今朝、突然「あなたのPCR検査の結果に異常が確認されました」というショートメッセージが届いた。どうやら昨日受けたPCR検査で引っかかってしまったらしい。

中国のPCR検査は10人の検体を1つの試験管にまとめて検査するのが一般的。なので私を含む10人のうち誰かが陽性の可能性がある……ということで、私の検査結果が「異常」になったわけだ。

感染対策が緩和される前は結果に「異常」が出るだけでも大騒ぎだったが、もう今では何でもなくなってしまった。ショートメッセージの指示では自分で抗原検査をするか、どこかのPCR検査場で1人1検体の検査を受けなさいと書いてある。そこで会社から支給されていた抗原検査キットを使って検査することにした。

細長い綿棒を鼻の中に突っ込んでグリグリ。その綿棒を検体抽出液に浸し、よーく検体を抽出させる。その後、液をテストプレートにポトポトと落とし、あとは数十分待つだけだ。そうだろうとは思っていたが、結果は果たして陰性だった。

次は、この結果を“京抗原”というミニプログラムで申告をしなければならないらしい。よく分からないのがまた登場した、何なんだ“京抗原”って……

今月になってリリースされたミニプログラムで、抗原検査の結果を申告するのに使われるらしい。

これまで北京ではどこに行くにも“北京健康宝”という健康管理アプリを提示しなければならなかった。ようやく“北京健康宝”の出番が減ったと思ったら、今度は“京抗原”。もう勘弁してほしい。

それよりなにより、検査結果の自己申告。キットの写真を添付してアップロードするのかと思いきや、個人情報を入力したら「陽性」「陰性」「無効」の3つの選択肢をタップするだけだった。私の場合「陰性」をタップしたら終わり。ええー?なんじゃそりゃ。これじゃ私が仮に陽性だったとしても陰性だと申告できちゃうわけ?

うーん、もはや中国政府が感染者の数を追わなくなっている以上、抗原検査の結果申告も今や意味のない作業なのかもしれない。でも、仮に私が陽性だったらどうするの?同じように「陽性」をタップさせて終わり?日本でも保健所が連絡をくれ、あれこれサポートしてくれるのに。これまでの中国では陽性が発覚した途端どこぞへ連れて行かれたのに、今や放置状態。いくら「ゼロコロナ」政策の方針を転換したとは言え、それはちょっと無責任な感じがするよねえ。