡”(にんにくコーヒー)なんかを売り出してきたそうです。そして今回の新商品が「黒酢コーラ」ですか……うーん、試そうという気にもなりませんでした。でもネタにはなるかも?気が向いたら買ってみたいと思います。

References
*1安手の焼酎。

798芸術区

今日は「798芸術区」に行ってきました。北京の北東部に位置する中国最大と言われているアートエリアです。主に現代アートを扱っているのですが、私はもともと芸術に疎い上に現代アートは特に不勉強ということもあって、あまり興味を持っていませんでした。分かりづらいんですよね、現代アート。奇妙というか、奇抜なものが多くて敬遠していたのです。

今日ちょっとした用事で近くまで来たところ、最近「798芸術区」に行った妻が「アートというよりお店がたくさんあって楽しそうだったよ」と言うので、行ってみることにしました。

実は十数年前の留学時代にも来たことがあります。この煙突とか、廃工場の跡地みたいな感じ……よく覚えています。1950年代に軍事機器や半導体を作っていた工場の跡地を活用し、アーティストたちがアトリエとして使い出したのが「798芸術区」の始まりなんだそうです。

壁一面に麻雀牌がはめ込まれています。「798芸術区」内の公衆トイレの壁です。ところどころ外れちゃっているところもありましたから、本物なのでしょうか。そうすると裏(青い面)を見せている牌も、実は表に全て絵柄があるのかもしれませんね。

妻が話していたように、雑貨屋みたいなお店がたくさん増えていました。

私が留学していた頃はもっと至る所に(奇抜で、正直ちょっとよく分からない)現代アートの作品が並んでいて、濃い「アートエリア」という感じでした。当時に比べると商業化が進んだというか、悪く言えばやや俗っぽくなった印象があります。アート好きな人からすれば、少し物足りなくなったかもしれませんね。

韓国の大手自動車メーカー「ヒュンダイ」の展示施設「ヒュンダイモータースタジオ北京」がありました。施設の壁には一面の壁画、タイトルは“漫游北京”、よく見ると北京伝統の「フートン」や、北京オリンピックのメイン会場となった「鳥の巣」など、たくさんの名所が描かれています。

商業施設が増えて賑わっている一方で、稼働しているのか分からない工場群もたくさん残っていました。私が留学時代に来た際は、いくつかの工場はまだ動いていました(冬に行きましたが、パイプからプシューッと蒸気が漏れていたのを覚えています)。今はどうなんでしょうね。

木々の向こう側に見えるSFチックな建物は立体駐車場です。日本だとビル内に収まっていますが、こうやってむき出しなのもオシャレですね。「798芸術区」の雰囲気に合っていると思います。

こちらはインテリア雑貨を扱うお店「ダルトン」。私は知らなかったのですが、自由が丘や代官山にある日本発祥の雑貨屋なんだそうです。

インテリア雑貨メーカー、ダルトンの公式オンラインショップ。オリジナルの家具や、キッチンアイテム、ガーデンツール、ハードウェアなど数多く販売しています。

妻から「たぶん好きだと思う」と言われて中に入ると、アメリカンなデザインの商品がたくさん置いてありました。トラッシュカン、キッチン用具、スチールウェア。うーん、良いですねえ。どれも私の好みばかりです。

かわいい目覚まし時計があったので、ベッドのサイドテーブル用に買っちゃいました。見た目はレトロで秒針がカチコチと鳴りそうですが、静音タイプのもの。「ダルトン」は北京だとまだ「798芸術区」にしかないそうです。もっと増えたら通っちゃいそう。いろいろ揃えたくなりますね。

日本版サミットと中国版サミット

広島県では昨日からG7サミットが開かれています。一方、中国では時を同じくして中国・中央アジアサミット(“中国・中亚峰会”)が開かれました。中国のほうは昨日一足早く閉幕しましたが、G7を意識して開かれたことは間違いないと感じます。

それぞれのサミットでどんなことが話し合われたかは大手メディアが散々報じているので詳しく書きません。私が気になったのは会場の違いです。

岸田総理大臣がツイートしたG7広島サミット初日の討議の様子です。G7メンバー7か国の首脳に加え、EUのミシェル大統領、フォンデアライエン委員長、合わせて9人が円卓に座っています。

一方、中国で開かれたサミットはどうだったかと言うと……

中国国営の中央テレビの国際放送「CGTN」のツイートです。こちらも同じように円卓ですが、規模が全然違います。

私はこの様子を見て、とても中国らしいなと思いました。とにかく体裁にこだわるんですよね、この国は。客をもてなす際はド派手な演出で、これでもか!というくらい豪華絢爛でなくてはなりません。なぜなら、それが「それだけ費用をかけた」というメンツに直結するからです。それは個人レベルでも同じで、食事をするなら食べきれないほどの満漢全席でこそ主人のメンツが立ちます。

インターネット上では2つの会場の違いを指摘する声が多く見られました。中国のサミットが「とても立派」な一方で、G7広島サミットが「あまりにショボい」というものです。確かに「中国的な思考」からすれば、その指摘は的を射ているでしょう。

けれど……結局は「見た目」に過ぎないんですよね、この国は。つまり「見えない」部分は適当なんです。中国に暮らしていると分かりますが、どんなに立派な建物でも裏側に行くと未完成なのかと言わんばかりの造りなことが多いです。扉の立て付けが悪かったり、床のどこかが欠けていたり。廊下を歩いていても見える位置に段ボールが山積みで、倉庫のように使われていることも。あとは(何度も言っていますが)トイレ。どんなに立派なホテルでもどんなに立派なデパートでも、中国のトイレって本当に汚い。造りもあるでしょうが、使う側の「意識」にも問題があるように思います。

その点、日本は見えないところにも……いえ、見えないところに「こそ」こだわっているように思います。ちょっとした段差にスロープが付いていたり、エスカレーターの外側に転落防止用の柵が付いていたり。あとは先ほど挙げたトイレですけど、日本のトイレの清潔さは世界に誇れると思います。だって、ちょっと古びた雑居ビルのトイレだってきれいに掃除されているじゃないですか。デパートのトイレに至っては言わずもがなです。

私は中国で「見た目」だけにこだわり、中身の薄っぺらいところをたくさん見て来ました。そういう中国を目にする度に、本当に国が「成熟」するとはどういうことか、というのを否応なしに感じさせられるわけです。失礼を承知で言うならば、中身が伴っていないというか、張りぼてというか。

いや、客をもてなそうとする心は立派です。私もそうやって心ある招待をたくさん受けては、中国の人々の「おもてなし」の熱量に感激しました。私が言いたいのは、そもそも「サミット」って首脳同士が直接やり取りし合うから意味があるということです。首脳同士が息のかかる距離で膝をつき合わせ、事務方の話し合いだけでは解決しないことを*1トップダウンで決められるから意義があるのに、あの中国のサミット会場……まるでサッカーコートです。隣の人の顔もろくに見えないし、話しかけるのだって「おーい」と叫ばなければなりません。

歓迎レセプションなんて「やり過ぎ」そのものでした。かつての唐の都を再現した民俗テーマパークで500人の歌手やアーティストらが皇宮のようなステージで大規模な公演を行ったのです。

西側諸国からすればちょっと恥ずかしいくらいの豪華さですが、中国は「誇らしい」のでしょう。一部の中国メディアは「中国・中央アジアサミットはまるで唐の時代の『万邦来朝』を再現したようだ」と伝えました。でも「万邦来朝」って、周辺国が朝貢のため中国にやって来ることを指す言葉でしょ?そういう言葉を使っちゃうところに、中国の本音が見えていると思います。

References
*1事務方のやっていることが悪いと言っているのではありません。彼らがつくってくれた土台があった上で首脳同士の「サミット」ができるのは言わずもがなです。
« Older posts Newer posts »

© 2024 BOBOYORU.NET

Theme by Anders Noren上へ ↑