The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2023年3月 (4ページ目 (6ページ中))

牛肉チャーハン

昼に先輩と職場近くの食堂にランチをしに行く。

ここは青海牛肉麺といった麺料理をはじめ、“羊肉串*1や“大盘鸡*2などイスラム系の料理を出している店で、昼時にはものすごく賑わう。

入店するとちょうど席を立つ客がいたので、運良くすぐに座れた。私も何度か来たことがある店だが、先輩から「牛肉チャーハンがおいしい」と言われたので、そちらをいただくことに。

先輩には内緒だけど、ちょっと味は微妙だった。味付けにムラがあるのと、牛肉チャーハンという割には牛肉が雀の涙だ。ここの“羊肉串”は驚くほど肉が大きくて太っ腹だなあといつも思っていたのだが、それに比べるとずいぶん「けち」だ。

ここの牛肉麺はおいしいので今後も利用したいと思うけど、牛肉チャーハンはもう頼まないかなあ。

References
*1ラム肉の串焼き。
*2鶏肉とジャガイモの煮込み。ウイグル料理の代表選手。

偷着乐

今日、中国人の同僚から“偷着乐”は日本語で何と言えばいいかと聞かれた。中国外務省で以前報道官を務めていた趙立堅氏がいつかの会見でこの言葉を使っていた。

中方在应对新冠肺炎疫情方面是无可指责的。(中略)中国人民已经取得了抗击新冠肺炎疫情的战略性胜利。在座各位能在抗击疫情期间生活在中国,就偷着乐吧!

中国の新型コロナウイルスの感染対策に非難の余地はない。(中略)中国の国民は新型コロナとの闘いにおいて戦略的勝利を収めた。出席されている(外国メディアの)皆さんは、このコロナ禍に中国に住むことができて“偷着乐”しているでしょう。

偷着乐”は直訳すると「こっそり喜ぶ」「ほくそ笑む」という意味だ。この会見で言いたいのは「中国の新型コロナ感染対策は世界に誇る立派なものだ。全世界がウイルスと闘っている中、あんたたちは中国に住めて『内心、喜んでいる』でしょう」ということ。

この会見の数か月後、上海では未曾有の厳しい外出制限が行われ、多くの人が苦しい経験をしたのは周知の通り。それだけに「んなわけねーだろ」とツッコミが来そうな会見だが、実際、この会見はいろいろと波紋を呼んだ。これだけが原因ではないだろうが、その後、趙氏は報道官の業務を離れて他部署に異動した。元気にされているのかな。

日本へ出発するビンドゥンドゥン

日本の職場の同僚からビンドゥンドゥン(“冰墩墩”)のぬいぐるみを買ってもらえないかと頼まれた。ビンドゥンドゥンとはジャイアントパンダをモチーフにした去年の北京オリンピックのマスコットキャラクター。確か開催期間中には、ビンドゥンドゥンの関連商品を買い求めてグッズショップに大行列ができたと話題になったのを覚えている。

聞くと、今年の干支に合わせて「ウサギのビンドゥンドゥン」が販売されているらしい。日本のAmazonで買おうとすると1万円を超えるらしく、中国で買ってもらえないかと言うのだ。こちらの通販で検索すると200元ほど、日本円でおよそ4000円。確かに日本の販売値の半額以下だ。送料も払うと言うので、こちらで買って送ってあげることに。

正直な話、私はビンドゥンドゥンをあまりかわいいとは思えないのだが、見ているとかわいくも思えてくるような気がする。このジワジワくる感じが人々を魅了してやまない理由なのかなあ。

箱は、通販で購入した際に入っていたものをそのまま流用することに。少し薄いかな?と心配していたところ、郵便局の係員さんが「これでもか」というほどテープをぐるぐるに巻いてくれた。

中身はぬいぐるみとキーホルダーだけなので、そこまで重くはない。日本に最も速く届けられるEMSを選ぶと226元(約4400円)。ううむ、やはり高い。これじゃ送料とぬいぐるみで値段が変わらないじゃないか。ほかにもう少し安い航空便と船便があったけれど、同僚はEMSが一番安全で確実だと言うので結局EMSに。まあ、これでも日本国内での販売値より安いしね。

送り状を書いて係員さんに渡すと「箱にも住所を書いて」と言う。黒のサインペンで書き加えて再度渡すと「電話番号も書いて」。ええ、そこまで書くの?送り状にも書いているんだけどなあ……と思いながら、受取人のケータイ番号を書き加える。

しかしこれだけ物流が発達した現代、海外との郵便や小包のやり取りは日常茶飯事になったけど、それでもこうやって日本に向けてはるばる運ばれていくんだなあと思うとワクワクする。中国人の友人と文通をしていた頃を思い出す。

私が子どもの頃にはすでにメールが当たり前に使われる時代になっていた。けれど中国語を学び始めた中学生の頃には、中国の友人と短いあいだ文通をしたことがある。切手を複数枚買って貼り、封筒のおもてに“PAR AVION“とか“VIA AIR MAIL”とか書いて。返事が来る頃には、出したことも忘れちゃっているんだよね。いまでもこういうことにどこかときめくのは、当時のあの感覚が身体に残っているからなのかもしれない。

故事成語

今年の“两会*1が閉会した。閉会後、新しく首相に就任した李強氏の記者会見が行われた。

新しく就任した李強首相、歩き方といい、話し方といい、何だか「近所のおっちゃん感」がある。にこにこしていて、エリートだった前の李克強首相に比べると、たたき上げといった雰囲気だ。それだけに中央での政治経験のない李氏の手腕は未知数。「ゼロコロナ」政策で停滞した経済の立て直しが喫緊の課題となる中、どういう経済政策が展開されるか、乞うご期待……というところか。

ちなみに、中国のお偉い方々はよく会見で故事成語やことわざといった、難しい中国語を使う。会見を聞いていて“中国有一句话说……”(中国のことわざにいわく……)などという発言が始まるや「キタキタ〜!」と心臓の鼓動が早くなる。今回就任した李強首相は歴代の首相に比べるとそこまで多用していなかった。それでも私のような純ジャパが聞くと「??」となる中国語表現が出てくる。

像我们这一代人,小时候听得最多的故事是大禹治水、愚公移山、精卫填海、夸父逐日等等,都很励志,讲的都是不怕困难、不畏艰险、勇于斗争、自强不息的精神,中国人从来没有被任何困难所压倒!

我々のような世代の者は、幼い頃によく「大禹治水」「愚公移山」「精衛填海」「夸父逐日」といった物語を聞いた。どれも自らを奮い立たせてくれるもので、困難を恐れず、危険を恐れず、勇敢に戦い、たゆまず励む精神を教えてくれた。中国人はこれまでどんな困難にも圧倒されたことはない!

「大禹治水」「愚公移山」「精衛填海」「夸父逐日」なんて羅列されても「ひぃぃ~~」だ。こういう中国語をその場で即座に訳さねばならない通訳の人たちって本当にすごい。私だったらお手上げだろう。うちいくつかは日本語でもそのまま通用するが、あまり詳しくない人に訳すなら「黄河の治水を成し遂げた大禹」、「山さえも動かした愚公」、「こつこつ石を運んで海を埋めた精衛」、「太陽を追った夸父」くらい言わなければ、理解できないだろう。

意味を知っているか知らないかで、故事成語は伝わり方が全く違う。「知っている」人に対しては漢字4文字だけでバックストーリーはもちろん、そのストーリーが持つ教訓さえも一瞬で伝えることができる。逆に言うと「知らない」人には全く伝わらない。

ちなみに会見には英語の逐次通訳も付いていた。どう訳していたのだろうか。

People of my generation are familiar with stories of heroes in Chinese legends like Dayu who tamed the flood, Yugong who moved the mountains, Jingwei who carried stones to fill up the ocean, and Kuafu who chased after the sun. These inspiring stories are testament to the spirit of resilience tenacity and the perseverance that has defined the Chinese nation. We, the Chinese people have never been crushed by any difficulty.

私の世代の人たちは、洪水を鎮めた大禹、山を動かした愚公、海を満たすために石を運んだ精衛、太陽を追いかけた夸父など、中国の伝説に登場する英雄の話をよく知っている。これらの感動的な物語は、中華民族の特徴であるレジリエンス、粘り強さ、忍耐の精神の証である。我々中国人はいかなる困難にも打ちのめされたことはない。

うーむ、さすが。日本人ならまだしも、欧米の中国語通訳者にこんな訳が即座にできるだろうか*2。他山の石だと思って、私ももっと真面目に勉強しよう。

References
*1中国で重要政策を決める全国人民代表大会と中国人民政治協商会議の2つを合わせた略称。
*2とは言え、大体こういう中国の指導者たちの記者会見は想定問答が事前にあることがほとんど。おそらく通訳用の原稿も事前に用意されているんだと思う。

渋谷横丁

日曜日だけど今日も仕事。帰宅後、せっかくの週末なので外食した。向かったのは北京に2年前にオープンした「渋谷横丁」。その名の通り、日本料理店を集めた施設だ。

これも過去3年のコロナ禍で日本に行けない中国人たちの「思い」を満たすためにできた施設なのだろう。建物全体が「渋谷横丁」というわけではなく、3階のみが入居フロア。お好み焼き居酒屋、ちょっとおしゃれなバー、座敷で天ぷらがいただける割烹料理屋など、日本らしい飲食店がぎっしり詰まっていて、このうち「海花」という沖縄料理店に入ることにした。

いざ入店すると、恰幅の良い店主と思わしき男性が「いらっしゃい!何名様で?」と日本語で話しかけてくれた。ああ、私も日本人だと認識してくれたんだなあ……ちょっぴりうれしい*1

ゴーヤチャンプルー、島らっきょみたいな定番から、チキン南蛮、スパムの入ったポテトサラダなども注文。個人的には海ぶどうをいただきながらオリオンビールをクイッといただきたかったが、どちらもないようだ。やはり特殊な銘柄のビールや生ものは難しいかあ。

ちなみに先客に10数人ほどの日本人のグループがいたんだけど、これが結構賑やかな人たちだった。よく日本人は「中国人は声が大きい」なんて言うけれど、これじゃあ日本人も全然負けていないなあ。一方、同じ店内にいた他の中国人客はみんな静かだったので、どう思っただろう。賑やかなのは誠に結構だけど、たまにこちらの会話の声が聞こえなくなるくらいだったのはちょっとねえ。

ちなみに、中国人は「渋谷」という漢字をよく“涉谷”と書き間違える。

「渋」という漢字は、中国語では本来“”(繁体字では“”)と書かなければならない。ただ「渋」と“”は見た目が結構違うため、その結果、何となく似ている“”(日本漢字だと「渉」)と書いてしまうのだ。これは「渋」の漢字と違うし、発音も違う。

中国って漢字の本場でありながら、結構こういう適当なことが多い。一方、日本はワタナベさんという名字ひとつ取っても「渡辺」、「渡邊」、「渡邉」など漢字が50種類以上あって、書き分けているのにねえ。ただ、これも戸籍を登録する際に役所の人または当事者が漢字を書き間違えたという説があるくらいだから、実は日本も適当なのかもしれない。

References
*1見た目から中国人と思われることが多いので。
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