日本で来たる新型コロナウイルスの第8波に警戒感が強まる中、中国でも感染が広がり始めている。とは言え、昨日中国で確認された感染者は約8500人。日本は約8万7400人なので10分の1ほど。けれど中国では大ごとだ。

とある日本企業の北京オフィスは日本人社員が全員自宅隔離になったらしい。理由は、出勤していた中国人スタッフの下の階の住人が陽性になったから。つまり、その中国人スタッフ自身は陽性でも何でもないのに、このスタッフと同じ空間にいたことを理由に“次密生接触者”(2次濃厚接触者)というカテゴリーに分類されたそうだ。

何なんだ、2次濃厚接触者って。全然「濃厚」じゃないし、それで自宅から出るなと言われるんじゃ、何のためにこんな高頻度にPCR検査しているのか分かったもんじゃない。

会社の北京オフィスの周りでは、商業施設が営業を停止したり一部の公園が閉鎖したりと影響はじわじわと出ている。また感染者が出た地域からの移動が厳しく制限されているので、北京の日本大使館には地方に出張や旅行に行ったまま「自宅に戻れない」という日本人からの問い合わせが相次いでいるらしい。なかには1か月以上帰れていない人もいるそう。

これがいわゆる中国政府の進める「ゼロコロナ」政策、徹底的に感染を抑え込むやり方だ。

周りの中国人たちの間では「感染する」ことよりも「隔離される」ことに対する不安のほうが高まってきている。そりゃそうだ、私も日本で陽性になった身だが、今や新型コロナウイルスは風邪と同程度の症状。なのに数週間にわたって隔離されるんじゃ、そちらのほうが影響が大きすぎる。

しかし今日の19時から放送したニュースではこんなことを言っていた。

11月10日現地時間19時から放送された中国中央テレビニュース番組「新聞聯播」

中国の最高指導部たちが会議を開き“坚定不移贯彻‘动态清零’总方针”(「ゼロコロナ」の大方針を揺るぎなく貫徹せよ)と確認したということだ。市井の人々が混乱しているのを知ってか知らずか、今後も厳しい状況は続くらしい。